「政治を国民の手に」国民会議

政治を国民の手に取り戻すために、腐りきった菅政権や検察、裁判所などの実態、権力と癒着したマスコミの横暴を暴きます。

東アジア外交の転換

2007年09月30日 | Weblog
国際金融機関を支配する経済派ユダヤは財務省のルートを使い中国に急接近を始めている。いまや米国は中国を敵視するどころか大事なパートナーとして扱っている。一方中国は国家を挙げて東アジアを一つの集団にする「東アジア共同体」構想を積極的に推進し国際的な立場を有利にしようとしている。

06年10月30日に中国の南寧で開催されたASEANと中国の関係十五周年を記念する首脳会議でフィリピンのアロヨ大統領はあいさつで「ASEANと中国の関係が今日ほど良好で強固な時はない」と強調し、「東南アジア諸国は西側市場への貿易依存を減らすために中国に期待している」と述べた。

ASEAN各国はかつて中国と対立し中国の脅威を強く感じていた。しかし1997年に起きたアジア通貨危機でASEAN諸国は西側先進諸国への過度の経済依存が危険であると感じ中国との経済協力を強化してきた。その結果ASEAN諸国と中国の貿易は91年の80億ドルから2005年の1300億ドルへと飛躍的に増大している。

一方、中国がASEAN諸国との関係を重視するようになった理由は、南沙諸島の領有権をめぐるフィリピン、ベトナムなどとの紛争である。武力衝突や領土紛争などの発生を防ぐために双方はARF(ASEAN地域フォーラム)での対話を開始、2002年には南シナ海の行動規範に関する宣言を締結している。

このような情勢の中、最近では安部総理が2007年8月20日~23日の期間、ASEANのインドネシア、マレーシアとインドを訪問した。外務省は中国が主導する「東アジア共同体」や「上海協力機構」に対抗して「自由と繁栄の弧」構想を掲げ2007年1月以降、東欧や中央アジアに向けての首脳外交を展開している。

狙いは明らかにASEAN諸国に対する中国の外交攻勢への対抗であり、また中国と並ぶ大国インドへの訪問は、経済発展で膨張する中国への牽制であろう。しかし同盟国である米国も中国に急速接近しており、日本が「東アジア共同体」を軽視すればアジアから孤立する恐れもある。

国家主義的性格の強かった安部内閣に代わり親中国の福田内閣が誕生し、政府の東アジア外交も大きく転換する可能性がでてきた。国家体制の異なる中国の膨張は日本にとって脅威でもある。しかしいたずらに恐れ対立するのではなく「共生」の道を模索することも重要だ。中国と言う虎穴に入らずんば国益という虎児を得ずであろう。

日本はイラン攻撃に巻き込まれないか

2007年09月29日 | Weblog
イスラエルや米国がイラン攻撃に向け着々と準備を進めていることについて日本のマスコミは殆ど報じていない。もしイランへの爆撃が始まればイランはイスラエルにミサイルを撃ち込むとともに、インド洋に展開する米艦隊に対しても報復攻撃を行うだろう。このような事態になればインド洋で給油活動を行う海上自衛隊も被害を被る可能性がある。

政府や防衛庁ではこのような事態に備え対応策を検討しているはずだ。「テロ特措法」では法律上イランを攻撃する米国空母への給油は出来ない。しかし米国の補給艦を経由して給油する裏技を使えば法律違反がバレる事はない。だが「テロ特措法」で派遣した自衛艦がイランの戦闘機に攻撃され死傷者でもでれば日本では大問題になるだろう。

ところで参議院選挙が終わった時点で安部内閣が速やかに臨時国会を開けば「テロ特措法」延長は難なく通ったはずだ。安部総理は「テロ特措法」延長ができなければ、今日のように国家を揺るがす大問題になることはよく分かっていたはずなのに、何故臨時国会を早期に開かなかったのかいまだに謎である。

安部内閣の怠慢?で11月1日に期限が来る「テロ特措法」は廃案になるだろう。これに代えて自民党は「米国への忠誠」を示すために「テロ新法」を検討している。しかし「テロ新法」をまとめるプロジェクトチームのリーダである山崎拓氏は「臨時国会の会期を延長して新法を通す」ことに否定的で来年の通常国会に出すことを示唆している。

