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なぜ、日本人は災害にあっても冷静なのか?

2022-07-12 19:24:23 | 読書
山折哲雄著『「始末」ということ』


1 なぜ、日本人は、大災害に遭っても落ち着いた表情をしているのか?

世界の大災害時に、著者はテレビで人々の表情を観察するという。

 スマトラ島地震、アメリカのカトリーナ、中国四川大地震など。

被災地の表情は、悲しみ、怒り、絶望感で一杯だと。

日本の阪神淡路大震災や東日本大震災では、みんな穏やかな表情をしていると。

深い悲しみは、世界も日本も変らないが、この違いは何なのか。

 日本人は集団であることに安心感があり、被災したのは自分だけでなく、みんな同じだと。

 さらに、自然のもたらした事だからどうしようもない諦めがあると。


(ここ数カ月、ウクライナで多数死者が出ており、家族の泣く姿が強烈に心に残っている。

日本人が、平静な表情をしているのは、大災害に遭っても、運よく命は助かったと思えるからじゃないか。

たとえ、家が壊れようと、助かれば、自分の意志で立て直せる。

 周りは多く死んでいる。不幸な他人と比較することで、幸福を感じているのではないか。
日本人は世界の人に比べて、周りとの比較、どう見ているか、に敏感なので)



 2 死を隠す社会になったが。




  東日本大震災の直後、テレビは津波のすさまじい映像や破壊的な町や村を何度も映した。

 しかし、瓦礫だらけの町や村を映さなくなった。遺体だらけだから。

(昔は、日本も土葬だった。人が死ぬと、近所の人が手伝って、死体を運んだり、墓をほったりしてくれた。
死人を間近に見た。

しかし、今の日本は、清潔さ、世界一と言われる。汚い者、醜い者など人目ににさらさない。

火葬を嫌う国もあるが、日本はすすんで火葬をする。ウジ虫に晒される死体を嫌うからだろうか。)



3 著者は断食して死にたいと言うが?





 本格的断食修行をするお坊さんは、まずは五穀断ち、十穀断ちの精進行をして体を慣らし、それから断食に。

 体の状態を鋭敏にして、と。何日で自分の体がどんな状態になるか把握しているという
西行も計算して、桜の花の下で断食して死んだと。

(ガンになって
、抗ガン剤や、手術、放射線で苦しむよりも、自然死に近い。
断食で計算して、桜の下で死ねるなんて、芸術的な死だろう。
しかし、普段、健康である日、ぽっくりと死ぬのが最善と思う)



 4 古典の一文を暗誦しようとすると、集中力を養える。



  親鸞は、念仏を唱えると、いつのまにか自分が仏のようになっている。自力も他力も越えたような世界に漂っていると。

(これは、念仏を自分の好かな文章やカラオケの文句に置きかえてもいいのではないか。それを何度も唱えると、不安も消え、いまここに、を実感できると思うが)

著者は、たまたまつけたテレビやラジオから、ひと筋の光明になりうる言葉、心に響く言葉や話を自分の裡にためていけばよいと。

(それには、やはり、普段からメモとペンを用意して、これは、今の自分の気持ちにピッタリだ、と心がけて観る必要があるようだ)



 5 もし、明日、死ぬとなったら、あなたは何を見たいか?



 親鸞は越後に流罪され、五年間流人生活を。そのとき、浄土をイメージするものは、海だっただろうと。

 海の彼方に沈む夕陽を親鸞は毎日、堪能しただろう。西方浄土は日本海の水平線の彼方に。



(僕も、それを考えると、テレビや映画など見たくない。自然の美しさを身近に堪能できるのは、青空や夕陽、花となるだろう)

 


だから古典は面白い

2022-03-12 18:25:16 | 読書
野口悠紀雄著 『だから古典は面白い』

ゴーグルでモスクワ駅を検索し、今の状態がわかる。そして、トルストイの、戦争と平和を読んで、イメージを楽しむらしい。

1 世にはいかさま本ばかり?


