隈さんの学びと遊びの部屋

定年後にパソコンやスマホ、写真、家庭菜園、テニス、旅行などを楽しんでいますが、その時々に感じたことを綴っていきます。

福岡藩士と北海道月形町???

2014-02-07 16:31:41 | 読書
北海道樺戸郡月形町にある樺戸集治監と幕末・明治維新時の福岡藩士の関係とは??
この福岡藩士の 月形 潔 氏の苗字こそ この 月形町 の由来なのです!!
なぜ、遠~い、遠~い北海道に彼の名前が町名になったのか?? 
北九州出身の直木賞(「蜩の記」)作家 葉室 麟 の小説「月神」で語られています。

この「月神」は幕末・明治維新に実在した福岡藩士 月形洗蔵 と 潔 が主人公で「月の章」と「神の章」の2部構成となっています。
主なあらすじは「月の章」で、幕末の尊皇攘夷運動に乗り遅れた福岡藩で運動の先頭に立ち、長州や薩摩に乗り遅れまいと努力した月形洗蔵が、藩主の理解を得られず斬首されるまでの苦難が描かれ、
「神の章」では、洗蔵の従弟・月形潔が、冷遇される福岡藩士の一人として、北海道の獄舎建設と管理の任務に悩み、苦しみながら北海道最初の監獄「樺戸集治監」を創設し、初代典獄(所長)を務めた物語を描いています。
二人ともそれぞれの時代の激流のなかで理想と現実の間でもがきながらも闘う姿を「高杉晋作」「西郷隆盛」「藩主黒田長博」「永倉新八」「五寸釘寅吉(脱獄囚)」らと描いています。
どちらも実在の人物で時代も近いので小説としての展開は弱い様に思われますが、歴史の流れの中では、本人がいかに努力しようとも、またいくら大義がこちらにあろうとも思い通りにいかない時代に 「夜明け」を先導する「月」 になろうとした生涯を描いています。これが「月神」のようです??
小説の面白さもあるのですが、今、黒田官兵衛 で盛り上げっている福岡県が幕末・明治維新に薩摩や長州に後れをとり、 「何をしとったんか」、「何故、傑出した人物を輩出できんかったのか?」  考えてみれば、おかしいですよね?? その訳がこの「月神」を読めば、少しは・・・・??
「等伯」でもそうでしたが、その時代を生きた「人物」や「土地」や「作品」などにその場にいながら想像し、見ること、知ることが出来る 歴史小説は楽しい! 
ますます はまりそうです!!
( 画像はクリックすると大きくなります。月形町は札幌市のそう遠くないところにあるようですね)