これら一連の動きは「テロ新法」成立をなるべく遅らせ、イラン戦争が始まるかもしれない年末にかけ海上自衛隊をインド洋から退避させイラン戦争に巻き込まれないようにしようとしているようにも見える。このような日本の逃げ腰に対しブッシュは9月8日の安部ブッシュ会談で「テロ特措法」延長を実現するよう釘をさしたようだ。

結局安部総理は「米国の要求」と「イラン戦争のリスク」の狭間で悩み?「局面の転換を図る」と言い残し辞任したのではないか。安部総理が辞任し9月25日に国会で福田氏が内閣総理大臣に任命されるやいなやブッシュ大統領は翌日の26日に福田総理へ電話をかけ直ぐに米国へ来るよう促している。

恐らく「テロ特措法」延長で給油が一時中断しないよう要求するのだろうが、福田総理にとってここ1ヶ月間で小沢代表を説得し「テロ特措法」を延長するのは不可能だ。しかし米国という国は都合が悪ければ自国の大統領ですら暗殺する国である。最悪、属国である日本の野党党首を手にかけるくらいなんとも思っていないかもしれない。

安部総理が辞任会見のときに「小沢代表に会談を申し入れたが断られた」ことを辞任の理由に挙げていたが、常識的に考えても会談したところで小沢氏が「テロ特措法」延長に対しウンと言うはずがない。安部総理のこの発言は理解に苦しむが、大胆に想像すると「ブッシュの脅しを小沢代表に伝え警告」しようとしたのかもしれない。

衆議院選挙はどうなる?

2007年09月28日 | Weblog
次の衆議院選挙に向けて民主党の小沢代表は300小選挙区の議席のうち150議席以上を確保することを目標とした。先の参院選では自民党に猛烈な逆風が吹いて野党は大勝利したが、衆議院選挙は与党の有利な時期に解散・総選挙に打って出られるのでこのような差はでてこないだろう。

8月21日の読売ウイークリーではこれ等を勘案して、野党の参議院選挙での得票を2割差し引いた上で衆議院小選挙区の議席数を予想した結果を紹介している。それによると小選挙区で自民120、公明6、与党系無所属3で与党が計129議席。民主、社民、国民新は計171議席となり衆院でも与野党が逆転することになる。

野党の参院選得票を2割差し引いても落選する小選挙区の与党現職衆院議員は110人に上る。その顔ぶれを見ると驚くべきメンバーが並んでいる。特に目立つのは町村氏、津島氏、伊吹氏、山崎氏といった派閥領袖クラスや総裁候補の麻生前幹事長、森元総理や中川元政調会長、丹羽元総務会長などの党幹部クラスである。

閣僚経験者では甘利経産相、柳沢前厚労相、高市前沖縄・北方相、また安倍首相の側近では石原伸晃前政調会長、根本前首相補佐官が落選組。また片山さつき前広報局長等の小泉チルドレンも枕を並べて殆ど討ち死に。参院選後、安倍首相の続投に公然と異議を唱えた小坂憲次氏、後藤田正純氏も落選組という予想だ。

9月に入って自民党は「安部総理の政権放り投げ」で完全に国民の信頼を失ってしまった。一方民主党は自民党議員が総裁選挙で浮き足立っている最中でも小沢代表の指示のもと、若手議員を地元に帰し「現場に密着した活動」を展開させ、またベテラン議員には国会に提出する「政策のブラッシュアップ」を進めさせている。

この両党の行動面での落差を見ても次期衆議院選挙における与野党逆転、政権交代はかなり現実味を帯びてきたようだ。民主党は自民党の混乱に巻き込まれないよう国会でも「国民のためになる政策」を堂々と打ち出していけば必ずや国民の支持を得ることは出来るだろう。

テロ特措法で拉致問題に明かり

2007年09月27日 | Weblog
9月27日から北京で「北朝鮮の非核化」に向けた6カ国協議が始まる。拉致問題を話し合う6カ国協議の日朝作業部会では北朝鮮が安部政権の強硬姿勢に反発し行き詰っていたが、話し合いを重視する福田政権の誕生で果たして交渉はうまく進むのかどうか、福田総理の手腕が問われる。