「もし、本当に一億円稼げる方法があるのなら、著者はそれを数千円の本に書いて世間に公開するはずはなく、人に知られないように、自分だけで実行するでしょう」と。


(今や、何をすれば、必ず~になれる、という本が多すぎる。

三分で一冊の本を読むとか、これを食べれば、ガンが治るとか。嘘もいい加減にしろと言いたい。これらの本を買う人がいるからベストセラーになるのだろうが、人間の欲がある限り、騙されるだろうと思う)



 2 古典を読むと、他人と経験差が広がる?



 「道を歩いていると、携帯電話を持って取引の話をしながら足早に去って行く人がいる。この人はおそらく、アンナ・カレーニナを読んだことはないでしょう。これからも読もうとは思わないでしょう。その人に比べて、私の方が豊かな人生を経験したと、考えています。

 誤解しないでほしいのですが、だから僕は偉いのだ、などと言っていません。

 アンナ・カレーニナの本を買って読むのは、誰にでもできます。高級車を乗りまわしたり、豪華船で世界一周することとは、わけが違います。


 差がある、というのは、経験に差がある、ということです。この人たちが経験しなかったことを経験したという事です」と。


(特に、小説を多く読めば読むほど、いろいろな人の経験話を味わえる。名誉や権を求めるためではなく、日々三食食べるように、ゆっくり味わえば味わうほど、おいしさがわかるのが古典だろう)



 3 部下に仕える殺し文句は?


 「誰にも効果がある最強力の殺し文句は、あなたは、本当は実力があるのに、正当に認められていない。これは、バーナム・ステートメントで、誰にでもあてはまる命題だから」と。




 4 気に入った短文を原文で暗記?


「S℉作家のアイザック・アシモフの、夜来たる、にエピグラムがあります。


 もし星が千年に一度しか現れないのなら、人々は星空を信じがたいものとしてあがめ、その記憶を幾世代にもわたって語り継ぐだろう。


 この原文を暗記するほど気に入ったのですが、出典は、エマーソン、とあるだけ。どの作品かわからない。


アメリカに出張した時、エマーソンの全集を調べたがわからない。
 1976年のこと。


 しかし、今、インターネットの検索で完全一致献策をすると、あっという間に見出せたと。
これは、nature と言う作品にある」と。

(一昔前なかったものが出来ると、何でもできると過信して、反対に何もしなくなるようですね。便利になればなるほど、人間は馬鹿になっていくのではないかと思う)




 5 社会主義国のソ連は崩壊したが、中国は崩壊しなかったのは、何故か。

 「ソ連や東ヨーロッパは、社会主義経済の非能率性が限界に達した。体制維持したくても出来なかった。

これに対して、中国はすでに市場経済化が進展しており、経済成長率は高まっていたからだと。

 中国の学生や知識人は、一般民衆を動かせなかった。大多数の人々は、政治的イデオロギーや民主化より、明日は今日より豊かに、という期待の方が重要だから」と。


(今も香港を民主化しないで、中国のいいなりになったが、今より豊かになれば、香港もいずれ黙るだろう。

また、台湾を侵略しても、いずれ、今の台湾より豊かになれば、黙るだろうと、習近平は思っているのではないかと思うが)



 6 東郷平八郎の言葉の響きは美しいが?


 「司馬遼太郎の、坂の上の雲、に日本海海戦の名文句として後世に残されたのは、余裕と合理性に満ちた東郷平八郎の言葉ではなく、皇国の興廃、此の一戦にあり、という、精神訓令だった。

 本当は、奮励努力だけでは勝てない、と教えるべきだったと。

 第二次世界大戦もそうですが、軍事力を技術力に置きかえれば、現在も通用する」と。


 (僕も、高校野球のテレビを見ると、アナウンサーが日頃の努力のおかげで勝てたとか、言うのを聞いたり、応援団が手を合わせて拝む姿勢を思い出す。

精神的に優れているから、勝てたとはおまわない。

日本人は、外国に比べて、集団になると、精神論に向かう傾向が強いのではないか)





 7 品性は古典を何冊読めるかで?



