世に盗人の種は尽きまじ

　私の自転車は、ハンドルのところにライトが付いており、手のボタン操作で点灯・点滅させるタイプものだ。数日前の深夜に、コンビニまで買い物に出かけたのだが、ほんの数分の買い物の最中に、自転車の、そのライトだけを盗まれてしまった。

　『すげ～あざやか』と感心してしまった。『世に盗人の種は尽きまじ』と言うが、こういうことをいとも簡単にやられてしまうと、検挙される泥棒以上の泥棒が、この世にはたくさん存在するんだろうな～と思ってしまうものだ。現に、私はこれまでに、自転車を３台に原チャリを３台、そしてオートバイを１台盗まれている。もちろんロックはしておいてだ。ところが戻ってきたのは、ボロボロになって乗れなくなってしまった原チャリ１台だけで、当然のことと言っては何だが、犯人が捕まったという話は聞こえてこない。

　ところで、そのライトだけ盗まれた自転車に乗って自宅に戻ろうとしたのだが、その途中で、おまわりさんに呼び止められてしまった。無灯火で乗っていたからだ。事情は話したのだが、身分証を提示させられたり、自転車の登録確認をされたりで、やれ面倒だった。もちろん、そのまま放免にはなったのだが、自転車は押して帰るようにとの指示だ。しばらく自転車を押したのだが、かったるくなってしまったので、また乗ろうとして後ろを振り返ったら、そのおまわりさんは、まだこちらを見ているではないか？私は思わずお辞儀をしてしまった。向こうも頷いている。すげ～恥ずかしかった。マ、マヌケだ。

　それで昨夜、またコンビニに買い物に出かけようとしたのだが、まだ自転車のライトは盗まれたままだ。また、おまわりさんに呼び止められても面倒だし、仕方がないので、息子のキックボードで買い物に出かけたのである。ところが、踏切のところで、キックボードの車輪が線路の溝に入ってしまい、私はおもいっきり前のめりになり転倒してしまったのだ。したたか右肘から右脇腹、そして右腰を打った。

　一人の女性に見られてはいたが、全く恥ずかしくないほど…痛さの方が大きかった。こうなってみると、自転車のライトを盗んだ奴に腹が立つ。これで頭でも打ってそのまま気を失い、電車に轢かれてしまい死んでしまったら、自転車のライトを盗んだオマエのせいだぞ、この野郎～ってな事にもなってしまう。…だろ？だから、泥棒するのは…やめようね。