ところで今回の総裁選で一番驚かされたのは抽象的発言に終始していた福田氏が「北朝鮮による拉致問題だけは私の手で解決したい」と明言したことだ。福田氏は官房長官時代から内政面では目立った成果は見られないものの、東アジアを中心とする外交を熱心に進め「影の外務大臣」とも自称していた。

しかし02年9月の小泉総理の訪朝後「北朝鮮との約束に従って5人の拉致被害者をいったん帰すかどうか」について当時の福田官房長官は官房副長官であった安部氏と激しく対立。結局拉致被害者は返さないことで軍配は安倍氏に上がった。これによって安倍人気は急上昇し、福田氏は得意の外交で屈辱を味わうことになる。

昨年、総裁選で安部氏の対抗馬として期待されながら出馬を断念したのも、7月5日の北朝鮮ミサイル連射で「対話重視の自分に出番はない」と判断したからではないかと囁かれた。しかし今日、拉致問題に関する日朝交渉は行き詰まり、対話を重視する自分の出番が来たと判断、「貧乏くじ」を覚悟で総裁選に立候補したのかもしれない。

ところで米国のライス国務長官は9月24日のロイターとのインタビューで「拉致問題の全面解決を待たず、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する可能性」を示唆する一方、26日にはヒル国務次官補とシーファー駐日大使が中山拉致担当補佐官と会談「日朝関係よりも日米関係を重視する」と拉致問題に配慮することを明言した。

どうやらブッシュ政権は「拉致問題」を軽視すれば日本の世論が米国非難に傾き「テロ特措法」延長が叶わなくなることを恐れだしたのかもしれない。まさに民主党の「テロ特措法」反対のパワーが米国に圧力をかけたのだろう。今後米国は北朝鮮に対し「拉致問題」の圧力を一層強めると思われる。今こそ日朝交渉のチャンス到来だ。

そこで日朝交渉のキーマンとし浮かび上がるのが山崎拓氏である。彼は昨年来、自民党の代表として北朝鮮政府と独自に接触していたが安部政権はこれを勝手な行動だと不快感を示していた。しかし今回の総裁選で山崎氏は古賀、谷垣氏らとともにいち早く福田氏を支持、福田氏と同様「話し合いによる拉致問題解決」に意欲を示している。

今後の展開として、福田総理が「テロ特措法新法」のプロジェクトリーダでもある山崎氏を対北朝鮮特使として遣わす可能性もでてきた。果たして福田、山拓コンビが米国を手玉にとって北朝鮮との「交渉」を有利に運ぶことができるのか。「拉致問題解決」という一発逆転を狙った福田総理の北朝鮮外交が始まる。

自民党政治の3大潮流

2007年09月26日 | Weblog
自民党内にはかつて保守本流と言われた「穏健リベラル」と安部政権で主流派となった「国家主義」、さらに小泉政権下で生まれた米国グローバリズムを信奉する「市場原理主義」という3つの流れが存在する。今回の総裁選挙における福田氏と麻生氏の戦いは「穏健リベラル」と「国家主義」の戦いでもあった。

一方、小泉前総理の担ぎ出しに失敗した「市場原理主義」は反麻生で「穏健リベラル」を支持したが、もし小泉改革が停滞すれば「小泉新党」という牙をむくかもしれない。ところで今回、麻生氏は自民党内の「国家主義」の票を集めかなり善戦した。そのため福田氏としても挙党体制をとるために麻生氏の閣内取り込みを図ろうとした。

しかし総裁選挙のさなか麻生氏が「福田氏とは哲学が違う」と言ったように、この2つの勢力の対立点は思想信条に関わるため「足して二で割る」妥協が難しい。例えば「国家主義」の関心は「国民生活」よりは憲法や教育など「国家の枠組み」にあり、外交面では反共や朝鮮蔑視の意識が強く中国や朝鮮に対し強硬姿勢である。

一方「穏健リベラル」は表面的には民主党の主張に近く「国民生活重視」「東アジア外交重視」であり「国家主義」の政策と対極にある。例えば福田氏は安倍総理が掲げた「戦後レジームからの脱却」路線には否定的で、憲法改正も「自民、公明両党だけで決めていいものか考えないといけない」と慎重な姿勢を見せる。