 「オスカー・ワイルドによると、昔は、文学者が本を書いて、大衆が読んだものだ。いま、大衆が書いて、誰も読まない。
 天才詩人は百年以上前に、現在の状況を正確に見通していた」と。


  新しいものだけを求めるというのは、実に愚かなことです。ほとんどが質の低いものを見たり聞いたりしているのですから。

生産者の論理が消費者の論理は違うわけで、ビジネスの論理に振り回されているだけだと。


(今流行りの新刊書は三か月、いや、一か月で店頭が外されるでしょう。古典はいまだに、残っています。その違いは何なのでしょう)


「ドストエフスキーの、罪と罰、で、最初の何十ページも退屈な文章です。

読者を捉えようという意図は、少しも見られない

人類の歴書の中で残ったのは、人間を相手にしてはいるが、宇宙を意識して書かれている。

 ゲーテ、トルストイ、ドストエフスキーなどの作品は、宇宙を相手にしたというより、神を相手にしている、と言った方が適当かもしれません」と。



(僕は、人生の持ち時間を考えると、新書や新聞を読むのは、もったいないと思うが、脳が新書を読んでくれ、言っていうことをきかないんです)



 8 




 7 














1 福音書は、人間の歴史上、最も長く、かつ最も多くの人に読まれた説得法の教科書だと。

 聖書を説得法の教科書だというのは、、非キリスト教徒の特権だと。



 2 同一視できるかどうかが自明ではないものを比喩の対象にして選び、問題とすべきことを比喩にすり替えてしまうのです。比喩はもともとトリック。
イエスは、信仰が有用であることを証明なしに人々に納得させるために、比喩を用いたと。



 3 死んでいない麦が死んだ麦にすり替えられたわけですから、俗世間の言葉で言うと、弟子たちは、すり替え詐欺、に引っかかったことになると。




 4 戦争の勝敗は、指揮官の命令の良し悪しにようるものではなく、民族個々人の意志の総和、によるものだとして、そrを受けとめられる指揮官の存在が重要だと、トルストイは言う。



 5 戦場における勝敗の帰趨や国家の命運は、民族の特性で決まるのであって、特定の個人の天才的指導力によって左右されるものではない。この考えを、歴史主義、というと。





 6 人々は、個人の役割を強調しすぎる。大局的な歴史は、特定の名前の人物がいてもいなくても、実査にあったようように進行したに違いない。偉人と言われる人々も、所詮は、お釈迦様の手の平の上で暴れまわる孫悟空にしゅぎないと。




 7 カール・ポッパーは、マルクスの運命論的歴史観を排し、人間の自由意志による社会の建設が可能だと。ローマ帝国という壮大なモデルを作り上げたアウグストゥスこそ、ポッパーの言う、社会工学を最初に実験し、最大の成果を挙げた人だと。





 8 戦争と平和、のボルコンスキイ公爵の」口癖は、人間の悪徳の源は、ただ二つ。怠惰と迷信。徳行も二つ。勤勉と知識だと。




 9 アインシュタイ曰く、神はたくらみ深いが、悪意を持たないと。



 




 








 
 14 ソーニヤが、聖書にある、ラザロの復活をラスコリーニコフに読んで聞かせる場面が、罪と罰の白眉だと。










 17 マゼランもコロンブスもヴァスコ・ダ・ガマも、航海の目的は金儲け。大航海とは、イスラムの領土を通らずに東方貿易をする方法の探索だったと。




 18 答えはあるのか。それともないのか。これがあらゆる知識の中で、最も重要で、最も必要とされる知識です。





 19 我々が今見る光がマゼラン雲を出発したのは、地球にホモ・サピエンスが出現する前のこと。

 12月頃に見える。この季節に南半球に生きながら、見なかった、という人が多いので、何ともったいないことを、と叫んでしまうと。




 20 黄金を求めて人々が全世界からこの地に殺到したのが、1849年。このため、金採掘者は、いまでは、フォテイナイナーズ、と呼ばれると。



 21」フォテイナイナーズで財をなした人は、ほとんどいなかった。それどころか、彼らの多くは、経済的に破滅した。

インフレが生じたからです。




 22 mining the gold miners、という言葉がある。
 ゴールドラッシュで成功したのは、金を採掘した人ではなく、金の採掘者を採掘した人だったと。


