電話を終える直前に、
とても温かな気持ちになれた。
あなたは、いったいどこにいるの?
という、私の問いかけに、
彼はこう答えてくれた。
いつも、
隣にいるよ。
バーチャルな世界では、
思い浮かべたら、
俺はそこにいる。
現実の世界と混同させるから、
あなたを見失うんだね。
バーチャルな世界で、私は、
そっと彼に触れ、
舌を絡ませるような、激しいキスで、
彼の呼吸を感じ、
乳房を覆う大きな手のひらで、
彼の温もりを感じ、
子宮に伝わる力強いリズムで、
彼の生命力を感じる。
私は、全力で、彼の全てを受け入れ、受け止めて、
自然と身体は、汗ばんでゆく。
その汗が、彼の汗と交じり合た瞬間に、
ようやく、バーチャルな世界でなかったんだと、気がつく時が来るだろう。
私は、彼の汗を拭い、女の幸せを感じる。
彼は、私の汗を見て、男の喜びを感じる。
そんな時が来ると信じるのも、バーチャルな世界。