「もののあはれ」の物語

古き世のうたびとたちへ寄せる思いと折に触れての雑感です。

スタンダールのメッセージ

2007年05月31日 | 遊びと楽しみ
 旅行者としても知られているスタンダールに、「見知らぬ土地にいったら、博物館へ行く労をいとうな」という忠告のメッセージがあることを、どなただったか書いておられたのを読んで以来、お勧めに従っています。

 今では、世界各国、どこに出かけても画一化された機能の、ホテルや、レストランが多いのは、旅人としては味気ないものです。
 もちろんその国には国独自の生活があり、文化があるのですが、一過性の旅人には見えるものは限られています。

 一日の空白の時間ができたとき、リゾートならぼんやり過ごすのも意味がありますが、さてと迷うときには、忠告に従って博物館へ出かけることにしています。博物館が無理なときには、美術館にします。市場に行くことで、その国のどんな経済情報を読むより、直に国民性までもが見えてくるのとセットにして楽しむことにしています。

 博物館では必ずと言っていいほど、“来てよかった”という収穫を得て満足します。
入場料金も僅かばかりで、日曜日は市民に開放されていて、無料という所が多いようです。

 このところ立て続けの展覧会あるきでしたが、国立博物館での催しでも、日本ではかなりの金額を支払わねばなりません。すくなくとも若い学生たちには無料の制度があってもいいのではないかと残念に思うことがあります。瑞々しい感性に刻み込んでほしいものを提供するのは、指導的立場にある方たちの未来を見据えた義務とさえ思ってしまいます。

 今回の一連の美術館めぐりで受けた刺激が、描かねばという思いを引き出してくれました。どんなに低い次元であるにせよ、それなりに表したいものは存在しているわけですから。
 今日で5月も過ぎてゆきます。季節のさわやかを楽しむのもあと少しでしょう。

忘れられた貝母」で写真に収めたゆすらも実になっています。




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2 コメント

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敷居 (香HILL)
2007-06-02 10:00:22
①硬い②敷居が高い③入りにくい・・が博物館のイメージのトップ3である・・と、東北地方のある博物館の学芸員の女性が新聞のコラムに記しておられました。

①の硬いは学習する場だから当然だけれど、②と③はなんとかしなければと苦慮している云々。
若い学芸員が色んな企画を試みている、小学生・中学生の団体を招き、興味を覚えさせる催しを行う。
訪れてくる人の多くが、老人ばかりでは将来への希望がない。
当面は、熟年組を呼び込むために④間口を広く・
⑤奥行き深くをキーワードに頑張っておられる由。

財政悪化の夕張市は美術館の処分へ、全国各地のローカル都市では市役所の中に、郷土の歴史や市民の作品
を展示する部屋を設置していますよね。
文化の香りの原点は此処だと思うのです、小生は。

ところで、季節は進み、筍の旬もボチボチ終わりますね、京都の高級筍会席料亭は値段高く・敷居も高くて
一度も訪れていません。

葡萄の季節到来、墨彩画の中の葡萄も美味そうに輝いています。




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盛況の図書館 (boa !)
2007-06-02 16:50:11
久しぶりに、見たいて画集があって図書館を訪れました。土曜日のせいでしょうか、子供たちも多く、熱心に書物やビデオに向かうほほえましい姿に嬉しくなりました。
トロントの小さな美術館で、引率の先生を囲んで車座になって床に腰を下ろした小学生が、ピカソの絵を前にして、活発に発言しているのを羨ましく眺めた記憶があります。

博物館も取り組み次第で高い敷居は取れると思いますし、訪れる方でも、空調の整った広い会場はこれからの雨の日の”あるき”にうってつけと心得て、まずは老人パスをありがたく使用させていただくことをおすすめします。

私のほうは、これから真竹の筍のシーズンになります。今年も三者共生(猪・盗人・持ち主)で収穫を楽しむとします。
さくらんぼは、今年も1粒も口にできませんでした。グミと枇杷は、なんとか賞味できそうです。

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