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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

2013 マレーシア旅行 その8 マレーシア――辟易のジョン・カー ストリート(マラッカ)

2013年06月01日 16時05分05秒 | 旅――海外






マラッカのナイトライフを語る上で欠かせないのが、歴史遺産地区からほど近くの『ジャラン・ハン・ジェバット』通称ジョン・カー ストリート。中国系の飲食店を中心に土産店、ホテルなどが軒を連ねる賑々しい通りである。マラッカまでやってきてここをスルーする、ということはかなり奇特なことだと思えたので、とりあえず向かってみることにした。



この日は朝にジョホールバルを発ち、約4時間をかけてここマラッカにたどり着いた。そしてすぐに酷暑の中の街歩き。思ったよりも疲れた。体が重い。



そしてやってきましたジョン・カーストリート。「ジョン・カー」と聞いて思い出すのはグラハム・カー。グッチ裕三の“追いマヨネーズ”、もこみちの“追いオリーブ”といったハイカロリー攻撃が霞んで見えるほどに遠慮の無い“溶かしバター攻撃”の使い手である。料理番組における過剰なまでの油脂攻撃の歴史は、そのグラハム・カーがホストを務める『世界の料理ショー』(The Galloping Gourmet)のファーストからはじまったと言っても過言ではない。



ジョン・カーストリートだが、聞きしに勝る混雑っぷりだった。本当なら古きゆかしき家屋や商店が立ち並ぶ風情ある通りのはずなのだが、あまりに華人色が強く俗っぽさに過ぎる。人々の生活と密に接した香港の廟街や台湾の夜市とは異なり、こちらは行き交う人間の多くが観光客であり、それをあてにした土産類の店が多い。簡易テーブルが設置された屋台食堂もなければ、そこに座ってローカルフードに舌鼓を打つ現地人もいない。あるのは中国語の嬌声を伴う喧騒だけだ。古都マラッカということで、もしかしたら心のどこかでベトナム・ホイアンの幻影を追い求め過ぎていたのかもしれない。辟易とするものを感じ、早々とここから離脱することにした。



ひときわ中国人観光客を集めていた中国料理店。彼らが集まるほどだからそれなりに美味いのだろうが、まったく労せずカレーにありつける地であることから、まったく中国料理に食指が動かない。







目抜き通りから一歩裏通りに入れば寂れた裏路地が。ここまで来てやっと喧騒から逃れられたことを実感する。しかし驚くべきは、たった一本目抜き通りを裏に入るだけでこれほど人の往来に変化があることだ。本来は静かで風情ある街なのだろう。



ライトアップされた聖フランシスコ・ザビエル教会。相変わらず周囲に見学する人間の姿なし。



そろそろ我々の宿泊先があるリトルインディアだ。今日は疲れた。早くひとっ風呂浴びてベッドに寝転がりたい。



ってなことで、晩メシはテイクアウトで済ませることにした。
マラッカ川のそばに、ひっそりと営業している小吃のお店があった。老舗風で簡易テーブルなどもあり、観光客ではなく界隈の華人たちで賑わっていてなかなかいい雰囲気だったのだが、やはり俺としては中国料理ではなくカレーが喰いたい。



そのまま歩を進めていくとリトルインディアの目抜き通りに空き地があり、そこにいくつかの食べ物屋が集まった屋台村を発見。店員やテーブルで食事をとる人間の顔がやっと判るほどの薄暗いカーバイト・ランプの明かりが灯る、本当に、本当にひっそりとした屋台の集積地で、客のほぼすべては地元民である。「現地の人々の生活に則した屋台」という感じで激しく惹かれるものを感じる。「カレーありますか?」とある一軒の屋台の店主に尋ねると、「もちろんあるぜ」と鍋の蓋を開け、煮込まれているカレーを見せてくれる。鼻腔をくすぐる芳しきマレーシアカレーの香り。よっしゃ、ここで決まりだ。
ライスとインゲンのサブジ、カレー(チキンカレー)をオーダー。閉店間際らしくカレーは後わずかしかなかった。クソラッキーである。



ここマレーシアも、タイのようにテイクアウトはなんでもビニールに入れる。ビニールに容れられたカレーってのはなかなかにシュールだ。また一つ、新しいカレー体験を積み重ねることができた。疲労感が強かったので、RedBullも購入。日本では見られないショートのゴールド缶。ちなみに炭酸ではなかった。



そのカレーだが、ココナッツミルクが効き、塩っ気がキリリと立ったマレーシアカレーらしい味である。柔らかく煮込まれた骨付きの鶏モモ肉のぶつ切りとジャガイモが入っており、見事な調和をもってこのカレーとフュージョンしている。ヤバ過ぎるほどの美味さだ。実を言えば、適当に行き当たった屋台で半ば妥協するようにチョイスした、という程度のカレーだったのだが、まさかここまで美味いカレーだったとは。こりゃあ、さっきの屋台の店主にシャッポを脱がざるを得ねえぜ。さすがはマレーシアである。



菓子や飲料売り場が併設されたドラッグストアで買ったポッキー。よく見ると『Pocky』ではなく、『Rocky』となっている。これはパクリ商品ではなく、『Pocky』という商品名を「Pork」に読み違えやすく、イスラム圏の国において忌避されている豚肉を想起させてしまうから。現地の文化・風習を踏まえた、いかにも日本企業らしい方策だと言える。
さて、こいつをポリポリしながら現地のドラマでも観ることにするか。


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