いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

ゆれながら咲く花 11

2016年05月29日 | ゆれながら咲く花
《あらすじ》

あれからナムスンは、何度もフンスの家に行ってみたのだ。
それでも会えずに、漫画喫茶に行ってみたり、学校へ行ったり、彼を探した。
そんな噂をフンスも知っていた。
「ナムスン、あのことはもう忘れよう。お互いの道を行くんだ。
俺たちはこじれすぎて、もう友達には戻れない。
お前はこの先もずっと謝り続けるだろ。そんなお前はウザいからな」
どうしても、無理なのか?ナムスンはため息をつくしかなかった。

インジェは、自分の授業を拒否されたことに傷ついていた。
まるで自分の心まで拒絶されたようでつらかった。
生徒たちに伝えたいことがあるのに……。
だが、チョ先生の助言は胸に染みた。
「彼らに心を伝えようと思うなら、彼らの本心は何か知る必要がある。
生徒たちは思いつきで行動するし、感情的にあったりする。
まだ自分の気持ちを伝えるのが下手なんだよ」
自分は本当に、子どもたちの心を理解しようとしていただろうか?
インジェは静かに、自問自答するのだった。

2組の生徒たちは相変わらずピリピリムードだ。
ジョンホは学校に来ないし、このまま退学になるのかもしれない。
そうなればみんなせいせいする。
ただでさえ成績が上がらなくてイラついているのに、
あんな不良がクラスにいたんじゃ……。

論述大会の代表に選ばれたガンジュだが、ハギョンのことを思うと素直に喜べない。
ミンギも、自分が書いたわけでもない宿題が評価されたので、浮かない顔だ。
それでもふたりは大会に出ることを承知した。
ガンジュは自分のプライドのため、ミンギは母のプライドのため。

ところが校長から横やりが入った。
校内論述大会を開くというのだ。
学校の実績を上げるため、ソウル大を狙えるハギョンを学校の代表にしたいのだ。
校内大会は出来レース。
それを察したガンジュは、ひとりトイレで泣いた。
先生には強がってみせたけど、悔しくて、悲しかった。

インジェとセチャンは、オム先生から逃げ回っている。
ナムスンとフンス、どちらかを転校させなきゃいけないなんて……。
結論は出せない。
そうこうしているうちに、その話がナムスンに聞かれてしまった。
「俺が転校します。このこと、フンスには言わないでください」

食堂に行ったナムスンは、わざわざフンスの前に座る。
立ち上がって去ろうとするフンスをとどめて、ナムスンは言った。
「フンス、一度だけ、一緒に飯を食おう」
その真剣な口調に気圧されるように、フンスは座り直した。
そして黙って、ふたりで給食を食べたのだ。

セチャンは、フンスとナムスンを呼んで課題を言い渡した。
テストの成績があまりに悪かったから、教科書書き写しの罰だ。
膨大な量の課題に、ふたりはげんなり。
セチャンが「別の課題にするか?」と持ちかけた話に飛びついた。
ふたりでバスケのマンツーマンを戦い、1ゴールにつき課題を2枚減らしてやる。
ヘトヘトになるまでゲームをして、ふたりは仲良く倒れ込んだ。
「なぁ、パク・フンス。コ・ナムスンが転校したら困るよな?
残った課題をひとりでこなさなきゃならなくなるぞ?」
フンスにばれて、ナムスンは困った。

「転校?いろいろやるな。せいせいしたか?」フンスは憎々しげな口をきく。
「いや、イラつく」ナムスンも、機嫌が悪かった。

悩んだ末、インジェはジョンホに最後通牒をつきつけにいくことにした。
なんとかなると思って、ジョンホも甘えているのかもしれない。
携帯を返して、これが最後だと伝えよう。
心配なセチャンは彼女につきあったが、ジョンホはあいにく留守だった。
セチャンもかつては問題児を追いかけ回す教師だった。
必死で追いかけて連れ戻して、また逃げられて……
最後は転んで、起き上がれないまま、教師を辞めた。
「辞めたら、どんな気持ちですか?」
インジェは何かを覚悟しているかのようだった。

ジョンホは、夜の街にいた。あの悪い先輩たちのパシリをしているのだ。
ジフンもイギョンも、ジョンホを心配して彼を学校へ連れ戻しに来た。
このままあいつらと付き合っていたら、取り返しのつかないことになる。
やくざになるしかないじゃないか……。
だが、ジョンホは素直になれなかった。
心ない言葉をぶつけて相手を傷つけ、
友達が差し伸べてくれた手を、振り払ってしまったのだ。

