サンデーたかひろ

絵描き・ながさわたかひろの制作実況 “from Machida, Tokyo”

From FUSSA

2008年03月14日 | Dusan Kallay
皆様、ながらく御無沙汰しておりました。
昨日の夜、無事に帰国することができました。
ご心配をお掛けするようなことになってしまい、恥ずかしいかぎりです。

旅の日記は、2/25から書き始めました。
自責の念に耐えながら、これから半月あまり、この地で何をすればいいのか…茫然自失、目の前真っ暗闇で。
そうでもしてないと堪らなかったんです。

当初、僕には観光という目的が全く(!)なくて。
カーライさんとシュヴァンクマイエル氏に作品を渡し、自分の作品を完成させる。目的は唯それだけでした。
現地に行ってしまえば、達成できると思ってた。

改めて考えてみると、何ともエゴイスティックな「傲り」です。
天罰が下ったんだ。確実に、そう思います。少し自分を見つめ直せよ、と。
渡航して早々、目的を取り上げられてしまった。

あとは帰国する日まで、予定は未。何もないんです。どんなところに来ているのか、それすらもさほど興味なかった程でした。
手元にあるのは、みんなが持って行け、っていうから日本を発つ前日に買った、まだ真新しい「地球の歩き方/チェコ、ポーランド、スロヴァキア」一冊。
今日UPした画像は、結局3週間持ち続けた「~歩き方」です。
緑色の部分から後ろがポーランド。そこは綺麗なまま。

下調べしてなかったんです、全く。笑っちゃうでしょ?笑っちゃいますよ。それで唯一の目的であった「作品」を無くしてしまうんだから。
昔から一つのことを考え始めると、他がスッポリ抜け落ちてしまいます。
一点集中、猪突猛進と言えば少しは聞こえはいいが、多角的に物事を捉えられないだけで、人はそれを、バカと言います。
そんな奴でも、日本に居れば何とかなるんですよ。
逃げる場所を、必ずどこかに用意しているものだから。気を紛らす術は歳を重ねた分だけ、いっぱい持ってしまうみたいです。
そういうことって分からないんだね。こういう時に思い知らされるよ。
「このバカチンが!これでも喰らえ!」って。
誰に?

毎日、教会に行ってましたよ。教会を見つけては立ち止まり、中へ入る。座って暫くジッとしてると何か感じますよ。
教会って、その土地の歴史が詰まってるのね。
歴史の積み重ねが形になって残っていく場所。思い、というか「念」みたいなものも含めて。

 僕、上野の都美術館へ行くと悪寒がして吐き気を催すんです。あそこは公募展のメッカだからして。
 個人の作品に込めた思いが渦を巻いているわけ。何十年分も。彼処に行くと「欲」みたいなものが襲いかかってくるわけ。
 余程図太い神経を持ち合わせていないと耐えられない場所です…

どんな喧噪の中でも、教会の中は静かで安らぎました。いわゆる教会美術っていうのもイイんですね。ゴシック以前のものは特に。
やっぱり無記名性ってのが、作品にとってとても良いんだ。(僕のやってることは真逆なんですが)
作者なんて誰でもいいの。誰に向けられ、どれだけの忠誠心を持って作られたか。それが作品の善し悪しに繋がってますよ。
イイものはイイ。誰にでも伝わる。だからそれはずっと残され、愛され続ける。朽ちることがないの。
純粋に対象を絞りこむこと。この点では僕もイケてる、違うかな?

とにかく残りの3週間、「~歩き方」を手に毎日ずっと歩き続けました。
暗くなると宿に戻り、日記を書き、翌日のこと、どこへ向かうかも含めて考える。
ビールを飲んじゃえば、いや飲まなくても、夜は確実に眠くなる。
朝は夜明けと共に目が覚め、7時には歩き出してました。


後追いになっちゃいましたが、日々綴った日記をこれから整理して少しづつUPします。
当たり前ですが、全ての経験は次の作品に活かされる筈です。
そんな気はなかったのに、結果的にそういう旅をせざるを得なくなってしまいました。

次回は、最初にしてハイライト?
2月22日、ドゥシャン・カーライ氏と対面した日のことです。
まだまだノンキ者で日記を付けることなんぞ、考えもしなかった頃でした。
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1 コメント

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おかえり! (カンノ)
2008-03-15 20:12:05
無事帰ってきたね。よかったよかった。
完全に入れ違いになったけどこちらは明日旅立ちます。
やはり準備は不完全だが、あと数時間にできるところまでやるつもり。

向こうから旅に日記楽しみにしてまうす。

K
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