 23 レムは、知性は好奇心旺盛でなかればならず、常に無私の精神を若干含むという性質があると。


 地球上の生物は、哺乳類や鳥類になれば、ある程度の遊びをする。例えば、カラスは、公園の滑り台で滑って遊ぶことがあると。
 
 遊ぶ能力で、カラスの知恵を測ろうとする。遊びは知性の証拠です。つまり、遊びは知性の代理変数だと。




 24 フィクションを読む愉しさは、だまされる楽しさ、なのです。だまされた、とあとになって気づくときが、最高の瞬間ですと。








 25 2017年の秋、謎の物体が血球に近づいているのを、ハワイ大学のっ研究者が大学の望遠鏡dえ発見。

この物体は、長さ約400メートル、直径が160メートル前後の細長い先細りの形。ミサイルのような感じ。秒速26キロメートルで太陽系に接近。9月9日、太陽の近くを通過するときには、秒速87キロまで加速したと。




 26 研究チームは、オウムアムアは地球外文明によって地球近辺に意図的に送り込まれた、完全に機能している探査機かもしれないと。


 オウムアムアは、予想通り、地球の住民たちは、接触するに値しない存在だった、という報告を母星に送っていたのではないかと。




 27 キングの小説を読む楽しみは、ホラーストーリーの展開を追うことではなく、細部の雰囲気にひたり、目を閉じて情景を想像することだと。










 30 インターネットからプッシュされる情報にバイアスがあり、その人が興味あるそうな情報を選んでプッシュしてくる。これは、イーライ・パリサーが指摘した、フィルター・バブルという現象だと。




 


だから古典は面白い

2022-03-12 18:25:16 | 読書
野口悠紀雄著 『だから古典は面白い』

ゴーグルでモスクワ駅を検索し、今の状態がわかる。そして、トルストイの、戦争と平和を読んで、イメージを楽しむらしい。

1 世にはいかさま本ばかり?


「もし、本当に一億円稼げる方法があるのなら、著者はそれを数千円の本に書いて世間に公開するはずはなく、人に知られないように、自分だけで実行するでしょう」と。


(今や、何をすれば、必ず~になれる、という本が多すぎる。

三分で一冊の本を読むとか、これを食べれば、ガンが治るとか。嘘もいい加減にしろと言いたい。これらの本を買う人がいるからベストセラーになるのだろうが、人間の欲がある限り、騙されるだろうと思う)



 2 古典を読むと、他人と経験差が広がる?



 「道を歩いていると、携帯電話を持って取引の話をしながら足早に去って行く人がいる。この人はおそらく、アンナ・カレーニナを読んだことはないでしょう。これからも読もうとは思わないでしょう。その人に比べて、私の方が豊かな人生を経験したと、考えています。

 誤解しないでほしいのですが、だから僕は偉いのだ、などと言っていません。

 アンナ・カレーニナの本を買って読むのは、誰にでもできます。高級車を乗りまわしたり、豪華船で世界一周することとは、わけが違います。


 差がある、というのは、経験に差がある、ということです。この人たちが経験しなかったことを経験したという事です」と。


(特に、小説を多く読めば読むほど、いろいろな人の経験話を味わえる。名誉や権を求めるためではなく、日々三食食べるように、ゆっくり味わえば味わうほど、おいしさがわかるのが古典だろう)



 3 部下に仕える殺し文句は?


 「誰にも効果がある最強力の殺し文句は、あなたは、本当は実力があるのに、正当に認められていない。これは、バーナム・ステートメントで、誰にでもあてはまる命題だから」と。




 4 気に入った短文を原文で暗記?


「S℉作家のアイザック・アシモフの、夜来たる、にエピグラムがあります。


 もし星が千年に一度しか現れないのなら、人々は星空を信じがたいものとしてあがめ、その記憶を幾世代にもわたって語り継ぐだろう。


 この原文を暗記するほど気に入ったのですが、出典は、エマーソン、とあるだけ。どの作品かわからない。


アメリカに出張した時、エマーソンの全集を調べたがわからない。
 1976年のこと。


 しかし、今、インターネットの検索で完全一致献策をすると、あっという間に見出せたと。
これは、nature と言う作品にある」と。

(一昔前なかったものが出来ると、何でもできると過信して、反対に何もしなくなるようですね。便利になればなるほど、人間は馬鹿になっていくのではないかと思う)




