【いろいろ初見の方にはわからないものがあるよね】というわけで、ちょっくら設定の解説でも。

　Nosferatlu Bloodには、いろんな武器が登場します。
　中には初出がこの作品ではないものもあります。

　というのは、Nosferatu BloodにはLegendary Dark Knightというセルフスピンオフ、というか過去編があり、そちらが初出でだいたいの説明が済んでいるものがあるのです。なので、一方で登場した装備がろくに説明も無くもう一方に登場するということがよくあります。

　アルカードが万物砕く破壊の拳《Ragnarok Hands》を取り出すシーンも、LDKでほぼ同時期に初出していました。
　ちなみにこのブログへの移転に当たり、ところどころ設定が変わっております。

憤怒の火星《Mars of Wrath》……
　設定そのものは、だいたい本編中で述べたとおりです。
　これは照射範囲内にあるあらゆる物体の構成物質を素粒子レベルまで完全に分解、任意に設定した異なる物質に作り替える波動を照射する武器で、有効射程は約十五メートル。
　物質を構成するためには大量のエネルギーが必要ですが、このエネルギーは質量や比重の増大に伴って増加していきます。分解の際に放出された素粒子とエネルギーを任意の構造に再結合させることで異なる物質に作り替えるわけですが、この際に必要な元素が不足すると残るエネルギーは熱や光、音、衝撃波に変換されて放出されます。
　この性質上残存エネルギーの放出によって爆発が起こるため、基本的に質量の大きな金属元素や岩石等を分解するのには危険が伴います。
　アルカードが初出のときに使った刃の触手は発射準備に入って無防備になった使用者を守るための自動防御システムですが、自分の意思で動かすことも出来ます。また、事前に設定しておけば短時間であれば切り離して独立行動させることも出来ます。
　基本構成は『砲身』と自動防御システム、砲身と自動防御システムの標的を識別するための照準《エイミング》器官からなっており、これらは砲身の外周に五基、自動防御システムの刃ごとに一対二個形成されます。
　照準器官は気温や気圧の変化から周囲の状況を検索するモーションセンサー、熱源分布や音響反響定位その他から障害物越しでも正確に標的に照準する複合センサー、赤外線レーザーと音響反響定位によって標的までの正確な距離を検出するレンジファインダーからなり、これらの機能がひとつの照準器官にまとめられていて、複数の照準器官の検出したデータを突き合わせて攻撃に必要な情報を獲得します。これらは砲身や刃を使用していなくても自由に形成出来、その情報は使用者の脳が直接受け取っています。
　憤怒の火星そのものは分子を収縮させる機能によって腕一本くらいのサイズにまとまっており、重さも魔術によってごまかしていますが、戦闘形態時には最大でドラム缶一本分、二百リットル程度まで膨張します。ちなみに正味の質量は二百七十キロで、ちょくちょく『水銀』と表現していますが、別に水銀で出来ているわけではありません。魔術で加工された水銀という設定にしようとした時期が私にもありましたが、13.6グラム（比重）×200リットルで重量が二千七百キロを超えるためやめにしました。なお正しい計算式は13.6×200×1000（ミリリットルをリットルに換算）÷1000（グラムをキログラムに換算）ですが、1000c.c.と1000グラムが打ち消し合うため省略しています。
　だってペットボトル一本で三十六キロもあるんだよ？
　憤怒の火星は不定型の液体金属なので、内部にいろいろ隠すことが出来ます。アルカードはこれを利用してプラスティック爆薬から車のキーまでいろいろ腕の中に隠しています。

万物砕く破壊の拳《Ragnarok Hands》……
　魔術によって加工された同じく水銀に似た液体金属で造られており、使用者の血液中の鉄分を媒体にして使用者の神経と接続します。
　両手足を鎧って手甲を形成し、格闘戦を補助する具足になります。ぶっちゃけて言えばギルガメスです。
　最大よっつまで分体する具足は個別に重力制御を行う機能があり、単体重量を三百グラムから四十五キロの間で自在に増減出来ます。ちなみに本来の設定では七・五トンですが、さすがにやりすぎだろってことで設定変えました。設定変えても十分兇悪です。ウェイトリフティングの錘でぶん殴られる様なもんです。
　なお、重力制御によって自重を変化させる特性上周囲の空気が引き寄せられて、重量変化の際に周囲の光の屈折率が変わり姿が歪んで見える特徴があります。これはあくまでも副産物なので、風王結界みたいな使い方は出来ません。
　ただし、集めた空気を圧縮し、指向性を与えて放出することで衝撃波に変換することも出来ます。グリゴラシュをピッコロ家の書斎から庭に追い出したのがこれです。

　ちなみにアイリス・エルウッドの霊体武装は名称考えてません。なにかいい名前ないかな？