ジョンホは、酒を飲んで暴れる父のいる家に帰ってきた。
「俺を殴ればおとなしくなるから平気だ」
悲惨な運命の生徒を前に、セチャンとインジェは言葉を失いそうだ。
「ジョンホ、学校へ来い。学校が嫌いか?」
「俺が学校を嫌いなんじゃない。学校が俺を嫌いなんだ」
「このまま中に入って殴られるままの人生を送るつもり?
学校に来れば、何かがかわるかもしれないわ!」
「ジョンホ、他の兄弟は逃げ出したんだろう?殴られるのが好きか?
このままだったら、お前も子どもを殴る親になるぞ。母親は逃げたか?耐えられなくて?」
セチャンは、ジョンホを挑発した。
「殴りたければ殴れ!」
だが、ジョンホは振り上げた拳を下ろせなかった。
「無理だろ?学校へ戻りたいと思っている証拠だ。先生だから殴れないんだ。
明日までだ、ジョンホや。明日までに来なければ退学だぞ」
そう諭す、セチャンの目は優しく潤んでいた。

翌日、生徒たちに戻されたテストの帳票は最悪だ。
特にジョンホに邪魔されたヒアリング。
ここの点さえあれば、もうちょっとマシな結果だったのに!
うんざりしているところで、ナムスンがオム先生に呼ばれた。
フンスはいてもたってもいられずに、相談室の前で待つ。
「よっぽど課題をひとりでやるのが嫌なんだな?
でも俺は、一緒にバスケをやる被害者と加害者なんて見たことないけどな」
セチャンはフンスに声をかけて、笑った。

オム先生は、ナムスンと向き合っていた。
とうとう転校の同意手続きをしなくてはならないのだ。
そこへ、急に入ってきたのはパク・フンス。
「どうした?あとにしろ」
「先生、コ・ナムスンが転校する理由はありません。
僕は被害者じゃないし、コ・ナムスンも加害者じゃありません。
……ただの友達です。運の悪い友達。そして今は仲直り中です」
「コ・ナムスンもそう思うか?」
ナムスンは黙って目をぬぐった。
「じゃあ、ここには被害者も加害者もいないんだな」
オム先生は、にっこりと笑った。

相談室を出て、ナムスンはフンスに礼を言った。
「サンキュー」
「ただじゃないぞ。条件付きだ。俺の分の課題をやれ」
フンスは少し笑った。そしてナムスンを待つかのように振り返る。
ナムスンも微笑んで、彼と肩を並べるように歩いて行く。

一方、クラスの雰囲気は最悪だった。
インジェ先生を、信用できるのか?
わたしたちの邪魔ばかりするジョンホをまた学校へ呼び戻す気かしら?
もしそうなら、先生はわたしたちを見捨てたと同じことじゃない?

職員室でも、嵐が吹き荒れていた。
2組の共同担任を解除するというのだ。担任は、カン・セチャン。
インジェは、担当教科に専念することになる。
「反対なら?生徒が反対した場合はどうしますか?」
セチャンは教頭に真っ向から言い返したが、インジェは黙ったままだった。

ジョンホが登校してきた教室。
「家まで来て担任が説得するから来たんだ」
彼の言葉に、クラスはざわついた。
担任が?なんで?やっぱりわたしたちより、問題児が大事なの?
そこへセチャンがインジェの解任を告げる。
「これは提案にすぎないから、君らの意見が重要だ。
君らが反対すれば、担任はふたりのままか、インジェ先生だけになる。反対意見がある人は?」
セチャンの呼びかけに、誰も応じなかった。

インジェは優しい目で、うなずいて皆を眺める。
「わかったわ、今までありが……」
ナムスンが手を上げた。
「俺は反対だ」
ヨンウも、フンスも、ジフンも……。
彼らの挙手を確認して、インジェはにこりとして教室を出て行った。

「先生、文Ⅰの授業はどうなるんですか?」
しれっと質問する女生徒に、思わずセチャンは厳しい目を向けた。
一度は黒板に向かうが、生徒に自習を命じてインジェの後を追う。
彼女は職員室で、荷物をまとめていた。
「待って下さい、先生。ジョンホが来たからですよ、あいつら動揺してちょっと……」
「ちょっと何ですか?生徒に拒否された教師には、教師の資格がないです。
気づくのが遅かったわ」

