『床屋』は放送禁止用語にもなっている差別用語だ。
でも半世紀前はお店の看板にも、『床屋』と言う表記があったのだから信じられない。
ボクが連れて行ってもらっていたのは、『源六床屋』と言う名前の床屋さんだった。
中学の体育の教師をしていたお父さんは、いつも学校が終わってから床屋に行っていた。
スポーツ刈りをしていたので結構マメに行っていたと思う。
その時はいつもボクも一緒に連れていってもらっていたから . . . 本文を読む
ボクの生まれた前年に、フラフープが発売され大ブームを引き起こした。
そしてボクの生まれた翌年には、ダッコちゃん人形が発売されこれまた大ブームになった。
だから、ボクがまだ記憶のない1才までの写真には必ずこの2つが写っていた。
実際に遊んだ記憶はない。
…と言っても、幼児のボクには遊んでみようのない2つだが。
ボクが3才になった時に両親がボクに訊いた事がある。
「3才の誕生日のプレゼントは何がいい? . . . 本文を読む
雪国の子供達は3才の頃からもうスキーを覚える。
雪だるまなんて作れないほど雪は積もるし、当時は毛糸の手袋しかなかったから、雪合戦の雪玉も5~6個作ればもう手が冷たくなったので、もっぱら冬の遊びと言えばスキーだった。
ただ、当時のスキーの板は品質が悪く直ぐにボッコが付いて、滑るどころか歩く感じになってしまっていた。
ボッコとは、ボクの地方ではスキーの板にくっ付く雪の固まりの事を言った。
そうならない . . . 本文を読む
ボクは、屋根の無いオープンバスに乗ったのが最初の夢だ。
お母さんから、『夢』と言うものを教わったのも、この夢が切っ掛けだった。
今でこそ激睡タイプのボクだが、園児の頃は他の子と比べても本当に寝ない子供だった。
眠りも浅いのか夢もたくさん見た。
一番見た夢は空を飛ぶ夢だ。
実際に空は飛ばない。
教室や講堂の中で遊んでいると、身体が段々と軽くなって行く。
するともう足は床に着いていない。
そうなるとボ . . . 本文を読む
幼少の頃には様々な予防接種を受ける。
幼稚園でやる予防接種もある。
インフルエンザだ。
ボクは3年保育なので3回受けているはずだが、1回しか打たれていない。
年少の時のインフルエンザの予防接種だ。
ボクが記憶している初めての注射だ。
『こんな痛い事がこの世にあるのか?』と思い、余りの痛さに驚き泣くのも忘れたくらいだ。
我に返って泣こうと思ったらもう遅い。
先生が、「ほうら和坊は泣いていないよ?強い . . . 本文を読む
絶対に忘れる事が出来ない童謡がある。
お遊戯にも使われている、『大きな栗の木の下で』と言う童謡だ。
踊りと言うより動作かな?
この動作付きの歌を何回歌わされた(やらされた)事か。
日々のレギュラーだった様な気もする。
AKB48のメンバーは、『恋のフォーチューンクッキー』の振り付けは生涯忘れる事がないだろう。
ボクも死ぬまで忘れられないのが、この、『大きな栗の木の下で』だ。
今でも出来るが、恥ずか . . . 本文を読む
園児達の間でも質問を交わし会う事はもちろんあった。
ただ、当時はテレビが一般的ではないだけに、園児達にとっても話題が豊富だった訳ではないし、ましてボギャブラリーがたくさんある訳はないから質問も限られた。
好きな色は?
何パンが好き?
何曜日が好き?
おうちに帰ったら何して遊ぶ?
幼稚園では何が一番好きな遊び?
…とかは、ボクもいろいろな友達から複数回聞かれたものだ。
何故か、『お友達の中では誰が好 . . . 本文を読む
ボクの家にテレビがやって来た。
ボクが5才の時だ。
中学校の体育の教師だったお父さんが、『東京オリンピック』が見たくて買ったテレビだ。
お父さんは福島県の駅伝の選手だったので、東京オリンピックが見たくてと言うよりも、同じ福島県出身のマラソンの円谷選手の応援がしたくて買ったのだろう。
だからボクが最初に見たテレビ番組は、『東京オリンピック』だ。
以来オリンピックが行われる年には、寝ずに夢中にな . . . 本文を読む
お昼の食事の後で、机にうつ伏せになって寝るお昼寝の時間にそれは起こった。
『ドーン』と突き上げる様な下からの揺れに始まり、後は園内が波打つ様に揺れボクはまともに立つ事も歩く事も出来ないでいた。
園児達は泣き叫びながら先生のところに集まっていて、その先生すらも身動きが取れないでいる。
ボクも先生のところへ、泣きながら飛んで行きたいところなのだが、『オットット、アララッ』と思う様に自分の身体の建て直し . . . 本文を読む
ボクは子供の頃、よく風邪を引いていた。
扁桃腺が肥大していたので、直ぐに扁桃腺炎を起こし高熱を出しては寝込んでいた。
耳鼻咽喉科と言うくらいで全ての器官は繋がっている。
だから耳も鼻も悪い。
耳は直ぐに中耳炎になっていたし、鼻は直ぐに副鼻腔炎になっていた。
ボクの両親は、扁桃腺の肥大が全ての元凶と勝手に決めて、子供の内に手術をさせようと思っていたのである。
実際に扁桃腺の手術は、子供の頃の方がいい . . . 本文を読む