インチキ体脂肪計

ちょっと古い話題ですが、生協が「おもちゃの体脂肪計」を本物と思いこんで売ってたことがわかり、 回収騒ぎ になりました。体脂肪率を測定する機能はまったくなくて、手でプチプチと入力させた身長・体重・年齢・性別をもとにそれっぽい数字を表示するだけ。つまりただの早見表でしかないわけです。それならサッと数字を出せばいいのに、わざわざニセの電極板を5秒間押さえ続けてないと表示されないしかけになってて、いかにも本当に体脂肪率を測定してますよ～ という演出がほどこされてます。これには商品を企画した人物のイタズラ心、いや、ちょっとした悪意を感じますね。

似たタイプの体脂肪計は去年バッタ屋さんでよく見かけました。当初から動作がおかしいという声はあったみたいですが、たかが800円のおもちゃですからね。こういう怪しいモノが好きなひとたちが、むしろダマされることを楽しむための商品なんでしょう。まちがっても生協みたいなイノセントワールドに顔を出してはいけないブツですよ。

--

正直な話をすると私は生協のノリがあまり好きではありません。でも上の赤いリンクにある「お詫びとお知らせ」には好感を持ちました。冒頭で「体脂肪率を測定する機能がない」とはっきり認め、さらにインチキな演出についても触れてます。簡潔な文章だけど誠意が伝わりました。あと担当者が半泣きになって必死でワープロをたたいてる様子も目に浮かぶ。

URLは載せませんが、それに比べて発売元が出した文章の醜いこと。説明書がまぎらわしいだけであって詐欺商品ではないのだと言いたげ。おまけに本筋と関係のない文脈に「世界共通」だの「自主的」だのといったポジティブイメージを与える単語をちりばめて印象操作をたくらんでるかのよう。まるで安っぽいプレゼン入門書の丸写しみたい。これから出版されるプレゼンやビジネス文書の本にはぜひ「半泣き度」や「必死度」パラメータの説明を加えてほしいです。