私と彼の秘密 今思うこと

彼とのLINEは、いつか消した方がいい。
それは、残された人のために…



本能のままに

2023-02-05 09:15:00 | 日記



朝、目が覚めたのは、

LINEの着信音のせいだった。

彼が、おはようと言う。

日曜日の朝なのに、大丈夫なのかと、逆に心配になった。

でも彼が、そうするなら、今は大丈夫ってことなのか。

私は、ゆうべ、やらしい動画を撮ったの。

送ってもいい?

きっと驚くに違いなかった。

全裸でベッドに横たわり、

自分で慰めながら、

全力で登り詰め、

最後は、力尽きて誰かの温もりを求めながら、

ひとりを感じる動画。

彼は、それを見て、綺麗な肌だと言ってくれた。

爪が綺麗だと褒めてくれた。


その後すぐに、

彼からも画像が送られてきた。

いつ以来だろうか。

鏡にうつる全裸の彼の姿。

偶然にも、私が求めていたものが、そこに現れた。

そう、私は、きっと、

この胸の中で、安心したかったんだ。

裸の男と女は、

交わることはない。

けれど、

そうやって満たされる。

自分の身体を

ありのままの姿を

そのまま見てもらうんだ。

もしかしたら、これは、本能なのかもしれない。

私達は、もう若くないから、

残しておきたいんだと思う。

相手の中に。

自分が生きた証を。

歩んできた歳月を。




私は、彼を刻む。

私は、彼に刻まれる。



日曜の朝。

彼はすぐに、ここからいなくなった。

私も、起きて、

犬の散歩に行こうと立ち上がった。