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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

2013 マレーシア旅行 その5 マレーシア――ジョホールバルで絶品カレー&サッカー観戦

2013年04月27日 17時52分27秒 | 旅――海外


1時間ほどで雨が上がったので、フロントでタクシーを呼んでもらい、ジョホールバルの中心街へ。
イスカンダル計画の最中にありつつも、かつての蛮地の雰囲気を払拭しきれない、どこか埃っぽい街を想像していたのだが、
実際に訪れてみると、思った以上に活気に溢れた洗練さすら感じる「都会」だった。



日が暮れ、屋台が開き始めるともっと賑やかなになるらしい。日没まではあと2時間ほど。



ヒンドゥー寺院が近くにあるので、捧げ物の花飾りを売る店が軒を連ねる。



駅のそばにはららぽーとのような大規模なショッピングモールもある。
空間デザインや空調といった設備面の快適さ含め、日本にあるものと遜色ない。
イスカンダル計画は着々と進行しているようだ。





そうした近代的な大規模ショッピングモールがある一方で、中心部にはこのようなヒンドゥー寺院があったり、



こんなにも美しいモスクがある。この写真を撮ったときは礼拝時間だからだろうか、アザーンが大音量で流れていた。



Sultan Ibrahim Building. ジョホールバル州の庁舎。
かつて日本がマレー半島を占領していた時代は、軍の司令部がここに置かれていた。
見学が可能らしいが、17:00をまわった時間につき門は閉ざされている。



この建物周辺が夜になると屋台街(ホーカーセンター)となる。



ホーカーセンター前でちょっとした人だかりが。近づいてみると街頭ライブの真っ最中。
端正な顔立ちのミュージシャンによるアコースティックライブ。透き通るような美しい声。
アバヤを着用したティーンの女子がうっとりとした眼差しを向けていたのが印象的だった。





そろそろ腹が減ってきたが、まだ日が高い位置にあるので飲食系のホーカー(屋台)は閉まっている。
散歩でもして夕暮れまでの時間を潰すことにしよう。



一応ここがリトルインディア。こじんまりとしており、店子や行き交う人々含めてのんびりとしており平和的だ。
チャイナタウンのような雑然とした感じはない。



ジョホール水道まで歩いてみるも、あまり綺麗な海ではなく、見るべきものもなかったので再びホーカーズセンターへ。
日が落ちてきたが、まだ営業を開始しているホーカーはごくわずか。ここは、そのわずかなお店の一軒。


暑い中、長々と歩いたことでかなり汗をかいた。ジュースでも飲むことにしよう。
普通の缶ジュースではつまらないので、手作りのライチを使った冷茶を作ってもらう。
当たり前だが、イスラム教の国だけに公の場での飲酒は禁止。だからおじさんも若者も談ずる際の友はジュースか茶。
おそらく華人経営の店ではビールが飲めると思う。



暑いとやはり食いたくなるのはカレー。ということで美味そうなカレー屋(=インド料理店)店を求め、
もう少しブラブラとウロつくことにする。



小さな映画館の前に近日公開の作品のポスターが。せ、接待?

ちなみにこの映画館のそばにインドカレー屋があり、チラと店内を伺った瞬間、「見逃さねえぜ」という感じで店員に招きいれられた。
んで、「ほら美味そうだろう」と保温トレイに入っているいろいろなカレーを見せてくれる。
しかし、俺としてはもう少しリトルインディアを彷徨してカレー屋を物色したいという気持ちが強い。
ってなワケで「また後で」と店を出ようとしたが、「待て、うちのカレーは美味いんだぞ」と必死に食い下がってくる。
ならばと、店を引き上げる口実として「フィッシュヘッドカレーが食いたいんだ」と瀬踏んでみた。
ここは純粋なインドカレー屋なので、フィッシュヘッドカレーはないものと確信した上での瀬踏みだが、意外にも「おお、それだったらあるぞ」と言うではないか。
さらに奥の厨房に招き入れられトレイ内を見せてもらうと、果たして本当にフィッシュヘッドカレーがあった。
しかし煮込まれているのはカレー本などでよく見る鯛などの根魚系の魚頭ではなく、大型のカマスらしき鋭利なフォルムを持つ回遊魚系の魚頭である。
「コレジャナイ感」がハンパない。
「フィッシュヘッドカレーがあった」という意味ではこちらの投了である。でも、でも、コレじゃないんだ。

カマス自体は非常に美味い魚であり、それを食材にインド人がカレーに仕上げるのだから間違いなくイケるとは思うのだが、どうせ食うならイメージ通りのフィッシュヘッドカレーでなければイヤだ。
加えて、やはりもう少しこの界隈にどんなカレー屋があるのか見て回りたい。
一巡して「ここだ!」と感じるカレー屋が無ければ、再びここへ戻ってくればいい。
明日にはこの街を発ってしまうのだ。「ビビッ」と来た店で食いたいではないか。
そんな訳で、おそらくは恨めしそうな視線を投げかけているであろう店員さんを背に店を後にする。



完全に夜の帳が下りた。昼間にはなかった妖艶な活気が生まれはじめ、ワクワクするものを感じる。



ホーカーセンターからやや外れた、先ほどのモスクのそばに良い感じのインド料理屋を発見!
店頭の鉄板で香ばしく焼かれている円錐型のマイソールマサラドーサを目にした相方が「ここで食べたい」と言う。
店も地元の人々で賑わっており活気もある。「ビビッ」と来るものをはっきり感じる。
つーことで我が内のカレーセンサーの反応に従い、ここで食うことに決定。



