昆虫の仲間には,人間の空想を,そのまま現実にしたような,不思議な生き物が,多くいる。
この虫もそんな感じ。
英名では,スコーピオン・フライ,と,なかなかカッコいいが,和名では,しりあげ虫,と,味わい深い名になる。
たぶん,種名は,ヤマトシリアゲ。
オスは,英名のとおり,サソリのように,上に反った尻尾が特徴。
丸まった尻尾の先端には,交接器とハサミが隠されており,メスと交尾するときに使うほか,オス同士が争うときにも使うらしい。
常には,丸めた尻尾に,大事な武器を隠しているのがいい。
この尻尾の存在が,この虫を,ジブリのアニメに出てくるような,不思議な生き物に見せている。
なんか,原始の昆虫のような雰囲気もあるが,事実,この仲間は,2億5千年前から,存在しているらしい。
メスと交尾する方法もユニークで,メスに食べ物をプレゼントし,メスがそれを食べている間に,ハサミで押さえつけ,用を済ませるらしい。
もしかすると,自分が食べられるのを防ぐ意味合いもあるかもしれない。
とはいえ,食べるのは,死んで動かなくなった虫の体液や果物の汁など。
口もユニークな形だ。
なお,今回出会った個体は,秋型で,黄色っぽい体色だが,春型は,黒いようだ。
春型と秋型の体色が異なるので,以前,秋型はベッコウシリアゲと,別種扱いとなっていたらしい。
(2024/08/10 ヤマトシリアゲ)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます