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人情を小馬鹿にして日本もメルトダウンに

2022-04-29 17:48:51 | 競争



山折哲雄 高山文彦著  『日本人が忘れた日本人の本質』




 1 アップルのジョブは死ぬ前に思った事とは?

アップル社を創業したジョブズは、56歳でガンで死ぬ。最期に残した言葉がある。

「ビジネスで成功の頂点に立ったが、仕事以外の喜びは少なかった。自分が認められることや富は、死を前にして何の意味もない。

終わりを知らない富の追求は、人を歪ませる。神は、誰もの心の中に、富がもたらす幻想ではなく、愛を感じさせる感覚を与えてくれた。
死ぬ時には、富を一緒に持って行けない。

持って行けるのは愛情にあふれた思い出だけ。
これこそ本当の豊かさだとわかった。
あなたと一緒にいてくれるもの、あなたに力を与えてくれるもの、あなたの道を照らしてくれるものだ。愛は何千マイルを越えて旅をする。
行きたい所へ行きなさい。望むところまで高峰に登りなさい。すべてあなたの心の中にある」と。


一方で、日本に、ゴッホの名画を125億円で購入した経営者がいた。自分が死んだら、一緒にその絵を棺桶に入れてくれと。

山折氏に言わせると、彼は無明の人で、生きる意味を金でしか考えられないと。

(これらを読むと、僕は、何気なく思ったり、考えたりするのは最も豊かな時間を味わっているのではないかと思う。

一旦、テレビやインターネットの宣伝を見ると
金、金、金の世界にはまり込む。
もうすぐ、ゴールデンウイークだが、今年は旅行する人が多いので、各地のイベントを紹介したりする。皆行くから自分もというように。

しかし、宇宙は自分の心の中にある。想像力は自分の内奥を探検することだ。人混みを見に行って疲れて会社よりも充実している。

金で買えない物とは何だろう。

言葉という食材を使って、文章というレシピを組み立てたり、面白い本を読んだり。汗をかいて爽快な気分になったり、
困っている人への奉仕、散歩時に、風の匂いを嗅いだり、犬のかわいい表情を見たり、食欲がわいて美味しく食べれることなど、いろいろ浮かぶ。

時間が経つのが速い時に特に。

当たり前の日常の中に極上の黄金が潜んでいる。分かる人にしか分からない物に)





2 ロボットが神になる時代か?

 世界はチェーン展開するマクドナルドの接客マニュアルから人間をロボット化が始まっている。笑い顔でいらっしゃいませ、と言った後、何秒以内にオーダーを聞いて、五秒以内に飲み物のオーダーを開け、という風に。

(マクドで注文すると、機械を相手に話している感じがする。)



  どうして、こんなにロボットに関心を持つようになったのだろうか。

インターネットやAIが流行り出してから、欧米の若者も日曜、教会へ行かない人が増えているという。

現代、神はほとんどの人にとって死んでいる。



僕は、八百屋でお釣りをもらうときと、スーパーの機械でお釣りを受け取る時を比較してみた。

八百屋でもらうと、きっちり確かめるが、スーパーだと信用して確かめずに財布に収めるのである。

知らず知らずに機械を神のように崇めている。。



いつの間にか、スマホを見ながら歩く人だらけになった。スマホが神になったのか。ロボットを神にしようとしているのか。
人間はどうやら、新しい神を必要としだしたのだろう。

将来、人間に代わって、ロボットが多くの職を独占するという。
そうなれば、人間は黙っていられないだろう。おそらく、かつて、ヨーロッパで機械打ち壊し運動があったように、ロボットを殺しにかかるのではないか。そしてまた、寂しくなって、ロボットを作り出す。その繰り返しにならないか。



 3 義理と人情で判断すると誤らない?


