いじめに勝利しよう!(13頁中/9-12頁) ライター かみなか さとし
せのたびにそのひと言ひと言を忠実にメモしておきました。そして、ある程度、
情報がたまり、いじめの実態が明らかになった時点で、会社の責任者に報告しました。そのことによって私に対するいじめが明るみになり、以後、私へのいじめ、いやがらせはパタッと消えたのです。
いじめを告発する、いじめ自体を認めてもらうのは、大変難しいことです。語られた言葉は残らず、証拠はなかなか見つからないからです。しかし、まめに記録しておけば、いつか役に立ちますし、記録することによって、相手のいじめ、いやがらせのパターンや攻撃の仕方も見えてくるのです。この戦いは、ほんとうに大変ではありますが、もし職場や学校内でいじめを受けていたら、ぜひこの方法を忍耐強く実践してみてください。この記録を見て、必ず誰かが助けの手を伸ばしてくださいます。
誰かに相談する
次に大切なのは「誰かに相談する」ことです。それは親や先生、あるいは教会の牧師かもしれません。あるいは弁護士、カウンセラーに相談することもありうるでしょう。
玉聞さんは「助けて! と言うのは恥ずかしくない」と言います。
いじめられている人にとっては、今は大ピンチです。えんりょなく「助けて!」と言いましょう。(中略)たった1回の「助けて!」では、何も変わらないかもしれません。だから、いじめがなくなるまで何回でも、いろんな人に言いましょう。いい人は必ずどこかにいます。声が届けば、きっとなんとかしてくれます。でも、届かないと、いい人でもどうにもできません。
こっちは大ピンチなんです。言ったからといって、何か減るわけではありません。あきらめずに、何回でも言いましょう。
私がいじめを受けた時は、たまらず社外の信頼できるカウンセラーに相談しました。そのことによって、即、いじめが解決につながったかというと、そうではありませんでした。
しかし、信頼できる誰かに話すことによって気持ちは楽になりましたし、いじめられている自分を客観的に見つめることができるようになりました。また、妻が大きな相談相手となってくれ、祈ってくれたことも大きな助けとなったことを付け加えておきます。
一方で、いじめを理解してくれる人が周囲になかなかいないことも事実です。学校の先生や両親、会社の上司に全く理解してもらえず、「とにかく頑張って学校(会社)に行きなさい」、「そんないじめに負けるな」としりを叩かれるようなこともしばしばかもしれません。私もそうでした。だから、思いつく限りの相談相手を想定し、相談しにいくことが大切です。
いじめを避けるために
最後に、私の体験から、親が子どもをいじめから守るにはどうすればいいか、いくつかアドバイスして終わります。
まず、今の日本の学校にあまり期待するべきではないということを、お知らせいたします。『いじめの構造 なぜ人が怪物になるのか』(講談社現代新書)の著者、内藤朝雄氏は、「生徒たちを閉鎖空間に閉じこめて強制的にベタベタさせる今の学校制度がいじめを蔓延させている」とし、「学校の〈聖域としての特権〉を廃して学級制度を廃止せよ」とさえ提案しています。
実際に今、学校というシステムが根底から崩れてきているようです。どこの学校でも、多かれ少なかれ、いじめが起きています。ひどい所では、学級崩壊も起きております。また、先生の質もいちじるしく低下してきております。あの金八先生のような先生には、滅多にお目にかかれないのです。ですから、昔のように「子どもを必ず学校に入れるべき」という発想は、時代遅れではないかと私は思っています。
一方、今は教育手段も多様化してきています。子どもを学校に行かせなくても、高卒認定を取りさえすれば大学受験できますし、留学もできます。今は親が子どもを教育するホームスクーリング、教会が子どもを教育するチャーチスクーリングという新しい教育のあり方も出てきています。実は、歴史的にはホームスクーリングやチャーチスクーリングのほうが、今の学校制度よりも歴史が古いのです。
