Everyday I have the BLUES

10代の頃はハードロックに夢中だったのに、最近はブルースが心地いい。。。

鳴り止まないブルース

2005-10-06 12:12:57 | Weblog
上田正樹&サウス トゥ サウスのアルバム、
“シンパイスナアンシンスナ”がたまらない。

1991年に京都大学西部講堂で行われたライブアルバム。
一度解散したサウス トゥ サウスの面々が、
16年ぶりに集まった歴史的なイベントだ。

上田正樹の日本人ばなれしたボーカルと、曲の合間のMC。
有山じゅんじ、くんちょー、正木五郎、藤井裕、中西康晴の珠玉の演奏。
そして、客の歓声。

そのすべてが心地よくて、
今から14年前の西部講堂に
少しでも近づきたくて、目をとじる。


4曲目、
クンチョーが歌い、有山が弾く、
“ラブミーテンダー”。

しゃがれた声と、
とろけそうなギターの旋律が、
心の内側にじんわりと染み込んできて、
俺はひどく無防備に、彼らの魂を感じてしまう。

ああもう、生きててよかった、
この曲、この魂に、触れられてよかった。
そんな“音”。

他にも、“Come on おばはん”の、
上田正樹と有山じゅんじの掛け合いや、
中西さんのピアノソロなど、
心が奮えっぱなしの90分だ。


一番繰り返し聴いてしまうのは、

ラストの、
“お前を救けに行く”。

この曲を聴くと、
沖縄に行った相棒のことを思い出す。

音楽が好きで、
会えばいつも一緒に音をつむいだ仲間。

そいつは高校卒業と同時に東京へ出て、
音楽に夢中になった。

そっから7年間、良い事も悪い事もいろいろあって。
どうにもならないこともあって。
一度大阪に戻ってきて、今は沖縄で、生きてる。

もちろん、ギターは抱えたまま。


曲の終盤、
上田正樹の熱いMCがクライマックス。
そのセリフがまた、泣けるんだ。

“みんな最高やった、おおきに! 16年ぶりにサウスが、ここで、やってます。俺が一番うれしいのは、ここにいてるみんなが、誰もが、音楽をやめへんかったことや。ネバーギブアップや。絶対負けへん。日本に、ええ音楽がはびこむまで、絶対俺はやる。”

俺は南の空を見て、
「お前、元気かよ?」って呟く。

半端な自分が目に付いて苛つく夜を、
腐るほど数えても、あの日描いた景色は、
目の奥に焼きついたまま。

救けに行く、なんて大袈裟じゃなくて、
「元気かよ?」って。それだけ。
「やってるか?」って。そんなかんじ。

そんなかんじで、もう少し。

そうして、あと16年ぐらい歩いてみたら、
ちょっとはあの西部講堂に、近づけるだろうか。