 5 社会主義国のソ連は崩壊したが、中国は崩壊しなかったのは、何故か。

 「ソ連や東ヨーロッパは、社会主義経済の非能率性が限界に達した。体制維持したくても出来なかった。

これに対して、中国はすでに市場経済化が進展しており、経済成長率は高まっていたからだと。

 中国の学生や知識人は、一般民衆を動かせなかった。大多数の人々は、政治的イデオロギーや民主化より、明日は今日より豊かに、という期待の方が重要だから」と。


(今も香港を民主化しないで、中国のいいなりになったが、今より豊かになれば、香港もいずれ黙るだろう。

また、台湾を侵略しても、いずれ、今の台湾より豊かになれば、黙るだろうと、習近平は思っているのではないかと思うが)



 6 東郷平八郎の言葉の響きは美しいが?


 「司馬遼太郎の、坂の上の雲、に日本海海戦の名文句として後世に残されたのは、余裕と合理性に満ちた東郷平八郎の言葉ではなく、皇国の興廃、此の一戦にあり、という、精神訓令だった。

 本当は、奮励努力だけでは勝てない、と教えるべきだったと。

 第二次世界大戦もそうですが、軍事力を技術力に置きかえれば、現在も通用する」と。


 (僕も、高校野球のテレビを見ると、アナウンサーが日頃の努力のおかげで勝てたとか、言うのを聞いたり、応援団が手を合わせて拝む姿勢を思い出す。

精神的に優れているから、勝てたとはおまわない。

日本人は、外国に比べて、集団になると、精神論に向かう傾向が強いのではないか)





 7 品性は古典を何冊読めるかで?



 「オスカー・ワイルドによると、昔は、文学者が本を書いて、大衆が読んだものだ。いま、大衆が書いて、誰も読まない。
 天才詩人は百年以上前に、現在の状況を正確に見通していた」と。


  新しいものだけを求めるというのは、実に愚かなことです。ほとんどが質の低いものを見たり聞いたりしているのですから。

生産者の論理が消費者の論理は違うわけで、ビジネスの論理に振り回されているだけだと。


(今流行りの新刊書は三か月、いや、一か月で店頭が外されるでしょう。古典はいまだに、残っています。その違いは何なのでしょう)


「ドストエフスキーの、罪と罰、で、最初の何十ページも退屈な文章です。

読者を捉えようという意図は、少しも見られない

人類の歴書の中で残ったのは、人間を相手にしてはいるが、宇宙を意識して書かれている。

 ゲーテ、トルストイ、ドストエフスキーなどの作品は、宇宙を相手にしたというより、神を相手にしている、と言った方が適当かもしれません」と。



(僕は、人生の持ち時間を考えると、新書や新聞を読むのは、もったいないと思うが、脳が新書を読んでくれ、言っていうことをきかないんです)



 8 




 7 














1 福音書は、人間の歴史上、最も長く、かつ最も多くの人に読まれた説得法の教科書だと。

 聖書を説得法の教科書だというのは、、非キリスト教徒の特権だと。



 2 同一視できるかどうかが自明ではないものを比喩の対象にして選び、問題とすべきことを比喩にすり替えてしまうのです。比喩はもともとトリック。
イエスは、信仰が有用であることを証明なしに人々に納得させるために、比喩を用いたと。



 3 死んでいない麦が死んだ麦にすり替えられたわけですから、俗世間の言葉で言うと、弟子たちは、すり替え詐欺、に引っかかったことになると。




 4 戦争の勝敗は、指揮官の命令の良し悪しにようるものではなく、民族個々人の意志の総和、によるものだとして、そrを受けとめられる指揮官の存在が重要だと、トルストイは言う。



 5 戦場における勝敗の帰趨や国家の命運は、民族の特性で決まるのであって、特定の個人の天才的指導力によって左右されるものではない。この考えを、歴史主義、というと。





 6 人々は、個人の役割を強調しすぎる。大局的な歴史は、特定の名前の人物がいてもいなくても、実査にあったようように進行したに違いない。偉人と言われる人々も、所詮は、お釈迦様の手の平の上で暴れまわる孫悟空にしゅぎないと。




 7 カール・ポッパーは、マルクスの運命論的歴史観を排し、人間の自由意志による社会の建設が可能だと。ローマ帝国という壮大なモデルを作り上げたアウグストゥスこそ、ポッパーの言う、社会工学を最初に実験し、最大の成果を挙げた人だと。