今の学校教育は、あまりに危険すぎます。いじめを受ける可能性がかなりありますし、自分の子どもがいじめっ子になる場合もあるでしょう。親の手から離れた子どもが、学校でどんな生活をしているのか、どんな痛い目に遭っているのか、見えないのです。また、もし自分の子がいじめられていたことが分かったとしても、多くの先生は自分に危害が及ばないようにと何もしてくれないかもしれません。学校側は世間にいじめの事実を公表されるのを嫌がりますから、その事実を隠そう、隠そうとするかもしれません。そういう、出口なしの世界に子どもを預けるわけですから、とても危険ではないかと思います。なので、子どもを学校に行かせる場合は、よっぽど情報を集めて、評判のよい学校に子どもを行かせるよう努めるのが、最低限の親の義務ではないかと思います。
私は、親が子どもを教育するホームスクーリングをお勧めします。もし親が子どもの教育をするならば、少なくとも学校というしがらみの中に子どもを送り出す心配はありません。自分たちでふさわしい教材を見つけ、自分たちのペースで独自のカリキュラムを組んで教育することができるからです。ホームスクーリングは、日本ではまだまだ少数派ですが、特にクリスチャンの間で実践する家族が増えてきており、法整備も進んできております。
もし、親が子どもを教育するホームスクーリングが負担であるのなら、信頼できるチャーチスクールに子どもを送ることをお勧めします。特に「あなたは神さまに造られた高価で尊い存在である」ことを理念とする、進化論ではなく聖書を土台として教育するチャーチスクールをお勧めします。
実は、私の家族はホームスクーリングです。娘は小学校就学前からホームスクーリングで学んでいます。きっかけは、チア・にっぽん(URL http://www.cheajapan.com/)という日本でチャーチ&ホームスクーリングを推進する団体のことを知ったからですが、私の場合、ホームスクーリングに踏み出す大きなきっかけは、やはり「学校に娘を送り出すことへの漠然とした不安」でした。妻はまた別の理由でホームスクーリングを選びましたが。
ホームスクーリングのメリットは、少なくとも親の目の届くところに子どもがいるので、いじめとか学級崩壊とか、学校で起きている様々な問題とは無縁の世界で教育ができるということです。また、教科をまんべんなく教える教育でなく、聖書を土台にその子どもに合った、一番の強みを生かした教育を選べ、実践できるということです。それは、聖書を土台として教育するチャーチスクールにも言えることでしょう。
また、たとい学校に行けなくても、今ではネットで勉強することもできますし、フリースクールや通信制の学校もあります。教育手段は、学校教育のみではなくなってきているのです。ですから、自分の子どもの状況に一番合った教育手段を見つけて、実践されることをお勧めします。
最後に、いじめを受けやすいタイプの子ども、大人にアドバイスします。これは、まさに自分自身のことでもあります。
協調性があまりない、集団からひとりポツンと離れている、浮いているという子ども、大人がいるとします。そういう子どもや大人は、学校、職場という集団の中でいじめを受けやすいかもしれません。しかし、集団という枠組みでは発揮されないけれども、別のすぐれた才能をもっているかもしれません。
私もまた、集団向きの人間でないことが、後で分かりました。なので、チームで何か取り組むというプロジェクトに参加するよりは、一人で完結できる仕事、すなわちライターという仕事を今、しています。
あなたも、あなたの子どもも、もしかしたら、野球やサッカーなどのチーム競技には向いていないかもしれません。けれども、陸上競技や水泳、柔道や空手など、個人競技には向いているかもしれません。その特性、才能を小さい頃に見極めて、その得意分野をぜひ伸ばしていってほしいと思います。
それから、もしあなたが英語や他国語を話せるのなら、あるいは今、子どもに英語教育を施しておられるのなら、別に国内だけに目を向ける必要はありません。あなたの可能性は世界へと広がっています。もしかしたら、あなたやあなたの子どもは、日本ではいじめの対象だったのが、海外ではかけがえのない友人として迎え入れられるかもしれないのです。日本にいた時はいじめられっ子だったけれど、海外に行ったら、いっぱい友だちができたという人を、私は何人も知っています。私の場合も、特に韓国人に相性が良かったようで、「兄貴(ヒョン)、弟(トンセン)」と呼び合える韓国人の親友ももっています。だから、日本国内だけで友だちを捜すのでなく、もっと世界に目を向けて、真の友だちを見つけていきましょう。
続く(13頁中/12-13頁へ)
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