がまの油杯からビッド問題（一） （全体のハンド）

 　　

 

 

【口絵の言葉】　日本でも買えます。衣装 ５千円位。子犬　１０万円～２０万円。

 

がまの油杯からビッド問題（一）（10/12）には諸賢から貴重な説明を伴ったご解答ありがとうございました。

全体のハンドは 

	BD1					2018/10/６土朝　Ses.１
		♠	1092
		♥	8
		♦	KJ42
		♣	108764
♠	654		〇	♠	AKQ873
♥	J104			♥	KQ76
♦	10873			♦	96
♣	A93			♣	5
		♠	J
		♥	A9532
		♦	AQ5
		♣	KQJ2

ビッド経過は、Nから

　　P　１S　？

答え　皆様が、最終的には、

　　２. ２H

を選ばれました。

実戦では、この後一つのテーブルではつぎのような競り合いになったようです。

　　N 　　E　　　S　　　W

　　P　　１S　　２H　　　P

　　P　　２S　　３C　　３S

　４C　　４S　　/

オークションはこの途中のどこで終わることも有り得ますし、５Cもメイクします。（４Cについては文末に。）

４Sは♥A、♥ｘラフだと1ダウンしますが、教科書的に♣Kをリードするとメイク。

実際のスコアは、NSから見て、

　４C/N/5　  35（IMP）

　４S/E/-１　21

　３S/E/4　-14　３テーブル

　２S/E/4　-14

別解１．もし１. ダブルにすると、一例として、次のようになります。

　　P　　１S　　Dbl　　２S

　　P　　３H　　P　　　３S

　　…

別解２．又３. ２S（マイクルズ）を選ぶと、一例として、次のようになります。

　　P　　１S　　２S　　P

　３C　　３S　　４C　　…　

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

つくばSciの場合、パワーダブルには、HCPと♥の内容が僅かに足りないと見て、矢張り２Hを選ぶでしょう。（マイクルズもミニマックスの強弱２様ですが、メジャーとマイナーの場合は５-５にして居ます。このハンドで、もし♣も５枚有れば、強い方の２Sになります。）

それよりも問題なのは、最初に記したオークションで、Nの４Cがマイナ―ウッドになるかどうかです。ここで４Cがスラムトライになるとは誰も思わないでしょうけれども、つくばSciでは原則として4台マイナーでは競り合わず、少しでも紛らわしいときはマイナーウッド（５台で止まることが目的でもそうする。）として答える約束になって居ます。

上の場合も、４Cをマイナーウッドとして解せないことはなく、Eの４Sに対して、SはDOPIのダブルで０又は３を伝えますが、当然Nは５Cで止まり、ダブルを掛けられない場合でも５割増の５２IMPになります。

なお、もし５Cがダウンする場合でも、上述のように♣リードだと４Sを作られてしまいますから、現代的な競り合い理論からは「保険を掛けて」５Cをビッドする方が良さげです。

一方で、４Cをビッドしなければ、相手を、かなりのテーブルで出来そうな４Sに押し上げることは無いから、ここのフィールドは別として、それも悪くないという見方もあるでしょう。

　　　　　　　　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

したごころ　一見硬直化した取り決めでも、良いことも悪いこともあり、長い目で（統計的に）見ると、頭を使わずにビッドの判断ができる分だけ、試合中の頭脳の負担にならないのが得になる。

NISHIDA様の書かれた「ルール オブ９」にも、この面での効用が見られます。これについては「ルール オブ８」の発明者のメルの体験記事を、早ければ今日中にも、ご紹介します。