例によって厨房に入れてもらい、カレーを直接確認しながらオーダー。
頼んだのはマトンカレーとチキンカレー、そしてインゲンのサブジ。それとライス。
ルートビアがあったのでそれももらう。相方はマサラドーサをオーダー。



店内の壁に「カレーの名店」としてこのお店が紹介されている新聞記事の切り抜きが貼られているように、
カレーの味はとにかく最高。特にマトンカレーは柔らかく煮こまれたマトンがゴロゴロと入っており、
強烈な羊肉の風味に溢れていて全くもって俺好み。これほど美味いマトンカレーは初めてだ。
チキンカレーも大ぶりな骨付き肉がゴロンと入っており、これまた柔らかく煮こまれていて美味。
このカレーのためにジョホールバルに長期滞在してもいいほどだ。
お店はニューデリー出身のファミリーで営んでいるとのこと。
店を手伝っている末っ子らしき少年に「とっても美味いカレーだったよ」と褒詞を述べておく。
味も雰囲気もいい、「超」が付く名店だと思う。



食後の腹ごなしでホーカーセンターを歩いていると、サッカーの試合を店内の壁掛けテレビで流している飯屋を発見!
どうやらマレーシア代表のナショナルマッチの最中らしい。
そういえばこの週はアジア全域でナショナルマッチウィークだった。
我が日本代表もこの数日後にヨルダン代表との試合を控えていることを思い出した。



イスラム教徒の国なので、ビールを飲みつつサッカー観戦、という訳には行かない。
なので、カラフルなジュースやかき氷を片手に、食事などをカマしつつテレビに向かって声援、というのがこちらの正しいサッカー観戦スタイルとなる。
ということで、俺も毒々しい色をしたオレンジサイダーとナシゴレンで観戦に加わることにする。

ところがサッカー以上にお店のオヤジさんが面白い人で、何度も「カレー食え」と言ってくる。
「今さっきカレー食ったばかりだよ」と言うと、「うちのカレーはもっと美味いぞ、ちょっと来い」と俺の手を引き、
カレーが煮込まれている保温トレイまで連れて行かれる。そして「どうだ美味そうだろう~」
と掌を俺の鼻の前でひらひらさせて匂い攻撃までカマしてくるではないか。
うう…確かに美味そうだが、カレーは間に合いすぎている。
「俺はナシゴレンが食いたいんだ」というと、「ぜってーナシゴレンよりカレーのほうがうめえぞ」と執拗に食い下がる。
「頼む、ナシゴレン食わせて」と言うと、「え? なんだって? カレー食わせろってか?」と今度は別のトレイのカレーを
得意げに見せつけてくる。しつけえ(笑)
極めつけは、「分かった、じゃナシゴレン食わせてやる。来い」と保温ジャーの中のプラオを見せつけてきたこと。
騙されるかっつーの(笑)。「こ れ は プ ラ オ で す」と一言ずつ区切りながら言ってやった。

そのノリが安っぽい日本のコントのようでなかなかに楽しい。
そうやって店主と俺が極上のコントを演じているにもかかわらず、その息子やすべての客の視線はテレビのサッカーに釘付け。
おおい、こっちにも注目してくれよお。

そんな愉快なコント的押し問答の果てになんとかナシゴレンを作ってもらうことに成功した。
そしてこれがとてつもなく美味いのであった。なんだこの絶妙なパラパラ具合と香ばしさは。ああ、コイツを頼んでよかった。



このナショナルマッチだが、2015年にオーストラリアで開催されるアジアカップの予選で、マレーシア VS イエメンというカード。
ちなみに日本は予選免除国であり、前回のカタール大会のチャンピオンチームでもある。
そういやあの時もベトナムのホテルでTV観戦したんだっけ。
試合は、イエメンが先制し、その後マレーシアが2点を返して逆転という結果。ホームゲームということもあってなかなか強い。
マレーシア代表の2つの得点は、いずれも右サイドの突破を起点から生まれたもの。
それを演出したのが2番の右SBの選手と8番の右SHの選手。特に8番はクロスの精度も高くて良いプレーを連発していた。
しかしながら一番すごかったのは、イエメンの10番。
バイタルエリア外、右45度から決めたループシュートが半端なかった。まるでデル・ピエロを見ているかのようだった。





サッカーも終わり夜も深けた。そろそろ帰ることにしよう。これはJBセントラル駅。
ここもシンガポール同様に、流しのタクシーを拾うことができない。
仕方ないので、昼間と同様に、駅前のタクシー乗り場まで行き、チケットを購入して配車係に手配してもらったタクシーに乗る。
タクシーの車種は古いプロトン・サガ。
乗車するとすぐに「日本人かい?」と陽気なマレー人の年配運転手が話しかけてくる。
「うん、日本人だよ」と答えると、おもむろにカーコンポの位置に設置してあるタブレット端末を操作し、youtubeの画面を表示させる。
やや間をおいて聞こえてきたのは日本の演歌。誰なのかは分からないが、着物を着た女性歌手が熱唱しており、運転手も同じフレーズを口ずさむ。
なかなか上手いが、無線の受信状況が悪いのか、youtubeの再生がバッファリングの途中で止まってしまう。
何度か読み込み直すも、やはりすぐに止まってしまう。「日本の歌が好きなんだ」と運転手。
ありがとう、俺はあなたたちマレー人が大好きです。


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