集団的自衛権の行使をめぐる憲法解釈の変更についても「憲法に抵触するかどうかを慎重に考えたほうがいい」と否定的だ。また拉致問題や靖国参拝についても麻生氏との違いは際立っている。さらに福田氏は8月23日のサンプロでテロ特措法に関連し「海上自衛隊がインド洋で給油した米国艦艇がイラク戦争に参加した可能性」も指摘している。

ひょっとすると福田政権はテロ新法を国会で強行せず棚晒しにするかもしれない。恐らく麻生氏はこのような福田政権の特性を見抜き、役職に着くことをせず反主流派の立場で福田政権を揺さぶることを決めたのであろう。どうやら福田政権は民主党との話し合いと同時に党内の「国家主義」や「市場原理主義」との戦いも強いられそうだ。

しっかりしろ!民主党

2007年09月25日 | Weblog
マスコミの報道が自民党総裁選挙一色となっている中で、ある民主党議員が「自民党にメディアを乗っ取られて残念」とこぼしていた。どうやら民主党議員はいまだに「小泉劇場政治」の影に怯えているように見える。マスコミの総裁選挙報道など国民は2週間もすれば忘れてしまうのであって、そんなことに一喜一憂する必要はない。

いま民主党議員がやるべきことは「自民党をどう攻めるか」というマスコミレベルの話ではなく、民主党自身の政策をきちんと腹に入れ地元活動を地道に行い国民のニーズを吸い上げることだ。どうも一般議員だけではなく民主党幹部も昔の社会党のように自民党の人事抗争に口を挟んだり、自党の政策を国民に分かるように説明できていない。

例えば鳩山幹事長は今回の自民党の総裁選挙を「派閥の復活」と批判していたが、そんな事を他党の責任者がとやかく言わなくてもマスコミを通じ国民は十分に分かっている。小沢代表が記者会見で麻生氏や福田氏をどう思うかと聞かれ「個別の候補者に対しコメントはしない」と言っていたがこれが大人の対応だ。

また菅代表代行も記者会見で「テロ特措法」に関連し「国連の謝意があったとしても民主党は反対する」と言っていたが「憲法違反だから反対する」など、国民がなるほどと納得できるような説明を繰り返し丁寧に行うべきだ。ただ単に「反対だ」と言っているだけでは「昔の社会党と同じ」と受け止められる。

さらに前原前代表も「自衛隊の給油活動」を認める発言をしているが「憲法違反」の活動をどう考えているのか。自民党のいい加減な憲法解釈を認めていいのか、防衛の専門家ならもう少ししっかりした考えを持って欲しい。どうも小沢代表や長妻議員など数人の幹部を除き「民主党の政策」きちんと国民に説明できていないと思わざるを得ない。

民主党はもうすぐ政権を担う政党になろうとしており、菅代表代行や鳩山幹事長、前原副代表は将来の総理大臣になる人だ。社会党がやっていたような品のない他党批判はマスコミに任せればいい。民主党の優れた政策を武器に自民党と堂々と渡り合えるように、もう少ししっかり勉強してもらいたいものだ。

福田政治とは?

2007年09月24日 | Weblog
9月23日の自民党総裁選で麻生派を除く全ての派閥の支持を受けた福田氏が予想通り総裁に選ばれた。しかし麻生氏も派閥の枠を超えて197票を得るなど善戦した。ところで党内での福田支持の理由は「安定感」や「絶妙なバランス感覚」と言われているが、果たして福田氏に一国の最高責任者としてどんな理念や政策、情熱があるのだろう。

安部総理は良否を別として「海外で戦争ができる国」「戦前の家族主義的教育」といった国家主義的理念を持ち、その実現に邁進していた。小泉前総理も党内の反対派を叩きだす荒業で持論の「郵政民営化」実現に情熱を燃やした。今回福田氏は「平時ならば立たず、国家の危急存亡の時であるから決断した」と総裁選立候補の動機を語っている。

確かに安部総理が政権を投げ出すという異常事態ではあるが、国家の危急存亡というより自民党の危急存亡と言ったほうが適切だ。党内世論は彼に自民党内の混乱をどう鎮めてくれるかを期待しているように見える。従って「野党と相談して解散」といった発言からも野党との対決はなるべく避けたいという思いが伺える。

