伊藤 克浩(べるお/Beruo)の「折れない心」ブログ

理学療法士伊藤克浩(べるお/Beruo)のサッカーとフットサル、そして理学療法に関するブログ。

週末のこと

2012年02月12日 | Weblog
 今週末、土曜日は池袋帝京平成大学で (社)日本ボバース研究会関東甲信越神ブロック合同研修会に参加しました。

 最初に札幌医科大の松山清治先生の特別講演「網様体脊髄路系ーその機能と構造ー」を拝聴させて頂きました。先生は高草木薫先生と共に森茂美先生の教え子で除脳ネコを筆頭とした橋・脳幹・網様体・脊髄研究の世界的大家であり、我々の神経生理学理論を支えて下さる学者でもあります。

 講義のエッセンスとして・・橋がpAPA(フィードフォーワード制御の先行随伴性姿勢調整)に関係,そして延髄がaAPA(フィードバック制御の動き出してからのダイナミックな姿勢制御)に・・、そして6野からの入力はpAPAに・・、4野からの入力はaAPAに関わると言われていました。すなわち運動のプログラミングによって姿勢の準備が作られ、動き始めたら四肢(肩甲帯含む)がフィードバック情報にも基づいて姿勢制御が行われ続けるという事ですね。

 網様体-網様体路の話など本や論文に書かれていない話も聞くことが出来てとても勉強になりました。

 そして特別講演の後、ボバース研究会会員が症例報告を行いました。松山先生から発表に対してコメントを頂いたのですが、その中にもエッセンスが・・。症例は橋出血の症例でした。「肩甲帯、股関節が活動しにくいのは橋の中でも背外側経路に近い損傷部位なので皮質脊髄路の影響が大きいのではないでしょうか?エアロバイクをこいでいる映像ではCPGが良く機能しているように見えたので延髄・脊髄系の機能は良く保たれていると思います。立位等で随意的な要素が増えると問題が増強していましたので橋の中でも外側経路の問題が大きいのではないでしょうか・・。」

 この様な考察を研究者の方にして頂けるのは素晴らしい事ですね。どうやら猫やウサギと違って二足動物のヒト科の動物は中枢部の制御にも皮質脊髄路が関わっているという考えを持たれているようでした。

 そう考えると、片麻痺の犬・猫を町で見ない事の理由が・・

 我々の概念の特長でもある皮質下・脊髄を考えるといった橋・延髄・脊髄機能の捉え方について、高草木先生に継いで新しい味方を得た感触を感じました。

 懇親会ではウサギのCPGと系統発達の話で松山先生と盛り上がりました。

 翌日日曜日は群馬大学医学部付属病院で群馬県理学療法士会学術研修会で講演させて頂きました。5時間の講演、実技提示を終わり帰宅。
 明日からまた臨床です。出産時に脳出血になられた若い女性を新しく担当します。気を引き締めてあたります。
 そして来週は金曜まで仕事して夕方都内へ、土曜の朝の便で宮崎に向かいます。
 (社)日本ボバース研究会九州ブロックでお話させていただきます。

 所轄と会議室を行き来するのは大変ですけど頑張ります。

 事件は会議室でも現場でも起こっているのが今の理学療法士の実情ですから…

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