 8 戦争と平和、のボルコンスキイ公爵の」口癖は、人間の悪徳の源は、ただ二つ。怠惰と迷信。徳行も二つ。勤勉と知識だと。




 9 アインシュタイ曰く、神はたくらみ深いが、悪意を持たないと。



 




 








 
 14 ソーニヤが、聖書にある、ラザロの復活をラスコリーニコフに読んで聞かせる場面が、罪と罰の白眉だと。










 17 マゼランもコロンブスもヴァスコ・ダ・ガマも、航海の目的は金儲け。大航海とは、イスラムの領土を通らずに東方貿易をする方法の探索だったと。




 18 答えはあるのか。それともないのか。これがあらゆる知識の中で、最も重要で、最も必要とされる知識です。





 19 我々が今見る光がマゼラン雲を出発したのは、地球にホモ・サピエンスが出現する前のこと。

 12月頃に見える。この季節に南半球に生きながら、見なかった、という人が多いので、何ともったいないことを、と叫んでしまうと。




 20 黄金を求めて人々が全世界からこの地に殺到したのが、1849年。このため、金採掘者は、いまでは、フォテイナイナーズ、と呼ばれると。



 21」フォテイナイナーズで財をなした人は、ほとんどいなかった。それどころか、彼らの多くは、経済的に破滅した。

インフレが生じたからです。




 22 mining the gold miners、という言葉がある。
 ゴールドラッシュで成功したのは、金を採掘した人ではなく、金の採掘者を採掘した人だったと。


 23 レムは、知性は好奇心旺盛でなかればならず、常に無私の精神を若干含むという性質があると。


 地球上の生物は、哺乳類や鳥類になれば、ある程度の遊びをする。例えば、カラスは、公園の滑り台で滑って遊ぶことがあると。
 
 遊ぶ能力で、カラスの知恵を測ろうとする。遊びは知性の証拠です。つまり、遊びは知性の代理変数だと。




 24 フィクションを読む愉しさは、だまされる楽しさ、なのです。だまされた、とあとになって気づくときが、最高の瞬間ですと。








 25 2017年の秋、謎の物体が血球に近づいているのを、ハワイ大学のっ研究者が大学の望遠鏡dえ発見。

この物体は、長さ約400メートル、直径が160メートル前後の細長い先細りの形。ミサイルのような感じ。秒速26キロメートルで太陽系に接近。9月9日、太陽の近くを通過するときには、秒速87キロまで加速したと。




 26 研究チームは、オウムアムアは地球外文明によって地球近辺に意図的に送り込まれた、完全に機能している探査機かもしれないと。


 オウムアムアは、予想通り、地球の住民たちは、接触するに値しない存在だった、という報告を母星に送っていたのではないかと。




 27 キングの小説を読む楽しみは、ホラーストーリーの展開を追うことではなく、細部の雰囲気にひたり、目を閉じて情景を想像することだと。










 30 インターネットからプッシュされる情報にバイアスがあり、その人が興味あるそうな情報を選んでプッシュしてくる。これは、イーライ・パリサーが指摘した、フィルター・バブルという現象だと。




 


孤独とは

2022-02-22 18:50:56 | 読書

下重暁子著  『極上の孤独』

1 一人での夕食で、思索できるか?


「誰かがそばにいると、神経はそちらに行く。誰にも気を使わずのんびり風呂に入り、一人で食事をし、思索に耽る一刻。この愉しさを知らない人に是非味わってほしい」と。


(独身者が仕事を終えて、帰ってすることは、テレビを見ながらの夕食ではないだろうか。

僕は、プロ野球を見ながら食べたり、他に面白いニュースはないかと、チャンネルをいじくる。。何せ落ち着かない。そのうちに、満腹になり、眠くなり寝てしまう。

毎日その繰り返しではないか。

王は一本足打法でホームラン王になった。イチロウも足を上げて打つ。そこから、片脚立ちが集中力に効き目あると聞いたことがある。

帰宅したら、しばらく、片脚立ちをして、思索したらいかがなものか。)





 2 孤独を可哀そうと思う日本人?