また解散時期について福田氏は選挙期間中、来年度予算が通った4月以降と言っている。来年度予算を執行するためには予算関連法案を通さなければならないが、恐らく野党の抵抗で簡単には通らないだろう。責任政党として予算は必ず通す必要があるので野党が望む解散と引き換えに予算関連法案を通させてもらうことになるのかもしれない。

民主党としても予算関連法案を人質に予算執行を遅らせては国民生活に悪影響を及ぼす。従って与野党が合意できる解散時期は来年4月という線はかなり濃厚だ。ところで福田総裁は官房長官時代から東アジアに対する独自の外交方針を持っていたが、内政面では明確な政策が見えないと言われている。

今回、総理に就任し「拉致問題の解決」「テロ新法」などを積極的に進めたいと言明しているが、内政を含め殆どの政策で民主党との話し合いを強調している。また「自立と共生」という政治理念も小沢代表の20年来の理念と全く同じだ。まるで言外に民主党との大連立を望んでいるかのようだ。

「構造改革」や「美しい国」など綺麗な言葉を並べ立て嘘八百の限りを尽くしてきた自民党政権も、参議院選挙で大敗し民主党の政策に耳を傾けざるを得なくなった。福田政権も目玉の政策も無く、風になびく葦のごとく民主党の言うがままに右往左往する、よく言えば「柔軟」悪く言えば「主体性が無い」内閣になるのだろうか。

民主党の鳩山幹事長は9月21日の記者会見で福田氏が「民主党の政策を模倣」しようとしていると皮肉っていた。しかし官僚依存体質の自民党政権では小沢政策の真似をすることは難しい。結局、福田政権も官僚政治と民主党の国民政治の板ばさみとなり早晩、自壊現象を起こすだろう。

さまよう国民新党

2007年09月23日 | Weblog
自民党総裁選挙における福田氏の圧倒的優勢の中で「国民新党」の自民党合流が難しくなってきた。「国民新党」は9月12日の安部辞任直前まで、自民党の麻生幹事長や与謝野官房長官が郵政造反組の平沼赳夫氏らを無条件で自民党に復党させようとしていたことに関連し、同じ郵政造反組みの自分たちも復党できると期待していたようだ。

恐らく参議院選挙で惨敗した自民党も衆議院選挙をひかえ「国民新党」や平沼氏らの組織票を取り込みたい一念であったのだろう。そのため9月7日の時点では自民党へ配慮し、民主党との統一会派入りをしない姿勢を示し「郵政民営化凍結法案」の共同提出も見送っていた。ところが安部総理の突然の辞任で状況は一変した。

当初、次期総裁は麻生幹事長で「郵政造反組みの自民党復帰」が加速されると見られていたが、郵政造反組みの復党に反対する小泉前総理や小泉チルドレンの支持も得た福田氏が総裁選挙に立候補。9月14日時点で福田氏の圧倒的勝利が揺るがない状況になり郵政造反組みの復党問題は困難になった。

そこで「国民新党」は9月18日に突如、民主党に統一会派入りを条件に「郵政民営化凍結法案」や「郵政民営化の修正法案」の共同提出と「統一会派での党議拘束解除」を要求した。しかし民主党は凍結法案の共同提出以外は「時間をかけて検討したい」と回答を留保、結局国民新党は「郵政民営化凍結法案」の共同提出や統一会派入りを見送った。

どうやら「国民新党」の態度豹変の裏には、安部後を決める自民党のドタバタ劇に翻弄されたところがあるのだろう。「国民新党」としては自民党と民主党の間に立ってキャスティングボードを握りたかったのだろうが、議員数が少ないため「単独で法案提出はできない」という悲哀をしばらく味わわなければならない。

ところで郵政民営化反対派は自民党だけではなく民主党にも多いが、郵政だけで政界再編が起こることは無い。「国民新党」も蝙蝠のように「自民党」と「民主党」間を何時までもさまよい続けるわけにもいかない。ならば安部退陣で大きな痛手を負った「国家主義者」を糾合し、新たな国家主義(極右)政党を立ち上げるしかないのでは。

日の目を見るか小沢政治

2007年09月22日 | Weblog
今まで与党べったりであった経団連の御手洗会長が、8月20日の記者会見で従来民主党が主張していた「基礎年金の全額税方式」に理解を示す発言をした。また「政治資金規正法改正」でも民主党の「1円から領収書」については野党だけではなく与党の公明党からも賛同の声がでている。

