【ベーグルパン】

【ベーグルパン】

朝、寒いキッチンで蒸し器の湯気が昇る
ココアの混ざったホット豆乳の香りが
電子レンジから香り注いでくる。
息子がストーブにかじりつき、
聖書を読み始めると、
その朗読の節々でパパが「エーメン」と
呟き頷く
主よ　感謝しますと祈りをこめて・・・

ベークルパンと豆乳がテーブルに並ぶ
次女が目を擦り擦り、朝の文句をブツブツと
唱え椅子に腰を下ろす、
息子は、二つのコップに手をあてて、
どちらが暖かいかと好みの様子を探っている。
そして
マッタリ　ゆったりと子供たちの朝食が始まる。

気がつけば　八時十分前　！！
息子は、パパに車で学校まで送れと
せがんでくる。
パパは、
「おいおい」
「年内、登校最終日だ　ゾ」と
たしなめるが、やっぱり息子の説得に負けて
結局、次女を学校に送り出してから息子を車で
送った。

息子を車に乗せると息子が「アッ　シマッタ」と
わざとらしく呟いた。
パパは、思わずトッサに
「どうしたの」と聞いてしまった。
（パブロフの法則か！　ワン！）

昨日、遊んだ公園にジャンバーを忘れたと
言い出す息子に、少し遠回りして公園にジャンバーを
取りに行く。
すると、
次女が、まだその公園では、ウロウロと
ワンチャンとお散歩を楽しんでいた。
パパは驚き、遠くでワンチャンとたわむれる次女に
大声で怒鳴った。
「早く走ってバス停に行かないと学校のバスに
乗り遅れる　ょ」と
すると次女がパパに怒鳴り返してくる。
「うるしゃ～～い」
「わかってるぅ～～～」と
それでも素直に、
走り出す娘を確認して息子の学校へと向かう。
もう、通学生は、いない
息子は、慌てて車を下りて校庭へと走りこんで行く。
これでＯＫ　とパパは、ふぅぅぅ　と
溜め息をつく・・・
帰りに、次女の学校のバス停を確認すると
娘もバスに乗れたようである。
娘のお友達のお父さんが自転車から会釈（えしゃく）
して下さった。
自宅に着き、車を下りようとすると！
おや　おや　おや　おや
大きい手さげ袋が一枚、空の袋が置いてある。
そう　これはきっと息子の忘れ物
今日の学校からの持ち帰り品を入れる為に用意して
学校へ持って行こうとしていたものだろう！
まったく　まったく　更にまったく
誰に似たのやら・・・
やれ　やれ



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