マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

三つ子のたましい『お母さん勘弁して』

2014-02-13 01:50:58 | Weblog
「まぁ~子供だと思ってバカにするのもいい加減にしろよ!」とは子供の頃に全大人に言いたかったね。
控えめでイエスマンなボクには言えなかったけど。
夏休みになると東京から母の姉の家族がやって来る。
母の姉の夫、いわゆる叔父さんも先生をしていたので夏休みは一緒に来ていた。
家が急に賑やかになり、とても嬉しかった。
母の姉夫婦には二人の女の子がいた。
ボクよりも確か4才と2才上で、上が千寿子ちゃんで下が美奈子ちゃんだ。
その従姉妹が、「泳ぎたい」と言っている。
半世紀前のボクの町には、どの学校にもその他の施設にもプールなどなかったので、泳ぐところと言えば川が当たり前でこれは小学校を卒業するまで続いた。
その川へ、ボクも行きたくて駄々を捏ねているのだが水着がない。
そしたら叔母さんが、「これでいいんじゃないの?」と言って美奈子ちゃんのお下がりの水着を出して来た。
「ウソだろう?」とボクは呆気にとられている。
すると母が、「あら、それでいいわ」と頷いている。
「またまたウソだろ?」とボクは、今度は焦り始める。
何せその水着は女の子用でしかも真っ赤に黒い水玉模様。
更には可愛いフリルまで付いている。
今でもその水玉模様は脳裏に焼き付いている。
それを着せられ何も言えなくなっているボク。
その代わり身体は硬直していたけどね。
その格好で川まで行かされた。
川では、泳ぐところが決まっていて近所のみんなが集まっている。
3才のボクが、『こっ恥ずかしい』と言う感情は、もう既に持っているのに大人はおかまいなしだ。
近所の良幸君と文隆君も来ているのだが、彼等は男の子用の水着を“ちゃんと”履いている。
彼等は履いているのにボクは着ているだ。
彼等とは小学校が一緒になるのだが、一緒になった時からいつあの日の事を言われるのかと思い、ヒヤヒヤしていたのを覚えている。
幸いにも幼稚園も別だったし、彼等は全く覚えてはくれていなかったようだが。
それにしても、「どうせ子供だから」とか、「どうせ解らないから」と言う勝手な思いが大人にはあるが、子供はしっかり覚えているものだ。
少なくともボクは覚えていた。
こう言うものはトラウマになる。
おかげでボクは今でも恥ずかしがり屋だ。
大人達よ、子供をなめてはいけません。
3才になったらもう個性は備わっているんだから、子供ではなく一人の人間としても扱ってもいいと思う。
自分の子供を立派な大人にしたいのなら。
立派な大人になっていないボクがここにいるから敢えて言いたい。
前科賞罰はないけれど…。


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