さらに「年金流用禁止法案」についてもマスコミは賛成の論調になってきている。安全保障についても小沢代表の「国連待機軍」構想をせせら笑っていた自民党国防族も「テロ特措法」や「イラク特措法」などのごまかし法律が暗礁に乗り上げれば「国連待機軍」構想を考えざるを得なくなるだろう。

今後は国会で「農業の戸別所得補償制度」や「歳入庁」「分権国家」構想も続々と俎上に上がってくる。どうやら小沢代表の唱えたこのような基本政策は「政権交代」も含め、広く国民から受け入れられるようになってきたのかもしれない。彼の著した「日本改造計画」が14年の歳月を経てやっと日の目を見そうなところまできたのだろう。

かつて谷垣財務相が「小泉内閣で小沢氏の政策はすべて取り込んだ」と言っていたが、その前の橋本、小渕政権でも小沢の構想を上っ面ではあるが取り入れてきた。しかしどんな政策にもかならず副作用は発生する。名医は副作用を考えながら薬を処方するように、小沢構想の本質を理解し副作用にも的確に対応できるのは小沢代表だけであろう。

今後、国会で与野党が夫々の政策を対峙させ論議を深めていけば、何が正しい政策なのかは必ず見えてくる。参議院選挙で民意が小沢民主に過半数を与えたことで、日本は自民党の「対症療法的政治」から民主党による「本格的改革政治」に踏み出そうとしている。橋本、小渕、小泉改革よさらばである。

「新たな国連決議」騒動

2007年09月21日 | Weblog
自民党は「テロ特措法」延長問題に関し、前文に「各国の海上阻止行動に謝意」を盛り込んだ決議案が8月19日の安保理で採択されたとして民主党に理解を求めている。しかしこの決議文は「アフガン国内でのISAF任務延長」を認めたもので「自衛隊の給油活動を対象」とした決議ではないため、形を取り繕ったやり方だと民主党は反発している。

ところで今回の安保理決議は、安部総理が9月8日の日米首脳会談で「国連決議が無い」と民主党が言っているからとブッシュに頼み込み実現したと言う。今まで「国連決議1368に基づいている」と主張してきた事は間違っていたと言っているようなもので、どう見ても稚拙な政治手法としか言わざるを得ない。

下手な小細工をして失笑を買うより、いっそのこと「北朝鮮の核攻撃が恐ろしいから憲法違反してでも米国の言うとおり給油活動をすべき」と正直に言ったほうがまだ国民の心に訴えることはできる。しかし政権政党が憲法違反しているとは言えないので嘘や欺瞞で塗り固めた法案を通さざるを得なくなるのだろう。

自民党が国会で多数を占めているときは、このような誤魔化しを顕在化させずに済んだ。しかし参議院で民主党が多数を占めた現在「テロ特措法」についてもとんでもない嘘が発覚する可能性もある。例えば「テロ特措法」が給油活動をアフガンで戦う艦船に限定しているのにイラク向けの艦船にも給油していたのでは?という疑惑である。

いずれにしろ給油活動の実態が国会論戦で明らかになることを期待したい。しかし事の本質はテロ特措法が「海外での集団的自衛権の発動を禁じた憲法」に違反していることを問われているのである。臨時国会では与野党も揚げ足取りや表面的な取り繕いをするのではなく、憲法論議について堂々と論戦してもらいたいものだ。

今回の「新たな国連決議」騒動は、今まで自民党政権が誤魔化して進めてきた安全保障政策が行き詰ったことを示している。安部総理もその点に気づき憲法を改正し「海外で米国と一緒に戦える」ようにしようとしたが、現時点で国民の合意を得るのは難しい。そうなると小沢代表が主張してきた「国連待機軍」構想しか解決策は見当たらない。

小沢代表が「テロ特措法」延長の反対にこだわるのも、結果として持論の「国連待機軍」しか道はないと思っているからなのだろう。いま国民は「テロ特措法延長問題」を通じ「憲法違反をしてでも米国に従う」のか、または「憲法違反をしないで国連中心の国際政治に貢献する」のかを問われている。