 山折哲雄氏いわく、義理と人情にもとづいて行動すればたいていは間違わない。

 正義や善悪は他人事として言われてきたと。


(僕は、ウクライナで戦争が起こっているが、プーチンやゼレンスキーの正義感で戦争を行っているのではないかと考えている。三か月前、おそらく、民衆は戦争なんて今の世にありえない。まさか死ぬなんてと。
僕は、国の指導者は、自分なりの善や正義感を民衆に押し付けるなと言いたい。むしろ、プーチンやゼレンスキ―は正義を押し付けるなら、自ら、前線に立って物を言って欲しいが。


日本の江戸時代は、銃が入って来たが、使わせず、刀で決闘させた。相手の目と目を見て戦わねばならない、という美学があったと。優雅な死ではないだろうか。
ウクライナ戦争では、ミサイルやドローンで殺される。

あまりにも冷え冷えとした死ではないか。


つい最近も、知床の遊覧船で多くの死者が出た。
風が強い、海が荒れているとわかっていても、金儲けのために決行した、観光客も船会社を信用して、死ぬなんて考えなかっただろう。

いずれ、船会社は遺族に金で代価を払う報道になる。それを見る自分も自然と卑しくなるだろう。その時、幸福から縁遠くなるが。)








4 生きるとは懐かしさと喜びを感じることか?


 岡潔の『数学する人生』によると、

赤ん坊は母から離れる時、外界すべてが懐かしい。その懐かしさがうれしい。生きているというのは、懐かしさと喜びだと。

 大宇宙は一つの情で成り立っている。その情の二つの元素は、懐かしさと喜び。

 春の野には、花が咲いて、蝶が舞っている。どうして、蝶が花のあることがわかって、そこで舞うのか。

 花が咲くのは、花が咲くという心、つまり、情緒が形となっている。その花の情緒に蝶が舞う。蝶の心に花が笑む。情には情がわかる。
情は時空を飛び越えると。

(僕の経験で言うと、散歩の途中、決まった時間に同じ人に出会う。その時、何故か嬉しくなる。

 以前、どこかで嗅いだ風の臭い。

読書中に、以前、どこかで読んだ一文に出会う。その時も懐かい。

全く未知の分野を勉強する場合、最初は分からない言葉だらけ。時間を置いて、再度読むと、以前よりずっと懐かしさを感じる。

懐かしさを多く感じたい、をバネに難解書に挑戦するのも一興だろう。)



5 日本人は本来、情に敏感なのではないか?

 『きけわだつみの声』は学徒たちが綴ったものだが、手紙の最後には、決まって和歌が詠まれている。戦没学生は、悲惨な戦争の問題を論理的に追及することを途中で止めた。

 言葉や思考力を通して批判を回避し、それを短歌的抒情によって、乗り越えようとした。

 論理的な思考が欠如した言葉しか最期には残していない。言葉によって戦争を考え抜く態度が欠けている。


 一方、ドイツの、『ドイツ戦没学生の手紙』には戦争の悲惨さを訴え、なぜ人間は戦い、人を殺さなければならないのか、その悲鳴を書き綴って、その言葉が途切れていると。


 (一昔前まで、会社は終身雇用、年功序列で、人情や義理が正義より優った時代だった。

そこには部下は上司への甘えがあった。土居健郎さんの『甘えの構造』がベストセラーだった。

しかし、2000年を境に、土居さんの本は売れなくなったという。義理と人情を小馬鹿にした。それから、日本経済も駄目になった。IT元年でインターネットが普及しだした時に。
世界も情を価値なししている。さもなければ、プーチンの戦争なんてなかっただろうに。
 




 6 あなたは臓器移植に賛成しますか?




 脳死になると、本人の意志に関わらず、家族が同意すると、臓器移植ができる時代になった。


 ドナーと受け取る側の間に、仲介者がいる。彼は、脳死の段階で、家族に早くあきらめよ、待っている人がいるんだからと急かすようだ。

脳死の患者と家族の間の静かな空間と時間を奪われる。

そこにあるのは、生は尊いが、死は無価値だということになる。


以前、貧しいアジアで臓器を売る商売があった。今もあるのだろうか。

健康番組が大流行りだが、裏を返せば、自分だけよければいいということか。
延命のために、自分の財産を残し、どんな高くてもいいから臓器移植してくれという人がいる。

僕は、人生の終わりに、こんなことされたくない。臓器移植の法律を変えて欲しいが

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