マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

円と元

2008-04-11 15:22:07 | Weblog
 『中国が黄砂の飛来情報の公開を拒否していた問題で、鴨下環境相は11日、閣議後の記者会見で、中国が一転、公開に応じることでほぼ合意したことを明らかにした。(読売新聞)』こんな記事を読んだ。良いことだ。結果的ではあるが、こちら側の意志が通じたことにもなる。実は先頃こんな事があった。

 私のオフィスは六本木にあるのだが、その六本木で一番大きな書店の前にはちょっとしたエントランスというのかスペースがある。そのスペースではここのところずっと露天商が開かれていて、確か今週の8日まではあったはずだ。時計だとか衣類だとか、様々な雑貨品が売られていた。

 いつ頃だったか忘れてしまったのだが、書店で雑誌を買い、その露天商の前を通ってオフィスに向かおうとした時の事だ。中国人の中年の男性が、時計売り場で、11,000と書かれた張り紙を指さしながら、「元?」と言っている。売る側の方は、中年の(もちろん)日本人だ。「円です」と言っている。

 再び中国人の方が、「元?」と今度は声をかん高くして言っている。これに対し日本人の方は、相手が中国人なのに、「NO~NO~NO~NO~円!」と首を振りながら言っている。再三、中国人の方は、「元?」である。日本人は電卓を取り出し、その電卓を叩きながら、「円!」とこんなやり取りだ。

 察するにその中国人は、11,000円のこの時計は元にするといくらになるのかという事を聞きたくて、「元?」と言っているようだ。日本人が香港で買い物をする時によく尋ねる、「円では?」に向こうでは素早く答えてくれる。日本人は大切なお客さんだ。その感覚で、その中国人も聞いているのだろう。

 結局、その中国人は首を振りながら行ってしまった。立ち去った後で、日本人の方も首を振っている。いわゆる、意志の疎通ができなかったわけだ。まるで、今の日中関係を象徴するかのような出来事だった。私は、そのやり取りが可笑しくてニヤついていたのだが、これが国対国だと笑ってもいられないんだろうな…?

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