
ロシア人ニコライ・ネフスキーは1915年に来日、十四年間の日本滞在中に、日本民俗・言語・文化研究に大きな業績を残しさらには西夏語研究などで前人未踏の境地を拓いた。しかし、1929年、革命後の故国に帰ってからは、無惨にも、彼の学問とは結びつきようもない「国家叛逆罪」という無実の罪によって、日本人の妻イソとともにいわゆる「粛正」の犠牲となった。この悲劇の天才学者の生涯を永年の調査をもとに感動的に描き出している。大佛次郎賞受賞。「死の真相」解明を増補の完本。
『天の蛇』 (あまのへび) 加藤九祚(かとうきゅうぞう)著
文化人類学者・考古学者の著者は、シベリア抑留の衝撃的な体験者でもある。