孤独から逃げた人は、孤独が嫌いになる。孤独な人を可哀そうだと憐れむ。自分より下だと見て安心すると。



(今の学校教育は、集団生活を重視する。クラブ活動を勧め、協調性も小学生の通信簿の欄に、あった。

孤独は悪いものと教えている感じが強い。孤独が可哀そうだというのは、学校教育にマインドコントロールされているからではないか。

日本人は、特に、集団を好む。集団になると、思っても見ない自分が出る。酒を飲んでゴマをすったり。相手がどう思っているかを気にする。)

 3 品とは何か?


 生き方も顔に滲め出る。ごますり男はどこかその媚びがそめついているし、反骨で生きた人は、それなりに潔い顔になっていると。

品とは、お金があっても買えないし、体力があっても作れない。精神的に鍛え上げた、その人にしかないもの。賑やかなものではなく、静かに感じられる落ち着き。

 ろう長(た)ける、という言葉があった。もう死語になりつつある。意味は洗練されて美しくなる、優美で品がある。

ろう長けた、女性がかつていたが、とんと見かけない。自己主張の強い女性は増えているが、自分の考えや意見を何度も練って、研ぎ澄ましていく、そういう作業を経てこそ品はでる。

 言葉を選ばずに、発言するだけでは空疎でうるさいだけだと。

(僕のかつての高校の倫理の先生は、ゆっくり言葉を選びながら教えてくれたた。これを読んで思い出した。

この前亡くなったが、小説家の石原慎太郎氏も、目をぱちぱちさせながら、言葉を選んでいた感じがする。

 明治の偉人と言われる人の顔写真をみると、髭をはやしている人が多い。
威厳あってこその髭が際立つだろう。

 死刑判決を受けて寸前で、恩赦になった、ドストエフスキーの顔もそれが感じられる)

人に好かれたいと媚び、相手におもねったものは美しくない。そういう芸術は下の下であり、絵の奥にその人自身が感じられるからこそ、その絵に惹きつけれられる。惹かれる理由は、、引いているからだと、洋画家の小杉小次郎氏は言う。

 引いている、とは、品を出すことで、自分を全面に出し過ぎない、自分を確かめるということだろうと。

(今の日本はアメリカに見習い、僕も、僕もの世界に入ろうとしている。しかし、日本の昔の偉人の伝記や古典を読むことで、取り返せると思うが)






4 親は子供の心を知っているか、子供は親の心を知っているか?


 作者は、家族という病、の本の中で、お互い最も知らないのが家族であり、知っていると錯覚しているだけだと。家族幻想が大きいほど、ちょとしたことで落胆も大きく、憎しみに変わる。殺人事件で最も多いのが家族間であることを見ても明らかと。

(殺人事件で家族間が多いとは、初めて知った。
親は子供の事を何でも知っている、と言う人がいる。子供にしては、とても迷惑だろう。言えない事が山とある思春期に言う親は反省した方がいい。何でもしる親というのは、神に近い。そんな事言われると腹がった仕方ない。)



 5 遊んでいる時、時計を見る人、気になる?


夜遊びの最中に、腹立たしいのは時計を見ることだと。時計を見るぐらいなら、酒を飲むなと言いたいと。

 酒は静かに飲むべかりけり


 若山牧水の歌にあるように、夜遊びに出たからには存分に一人を楽しむべし。
時間を気にしていては野暮だと。


(僕は、時計をすぐ見る人は、一つの事に集中できないからではないか、と思う。僕自身がそうだから。

昔、流行った言葉に、何事も一生懸命。遊びも仕事も。
遊びで時間を忘れる人は、仕事もできると)



6 将来を考えるより、今を大事に?

 良寛は、災難に遭う時はあうがよく候。これはこれ災難をのがるる妙法なりと。

 災害にあうのを考えて、びくびく暮らすより、開き直ってしまえば、落ち着けると。

(これは、地震だけでない。将来の生計不安や、病気になるのを恐れるよりも、今の感じることを重視した方がいい。その積み重ねがその人の品になるのではないか)

読書するとイケメンに

2022-01-10 18:40:55 | 読書
 轡田隆史著  『百歳まで読書』




 1 読書すると、イケメンになる?

