去年の仕事はこれまで経験のない技術を三つも四つも同時に勉強しながらだったので非常につらかったのですが、メンバーの顔ぶれはほとんど同じなのに今年はずいぶん楽しく進めることができています。今日は午後からミーティングに出かけてきます。ここしばらくブレーンストーミングが続いていて、皆のエンジンがかかってきたところです。
ブレーンストーミングは新人教育によく使われるのでご存じの方も多いかと思いますが、「結論」ではなく「アイデア」を出すための会議です。いくつか基本的なルールがあって
1.質より量。とにかく発言する。
2.他人の発言を批判しない。
3.脱線・暴論・夢みたいな話大歓迎。
4.他人のアイデアを拝借して便乗してよい。
不思議なもので、このルールをしっかり守って話を続けているとだんだんハイ状態になり、ある時点で参加者全員の思考がシンクロし始めます。誰かが口を開くと最後まで聞かなくても何を言いたいかがわかって、それを土台にしてまた新しいアイデアが生まれる。発言するのが楽しくて楽しくてしかたない。名前の通り頭脳(ブレーン)に嵐(ストーム)が巻き起こる。あれっ?自分ってこんなに頭良かったっけ?みたいな興奮状態を体験できるんですよ。
私はネット上、特にこのような掲示板形式で「議論」はできないと考えています。相手の発言と自分の発言の間があきすぎて、いったん誤解が生じると軌道修正できないままあらぬ方向へ話が突進してしまうからです。「自分は十何年間ネット上で議論を続けてきた猛者だ」と豪語する方は多いけれど、はたから見ていると、相手の発言を理解しないままあらかじめ自分の中にあったカビの生えた持論を引っ張り出してきているだけのことが多いです。たいていの議論はテーマに関係なく、最後はいかに自分が頭が良くて論敵がバカかを証明しようとする泥仕合にはまって終わります。もしかするとネット上で有益な議論を実現するためには、それ専用に設計された何か画期的な新しいツールが必要なのかも知れません。それがどのような物かはまだ私にはわかりませんが。
しかしブレーンストーミングは違います。相手の発言を理解する必要はないのです。アイデアを生み出すのが目的ですから、意見のキャッチボールではなく投げる一方でもかまわないのです。誰かのアイデアに触発されてまた新しいアイデアを生み出す。それがたとえ誤解にもとづいていても一向に問題ありません。かえって誤解から生まれたアイデアのほうが素晴らしいこともあり得ます。だから議論は無理でもブレーンストーミングならネット上でも楽しめるんじゃないかと思うのですよ。
皆さんが書いてくださるコメントに対して私が意味不明の言葉を返す場合が多いのも、意図的に話をそらすことで、おもしろくてクリエイティブな何かが始まれば良いなと期待しているからなんですよ。
って、そんなことはとっくに気づいてもらえてました?
(´ー` )
ではいってきまーす