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温水プール加温専用の温泉 - 天間館温泉 (青森県七戸町 旧・天間林村)

2011-11-13 | Weblog
 これで、七戸町屋内温水プールが温泉利用であるらしいことがわかったものの、泉質も源泉名も不明というのでは、少し説得力に欠けます。

 ということで、後日、再び七戸町に向かったのでした。



 今度は平日だ。役場も開いてるので大丈夫だ。



 しかし、七戸町役場本庁舎(旧・天間林村役場)に行ってみて聞いたところ、そこには温泉分析書などないという。七戸庁舎(合併前の七戸町役場)にプールを所管する教育委員会があるとのことで、そちらに行ってみました。庁舎間は、東北新幹線七戸十和田駅を挟んで6キロメートルほど離れています。

 ただ、観光や商工の部局ならともかく、教育委員会に行くのは、他市区町村でも初めてなので、少し緊張しましたね。教員出身の職員にいじめられたらどうしよう‥。そもそも仕事の邪魔するのも悪いなーと。

 しかし、こちらはプールの利用者であるわけです。しかも温泉法では成分表を掲示することになっているはず。と、一応正当な理由はありそうです。遠く関東地方からお金と時間をかけて来たのです、と泣きを入れるという手まで頭に浮かびました。

 あとで調べた温泉法。

 第十八条 温泉を公共の浴用又は飲用に供する者は、施設内の見やすい場所に、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を掲示しなければならない。
 一  温泉の成分
 二  禁忌症
 三  入浴又は飲用上の注意
 四  前三号に掲げるもののほか、入浴又は飲用上必要な情報として環境省令で定めるもの

 だが、プールが浴用かどうかはちょっと微妙。

 七戸庁舎では、すったもんだのやり取りがありましたが、というか、私がすったもんだしていただけですが、長ーーくなるので省略。ご親切にあちこち問い合わせていただき、源泉名を知ることに至りました。

 職員の方、ご親切ににありがとうございました。_o_

 で、天間館温泉ということがわかりました。これは、探した範囲では温泉ガイドや温泉紹介のウェブサイトに載っていませんし、国土地理院の地形図にも温泉記号は記されていません。専門家ではないのでよくわかりませんが、融雪用の温泉なんかと同じ扱いになるんでしょうか。地味に専ら「働く温泉」というカテゴリーの‥。

 天間館という地名は今はありませんが、開業当時のプール所在地は「上北郡天間林村大字天間館字森ノ上」(現在は上北郡七戸町字森ノ上)のようです。地図で見ますと、天間館中学校のほか、天間舘神社という由緒ある社も近くにあります。

 七戸町屋内温水プールの源泉はこの通りでした。湧出地はプールの住所と同一。

 源泉名 天間館温泉
 泉温 34.7℃(気温0.0℃)
 湧出量 500リットル/分 動力揚湯
 泉質 単純温泉(低張性 弱アルカリ性 温泉)



 毎分500リットルは凄い。これは、加水なしで温泉旅館を余裕で賄えられる量です。これでプールの水を暖めては近くの灌漑用水路にざばざばと流しているのを想像すると萌える。

 せっかくなのでお風呂に入りたい、という場合には、すぐ隣の天間林老人福祉センターがプールとは別の源泉を持っており入浴できます。ただし、平日昼間のみの営業で、一般には利用しにくい。営業9:00-16:00。料金300円。土日祝年末年始休業。



 上とは別に、プールからは少し離れますが(自動車ならばすぐです)、役場の近くに天間林温泉という立ち寄り湯があり、営業時間も長く便利です。そこは600リットル/分と、さらに上を行く豊富な湯量です。案内はこちら(七戸町雇用創造協議会のサイト)。国道R4沿いに案内があるので迷わないと思います。

 七戸庁舎でついでにお聞きしてみたところ、町内の七戸町B&G海洋センターのプールも、やはり温泉熱利用ということでした。ただし、2011年度は休業中。

 泳いで残そう温泉プール。

(追記2011-11-20)
 このあと専門家の方のサイトが見つかりました。かなり前の天間林村の合併前から紹介しておられるようです。事前に旧村名で検索していれば、少し手間が省けていたかも。
 「森ノ上2号泉」となっているので、源泉名に変更があったのか、あるいは温泉を掘り直したのかも知れません。

温泉利用の温水プール - 七戸町屋内温水プール (青森県七戸町)

2011-11-12 | Weblog
 普段当たり前のように泳がせて貰っていますが、温水プールの維持には相当なエネルギーが使われています。

 ネットで検索していて見つけたのが、七戸町(しちのへまち)公式サイトにある「七戸町地域省エネルギービジョン」。

 地方都市での積極的な取り組みに感嘆しつつ見させて貰うと、七戸町の天間林体育館と屋内温水プールで、年間5万リットルのA重油を使っていることになっています。

 七戸町の場合、これらはプールの加温と体育館の全館暖房の合算で、それぞれの比率はわかりませんが、いずれにせよ、町内の公共施設で一番エネルギーを消費しているようです。

 重油年間5万リットルは、他市町村の同規模の温水プールと同程度で、体育館の規模によるので、ただちに多いとも少ないとも言えんなあ‥。

 と、ここまではほんのプロローグ。

 しかし、省エネルギービジョンの平成20年度版に、

 「なお、温水プールは源泉40℃の温泉熱を利用しており、熱交換器で37~38℃を保っている。」 おぉ、温泉!

 これは知らなかった。プールの公式サイトには、このようなことは書いていません。

 とりあえず、七戸町に行ってみました。



 旧・南部縦貫鉄道のレールバス。ボランティアと関係者によって同鉄道の七戸駅跡にて動態保存されている七戸町のシンボル。



 七戸町屋内温水プール。元々は旧・天間林村の天間林村屋内温水プール(1990年竣工)。

 外観では、温泉利用という感じはしませんね。でも八戸駅からレンタカーで向かう道中には、立ち寄り湯の看板がいくつもありました。隠れ温泉郷かも知れない。



 しかし駐車場の片隅にこんな怪しいものが! わざわざ柵で囲ってあるところなんて、もう温泉臭がプンプン。(注)知覚的試験では無味無臭です(ここ笑うとこ)。

 とりあえず泳いでみたものの、ごく普通のプールです。あえていうと、少し水の透明度が低いくらいの。

 受付で職員の方に聞いたところ、確かに「はい温泉利用です」と。温泉の熱の利用ですか?との問いには、「湯も使っている。水の入替時には、源泉をプールに入れていて、その後の補充は水道水。」

 なんと、水も温泉水利用でもあったのか。ではすみませんが温泉の成分表を見せて貰えませんか? と尋ねたら、「ここにはもうない。昔はあったが、今は役場にある。」

 残念ながらその日は土曜日で役場は閉庁していましたが、いずれにせよ、水道や燃料代を少しでも節約するために、温泉水を利用し、しかも自家源泉まで持っている、省資源型温水プールであることが判明しました。

 プールの営業時間はこちらです。

 七戸町屋内温水プールへは、東北新幹線七戸十和田駅から「電気シャトルバス」が運行されるようになりました。時刻はこちら。運動公園前下車。