昔々おじーさんとポチと、あまり好きにはなれないおばーさんと三人、
ひっそりとそして情熱大陸的に暮らしていました。(どんな暮らし?)
おじーさんの鉄砲打ちは8段だってことは耳にたこが出来るくらいこれまで2回ほど説明してきたので割愛しますが
最近のぽちはダラダラ生きていました。(鉄砲打ち関係ないじゃんっ!)
なんかこう・・なんかしたいっ!のだっ!
だからと言ってコサックダンスをうまく踊りたいとかそんなことではないのだ!
ましてや、大川栄作の『さざんかの宿』でのど自慢に出ようなんてそんなしみったれたことでももちろんない。。(失礼だろっ!栄作に!)
そうだ!
誰かの役に立つことがしたいっ!!
そんな中、未曾有の大地震は起きた。(M11.8)
被災地は津波による死者や行方不明者で大変なことになっているらしいということを伝書鳩情報で聞いたポチは
いてもたってもいられずおじーさんに真剣な鼻持ちでこう言った。
ぽち【ワン、わ、わわぁ~ン、ワワワンッワン~~ぷッ!】
犬語を中国留学中に学んだおじーさんはビックリしてこう言った。(何しに行ったんだ)
おじーさん『ぷっ??』
返しが『ぷ』かよっ!とぽちは突っ込みたかったが全てが通じるおじーさんにはわかってくれたはず!
おじーさんは何も言わず・・・
鼻をつまんだ。(若干苦笑いで)
【オナラじゃねぇしっ!】
おじーさんは全く分かってなかった。(これっぽっちも)
※【ぷ】とは犬語で『そういうことだから四の五言わず頼むでおっちゃん』を意味します。
それからポチは【置いといて】とかのジェスチャーを程よく交え
肉球に汗がでるほど渾身の表現方法で説明した。5時間くらい。(長っ!)
『なるほど・・・ぽち・・・オマエってやつは・・』
おじーさんは目にいっぱいの涙を浮かべぽちを抱きしめました。
『わかったわかった、お前の好きなようにしなさい』
捨てられてた生まれたばかりの死にそうだったお前が
こんなにも立派になったことをおじーさんは心底誇りに思いました。(オナラと勘違いしたくせにと若干ポチは思いました)
それからの二人はおばーさんそっちのけで準備に取り掛かりました。
(っていうかおバーさんは隣のルミっていうどっこいどっこいのばーさんと湯煙温泉グルメぶらり二人旅~その時あなたは~ツアー行ってたし)
今回の旅のために購入した小型リヤカー2000GTR(ツノダ)には約1000人分の食料が積載されました。
しかし、体重力学的に引っ張るところが地面につかず宙に浮いてるポちの様子に
鼻水たらしながら笑うしかないおじーさんでした。
よって大幅に削減せざるをえず、10人分というぶっちゃけいらなくね?と思うような量じゃないと引っ張れないぽちの体力に
おじーさんはやれやれ感丸出しでした。(むしろツノダいらないし、明日返すし)
たくさんの困ってる人を助けたくてもポチには力がない。
それでもポチの目は闘志に燃えていた。
自分に出来る事はこんなにちっぽけなものかもしれない。
それでも、
それでも
ボクは・・・行くっ!
ポチの長い旅が始ろうとしている。
遥か遠い、被災地に向けて。
2章
未曾有の大地震で被害を受けた人たちの役に立ちたいと
一念発起し旅立ったポチ。
一度は返そうとした小型リヤカー2000GTRに食料を積んで現地に向かうポチの行く手に
様々な困難が立ちはだかる。
丸一日かかりやっと隣村に辿り着いたポチ。
おバーさんの電動アシスト自転車からこっそりモーターを取り外し
ポチの2000GTRに装備してくれたおじーさんの尽力のおかげで予定より早く辿り着いたのだった。
当初10人分の食料しか積めないポチの体力に
『それぽっちの物資じゃ意味ないじゃんっ!カチョペナデッカチだね♪(貧弱で顔デカイの意味)』と
幼なじみの土佐犬とトイプードルの混血犬よしこ(略して土佐プよ)に思いっきりイヤミたらたら言われ
頭にきたポチは
『ボケナスぅ~、ジョークに決まってんじゃん!土佐プよのくせにっ!』と反撃のコトバが見つからず
ワケわかんない人生一番の大見得を切り、命ギリギリの50人分を積んで来たのはいいけど
ぶっちゃけ既に5人分の食料をこの一日で食べていた事をぽちは忘れることにしてました。(軽くしたいんだなっ)
そうこうしていると何やら前方に人だかりが・・・
つづく・・・
と思わせといて話進めます♪(なんやねんっ!)
人だかりをかき分けそこに見たものはなんと
ツチノコ・・・!?
前に宇宙人から、いるとは聞いてたが実際みたのは初めてなのでポチはビックリしましたが
旅路を急ぐのでスルーしました。(もうちょいじっくり見れやっ!)
何も無かったようにツノダを快調に飛ばしおじーさんの大好きな『岸壁の母』を鼻ずさむポチは
今初めて自分に課せられた天命を全うしようと新たに決心していました。
『何のとりえも無いけれど、自分に今出来る事を一生懸命やってやろう。
それがもし誰かの笑顔に繋がるなら・・・。』
2000GTRツノダは一段と加速するのでした。。
ホントにつづく・・・