セチャンは必死でインジェの腕をつかんだ。
「こんなのダメです。生徒じゃなくて、壊れた世界が拒否してるんです。
僕たちの相手は生徒ではなくて、非常識なシステムだ!」
「生徒でも世界でもこれ以上は無理。
いいえ、続けたくない」
セチャンは、行こうとするインジェの腕を離さない。
「なぜ止めるんです?!先生は私より何倍も有能でしょう?!」
セチャンはインジェを見つめた。
「あなたは、僕の理想の教師だから。
あなたは、僕がどうあがいてもなれなかった、その教師だから」


(つづく)



先だっての記事で、
「dTVの韓ドラって各話タイトルで微妙にネタバレ嫌ね」
って書いたんですけど、

逆襲されました……。

この回の日本語タイトル何か知ってる?

「理想の授業」

だよ?

じゃあ、期待するでしょう、フツー?!

インジェ先生が何かに開眼して理想の授業をすることができたんだなぁって。

そう思うのがフツーでしょ?!

でもでも!これがミスリードなんだ~っ!
つーか、
単にタイトルつけ間違ってるだろ!

「理想の教師」

一択だろ!今回のタイトルは!

……もうなんかいろいろ期待しちゃって観てた分ショックで、
ボロ泣きだよ~。

インジェ先生辞めないで~

セチャン先生の感情むき出しの表情初めて観たかも~

むき出しだけど実はあんまり表情自体は変わってないかも~

それはそれでいいかも~。


でもやっぱマジです。くるなぁ、この表情。

ま、いろいろあります、学校2013。

一話完結型のドラマと違って、様々な事件が同時に起こって、
複雑に関係したりしなかったりしながら
解決したりしなかったりして続いて行く日常……。

いろんな子がいて、いろんな問題がある。
いろんな先生がいて、いろんな問題がある。

学校って、そういうものだよね。


ふたりで泣いて、すっかり仲直りできると思っていたフンスとナムスンは、
「もう元には戻れない」とフンスが言って、
別々の道を歩んでいきそうになる。

これはマジでつらかった。

「一度くらい一緒に飯を食おう」

ナムスンがそう言って給食をほおばりながら、
泣きそうになってるシーンで一緒に涙が出た。


基本の韓定食って感じの給食なのがまた良い。

ふたりが被害者と加害者である以上、
どちらかが転校しなくてはならない。

この決まりは、きっと先生たちがどうにかしてくれると
期待していたけれど、なかなかうまく進まなくて随分不安だった。

でも、これって学校制度の問題だけではなくて、
ふたりの友情が復活するための最大の障害でもあったんだよね。

どちらかが加害者、どちらかが被害者という関係性である間は、
彼らは決してもとの友達同士には戻れない。
フンスが言うように、
ナムスンはいつまでも謝り続けるだろうし、
フンスとしてはそんなナムスンを見続けるのは嫌なんだよね。

「俺たちは加害者と被害者じゃない」

ふたりはフラットな立場になって、はじめてまた友情を結ぶことができる。
相手に負い目を感じ続ける関係なんて不健康だし、無理があるもの。

オム先生はフンスにこれを言わせたくて、あんな規則を持ち出してきたんじゃないかと
勘ぐってしまう。
それくらい、彼のニヤッと笑った表情がよかった。

そこまで進めるよう、アシストしてくれたセチャン先生もよかったなぁ。
彼はきっと、かつてはこうして子ども達を救い出してきたんだね。
おせっかいを焼いて、生徒たちを愛してきたんだろうな……。

ずっとクールで、どこか一歩ひいて生徒たちに接していたセチャン先生が、
どこからかインジェ先生に影響されて、だんだん熱くなってきて、
最後はこうしてインジェ先生を引き止めるなんて、
誰が予想したでしょうか?

いや、予想はしてた。

予想はしてたけど、こんな風に!

