いつだったか、息子がいった。
「僕、この押入れが気に入って“ここ”がいいと思ったんだ」と。
そう、新しい住居を捜していた時、5歳だった息子は
見学にきた“この家”の押入れにやたら、出たり入ったりと
おおはしゃぎだった。
「僕、“ここ”がいい~!」と、たしかにいった。
たしかにいったがまさか、“押入れ”のことをいっていたとは
思ってもいなかった。
(別に息子の意見だけで“ここ”に決めた訳ではないのだが)
そして引越しの当日、憧れの“押入れ”は当然布団と衣装ケースで
いっぱいになって、本当に悲しかったのだそうだ。
押入れにそこまで思い入れをしていたのかと、
母は切なかった。
願いをいつかかなえてやりたいと(なんの願いなのか
いまいちよくわからなかったりするのだが)
ずっと思っていた。
思っていただけだったのだが、ある日、あることに気がついた。
背が私に近づいているのだ。
このまま伸びたら、もう、“押入れ”で遊ぶのは無理だ、と。
ちょうどいい機会だから、押入れを子供達に“開放”しようと
思い立った。
だんなに彼の“熱い”思いを語ったら、すぐに賛同してくれた。
そして私の思惑も成就することになる。
今まで家中分散していた、衣類を“ごまちゃん部屋”に
まとめられること、そして、だんなの布団を“ごまちゃん部屋”から
わざわざ和室の押入れに運ばなくってよいこと、
なにより、息子の長年の夢が叶うこと、いいことずくめだったりした。
午前中、うさたちの“トイレ”を返品し、クローゼットにいれる
衣装ケースを新たに買い、午後さっそく始めた。
そして、子供達への押入れ開放が夕方できた。
子供達は“秘密基地”と命名して、さっそく入り込んで遊んでいた。
そして母は、押入れからだした衣装ケースと衣類と格闘して
ほとんど一睡もできぬまま、次の日、お仕事にいったのであった。
当然、片付け終わらぬままに。
「僕、この押入れが気に入って“ここ”がいいと思ったんだ」と。
そう、新しい住居を捜していた時、5歳だった息子は
見学にきた“この家”の押入れにやたら、出たり入ったりと
おおはしゃぎだった。
「僕、“ここ”がいい~!」と、たしかにいった。
たしかにいったがまさか、“押入れ”のことをいっていたとは
思ってもいなかった。
(別に息子の意見だけで“ここ”に決めた訳ではないのだが)
そして引越しの当日、憧れの“押入れ”は当然布団と衣装ケースで
いっぱいになって、本当に悲しかったのだそうだ。
押入れにそこまで思い入れをしていたのかと、
母は切なかった。
願いをいつかかなえてやりたいと(なんの願いなのか
いまいちよくわからなかったりするのだが)
ずっと思っていた。
思っていただけだったのだが、ある日、あることに気がついた。
背が私に近づいているのだ。
このまま伸びたら、もう、“押入れ”で遊ぶのは無理だ、と。
ちょうどいい機会だから、押入れを子供達に“開放”しようと
思い立った。
だんなに彼の“熱い”思いを語ったら、すぐに賛同してくれた。
そして私の思惑も成就することになる。
今まで家中分散していた、衣類を“ごまちゃん部屋”に
まとめられること、そして、だんなの布団を“ごまちゃん部屋”から
わざわざ和室の押入れに運ばなくってよいこと、
なにより、息子の長年の夢が叶うこと、いいことずくめだったりした。
午前中、うさたちの“トイレ”を返品し、クローゼットにいれる
衣装ケースを新たに買い、午後さっそく始めた。
そして、子供達への押入れ開放が夕方できた。
子供達は“秘密基地”と命名して、さっそく入り込んで遊んでいた。
そして母は、押入れからだした衣装ケースと衣類と格闘して
ほとんど一睡もできぬまま、次の日、お仕事にいったのであった。
当然、片付け終わらぬままに。