女子柔道初の金メダル

　アレッ？オリンピックの試合会場に柔道着を着た青木さやかがいる。コホン、谷本歩実選手だった。ここでわざわざ書くほど似てはいないな（照）。その谷本選手がやってくれた。女子柔道初の金メダルだ。私の予想では今回のオリンピックでは、女子の金メダルは厳しいかなと思っていた。谷本選手も４年前のアテネ以降は、腰のケガもあり本調子からはほど遠かった。本番というより、オリンピックに強い選手っているんだなぁと思ってしまった。男子６６キロ級の内柴選手もしかりだ。

　それにしても、谷本選手の柔道は本当に観ていて気持ちがいい。自らも言ってはいるが、一本勝ちにこだわっている。芸術的柔道を目指しているとか？確かに柔道は一本勝ちしてこそ勝利の本筋を感じる。ここ近年のポイント制柔道は、まるでレスリングの様だ。実際に男子７３キロ級では、カナダのレスリングチャンピオンが柔道に転向してオリンピックに出場している。それで通用してしまうのも、やはり競技に類似性があるからだろうが、何か柔道らしくなくなっている気がする。

　そこに来て、谷本選手はアテネからから数え９試合連続一本勝ちだ。昔のような技ありと一本だけの柔道に戻ればいいのになぁ～とは思うのだが、スポーツには進化がある。一本取るまで試合を続けていたら一時間かかってしまうこともあるし、肉体的にも非常に危険な状態になってしまうらしい。それに、どの競技でも時間の短縮は国際大会の大きな課題だ。だからこそ、このポイント制になってしまった柔道で全て一本勝ちの谷本選手の金メダルは一層の価値があるんだろうな。