マヌケ便り

テレビ番組リサーチ会社の代表をしています。

三つ子のたましい『先生いい加減にして頂戴』

2014-02-12 01:31:44 | Weblog
ボクは3年保育だったので、年少組の雪組から幼稚園に通っていた。
3年保育は極端に人数が少なく12名。
先生は綾子先生と言う名前で、とても太っていてそして目が離れていてカエルみたいな顔をしていた。
ボクがこの世に生を受けてから、2番目に面白い顔と思ったのがこの綾子先生だ。
一番目はこの年の前年に生まれた弟だ。
生まれたばかりの弟を見た時は、これは生き物かと思ったのを覚えている。
綾子先生の顔は、生まれたての赤ちゃん並だったと言う事だ。
この綾子先生だが、よく幼稚園の先生をやっていたなと思うほど大雑把で、まず紙飛行機を折るのに藁半紙を4つに折って手で切ってしまう。
だから、切ったところの線が揃っていないのでバラバラになっている。
ボクが家でおばあちゃんに渡される紙は、ちゃんとした紙なので、『こんなので飛行機を折れるか』とむくれている。
綾子先生はおかまいなしだ。
自分だけ、綺麗に揃った4等分する前の藁半紙をボク達に見せながら、「先生の真似をして飛行機を折ってみましょう」とか言っているので、真似をして折るのだが線が揃っていないので気持ちが悪い。
繊細で几帳面なボクにはこの大雑把さが耐えられなかった。
お絵かきの時には、画用紙はまあまともな物を渡されるのだが、クレヨンは大きな箱の中にチビたクレヨンが山ほど入っていて、「このクレヨンを使いなさい」と言う。
みんながいっせいにその箱に飛びつくので、控え目なボクはそれを見ているだけ。
家では箱に入った“ちゃんとした”クレヨンでお絵かきをしているので、『何でこんな思いしなくちゃならないんだ』とやはりむくれている。
まあ、これは綾子先生のせいでもなく幼稚園が、『上級生の使った余ったクレヨンで年少組なんかこれでいいだろう』と用意した物だから仕方はないのだが幼稚園も幼稚園だ。
みんなはそんな事はどうでもよく早速描き始めているので、ボクもその大きなクレヨン箱の中を覗き込みクレヨンをかき集める。
白いクレヨンを探すのすら一苦労だ。
他の色に汚されてやっとわかるような白だ。
その白いクレヨンから描き始めたら先生が、「白い画用紙に白いクレヨンから描いてはダメ」と叱る。
何故ダメなんだと思うボク。
しかも、ボクの持っている白いクレヨンは、画用紙に描くといろんな色が糸を引く様に付いて来る様な汚い白いクレヨンなので、画用紙にはしっかりと色が付いているのだ。
解せない。
名前は忘れたが、ボクの隣で描いていた子は葉っぱを真っ赤に描いている。
やはり綾子先生に怒られている。
「葉っぱは緑でしょう?この緑色のクレヨンを使わないとダメよ」と言って叱っている。
その子は、「ボクは葉っぱがこの色なんだもん」と言って泣き出してしまう。
綾子先生は大雑把なくせに、こう言うところだけは固定観念を植え付けてしまう。
もしかしたらその子は、色盲だったのかも知れないのだ。
赤緑色盲は最も多い色盲だし。
色盲云々知らなかったボクだが、葉っぱが赤じゃ何故ダメなのかがボクには理解出来なかった。
こうした型に填った教育を、物心付き始めの園児の頃から教えてしまうから、こぢんまりと纏まった大人になってしまうんだ。
そうボクだ。

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