 「三日、本を読まなければ、考えがまとまらなくなり、顔つきもみっともないものになる。言葉に味もなくなる、と、中国十一世紀の詩人・書家、黄庭堅(こうていけん)の言葉がある。


 通俗的に解釈すると、男は、イケメンになるには、毎日、読書に励め、ということになると。


 作家の石川淳も、面貌について、という章で、昔の中国の学者の間には、本を読むことは美容術の秘策、という考えがあった」と。

(これを信じると、本の内容によっても、顔貌は変わるのではないか。文学顔、社会科学顔、自然科学顔と分類できるかも。


電車の中で本を読んでいる人と、スマホでゲームをしている人の表情はたしかに違う。ああ、この人考えているな、と言える顔は美の一種ではないか。

寺の僧侶は普段からお経を読んでいるから、凛とした顔付きの人が多い。おおいに参考になる一文だった)



 2 本好きになるには?

 「丸谷才一氏によると、本屋で新書を買う時に、パッと開いて、面白くなかったり、文章が悪かったりしたら、ためらうことなく放り出せばいい。それが読書の第一歩だと。



 丸谷才一氏は、毎日新聞の書評欄の刷新を頼まれ、新聞の書評欄に革命を起こした。


 現代社会で大切な情報は新刊書にある。しかし、それらすべてを読む時間はない。

 程度の高い案内者が要約してくれるのがイギリスの書評だと。

それを日本でもしたい。それで、精神が豊かになり、世界が広くなればいいと。

 だから、書評を読むのは、立派な読書ですよ。日曜日の毎日新聞の、今週の本棚、は作者の必読のページだと。もしも、毎日を購読していないなら、日曜日だけ駅かコンビニへ行こう、と勧める」と。

(僕は、新聞の書評を読む事もあったが、毎日はほとんど読まなかった。丸谷氏が毎日の書評を作ったとも知らなかった。毎日の書評に読書人の間で定評があるという。

 ちなみに、丸谷才一の『女ざかり』を読んだ人はわかると思うが、登場人物の新聞の論説委員の浦野は作者の轡田隆史氏がモデルだと)



 
 3 皆さんの読書は、今までの趣味本ですか、それとも、未経験の本ですか。



「老齢に入ると、別れ道にぶつかる。
一つは、いまさら生き方を変えずに、これまでの踏襲でいこうと。
 酒を飲んできたから、汁粉に変えたりしないで酒で通そうと。
今まで読んだ本をもう一度、じっくり読め返したり、自分の得意な分野の本を読み進もうと。


 もう一つは、これからは違った道を歩こう。酒はやめて饅頭でいこうと。
読んだことのない世界の本を手にしよう」と。

(外山滋比古氏は、前者のタイプのようだ。新しい事より、今まで読んだことをアウトプットを勧めるが、作者の轡田氏は、新しい本をもっと読めと勧める。皆さんは?
 僕は、この世界には余りも知らないことが多すぎるので、少しでも多く知りたい。ただ、あまりにも自分のレベルとかけ離れたことは諦める。少し、自分より上の内容に挑戦したいが。

轡田氏のこの酒と饅頭の比喩は何かに仕えると思う)



 
 4 手を動かせれば考えられるのか?


 「村上春樹は、文藝春秋で、

 僕は手を動かして、実際に文章を書くことを通してっしかものを考えることのできないタイプだと。


 考えをまとめるためのメモにも、言霊は働いているだろう。ことに漢字は象形文字ゆえに独特の喚起力を秘めている。

 読書を文字をたどることで次から次へと、さまざまな場面を思い起こさせる。

 それをメモすれば、考えは次第にカタチのあるものになり、まとまっていくと。

生きるとは、日々、さまざまな事物を自分なりに要約しながら暮らすこと。

 読書して感想文を書くなら、感想は抜きにして、読んだ本の要約を書いてみる。

 長さを400字とか、800字というようい字数を制限する。書く作業は、要約する作業だと。

本当の意味で、考える、とはどういうことか。

何事についてもなせ、であるかを問いつめることだ」と。

(確かに、読んだ本を要約していると、ふと自分なりの思いつきにぶつかる。作者が思ってもいないことを勘違いし、自分なりに解釈するのも面白いと思う)