「あなたは、ぼくの理想の教師だから」

こんな熱い言葉なんて、予想してなかった~。

もうここで再びの涙腺崩壊ですよ。グズグズ。う~、先生~。

そんでもって問題児ばっかりがインジェ先生解任に反対してくれて……。

泣くわー。ベタでも泣くわー。

「あなたは僕が逆立ちしたってなれっこない、理想の教師だから」

うう、でもインジェ先生、辞めちゃうんでしょうか……。
あの生徒たちが「先生辞めないでー!」っていまさら泣くかと言われると
はなはだ疑問ですし、
じゃあジョンホが退学すればことはおさまるのかというと違うと思うし。
いくらなんでもミラクルな着地方法は見つからないのよね。
う~ん、辞めちゃうしかないのかな……。

これ、舞台が高校だからこういうリアルなことになってると思うのですよ。
やっぱり中学が舞台の金八先生とは違うのよ。
中学生ってまだ子どもで、こういうときはその場の感情に流されて、
先生辞めないでぇ~って泣いちゃうのよ。
「ゆれながら……」の生徒たちは、やっぱシビアで、でも罪悪感もあって、
ゆれているんだな……としみじみ感じられるところが好きです。

ビシビシと本音を言うギョンミンだって、特別悪い子なんじゃない。
生徒たちをこんな風にしてしまう、社会の、学校のシステムが悪いんだ!
代表に選ばれて、ハギョンには悪いけど嬉しかったガンジュ。
自分が認めてもらえたと喜んでいたガンジュ。
彼女の気持ちをぺしゃんこにした、校内論述大会……。
本当は、ハギョンに譲ってもいいと思っていたのに、どんどんこじれてこんなことに。
ミンギだって、お母さんのしいたレールに乗って行きたくない。
でもお母さんをこれ以上悲しませたくなくて、いいなりになってる。
ジョンホだって、暴力をふるう父親と暮らすしかないの。
お母さんも、お兄さんも、ジョンホを助けてくれなかったから……。

みんな事情があって、みんなゆれてるんだよ。
大人が本気で助けてくれたら、大人が本気で考えてくれたら、
きっとみんなまっすぐにのびていける美しい花なのに……。

まぁ、綺麗事かもしれないけどね……。


いろいろ考えると悲しくなっちゃうのでちょっと楽しかったことを書きますと、
ナムスンとハギョンのシーン、やっぱりいいですね。

ずーっと学校へ来なかったナムスンのところへ来て、
数学の誤答ノートを集めてくれというハギョン。
「あんたが来なくてわたしがどれだけ……!」
もちろんハギョンは、心配したか!と付け加えたかったわけですが、
ナムスンは「わかったわかった、苦労したんだろ?ノートは集めるから」
なんて言っちゃう。

ハギョンの淡い恋心を、まったくわかっていないナムスンなんだよね。


ねぇ、あいつって何なの?機嫌悪すぎじゃね?ポリポリ

このナムスンの唐変木っぷりを密かに笑うフンスがツボです。

そしてガンジュとナムスンが仲良くファストフード店にいるところを
目撃してしまい、動揺するハギョン。

かーわーいーいー!!

もう!この状況はガンジュが強引に誘ったからなんだってば!

とはいえ、ガンジュは泣いてた自分の頭をくしゃくしゃして
慰めてくれた?ナムスンに対してこれまたほのかにいいな、と感じてたから
転校の餞別なんて言って奢ってくれたわけで……。

なんだかんだまったくわかってなくて、
関心事はフンスとのことだけ、というナムスンがまた良くて、
この2シーンは即リピートして観てしまいました。


こんな顔して頭くしゃくしゃされたら即死する。

いいよねぇ、この甘酸っぱさ。

高校生の恋愛なんて、こんな感じが一番いいじゃないか。
告ったり告られたり、
ドS男子だったり冴えない女子だったり、
キスしまくったり壁ドンしたりとか考えられんわ!
こーゆー距離感を大事に育てようよ!

ねぇ、このモヤモヤした感じが青春ですよ、青春。

さて、ゆれにゆれている先生たち。
次回はどういう展開になるんでしょうか……。


【追記】

ふと思ったのですが、韓国ドラマの食事シーンについて。

なんかこう、いつもモリモリと容赦なく食べる印象があります。
ナムスンも泣きそうになりながら、
親の敵みたいに口の中にご飯を詰め込んでいきますよね。

ああ、男子~って感じもするし、
泣きそうなのを勢いで誤魔化してる感もあって、
ちょっと行儀悪く見えるかも知れないけど、私は好きです。

役者は、食べながらしゃべるシーンもあるので難しいですね。
ちょっとしか口に入れないと不自然だし、
食べ物が単なる手持ちぶさたを解消する小道具に見えちゃう。
優れた役者というのは、すべてのものを感情の表現のために使える役者だと思います。




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