弁護女子。~越谷の女性弁護士の日々~

越谷市の弁護士(離婚・親権・面会交流・養育費・財産分与・不貞問題等を主に扱っております)の生井澤葵の日々を綴ります。

解釈次第では今とあまり変わらない?共同親権。

2024-08-11 | 弁護士のお仕事(V版)。

2026年に共同親権が入ってきます

もう法律がそう変わることになったので、

それを前提に話します。

 

私自身、まだ日本の共同親権がどのようなものが分かっていません。

ですので、

この記事に誤りがあれば、

随時直しますので、ご容赦ください。

さて、

???ばかりの共同親権ですので、

真面目な弁護士である私は、

2024年8月の「家庭の法と裁判」で共同親権についての、

解説記事を見つけて、それを読んで勉強しておりました。

そして、

ふと、思った。

 

 

「当初、私は、共同親権が採用されることで、

離婚事件を扱う私のような弁護士に激震が走るのでは!?

と思っていたのですが、

もしや、今と大して変わらない可能性もあるのでは

法律の改正によって、

まず、協議離婚(日本は9割がこちら)、

つまり夫婦の話合いだけで離婚するときに、

夫婦間で、単独親権か共同親権かを選択することができるようになります

 

これは、つまり、

話合いでご夫婦ごとに好きに決めていただくということで、

メニューの1つとして、

共同親権が加わるのは、

選択肢が増えていいことだと思います。

逆に、これまでは、離婚したとしても、

子育ては父・母で協力していきたいね!というご夫婦がいたとしても、

親権者はどちらか一方にしなければならず、

ニーズに合うメニューがなかったわけです

 

夫婦が共同親権を望むなら、それでいいじゃん そのとおり。

こういう場合には、弁護士も、裁判所も必要ありません。

 

弁護士や裁判所が出て来るのは、

夫婦の意見が合わなかったときです。

つまり、単独親権か、共同親権か、意見が割れているということです。

(単独親権をどちらが持つかで意見が割れている可能性もありますが・割愛)

 

この場合、

裁判所が単独親権か共同親権かを決めます

で、裁判所が単独親権にするときの要件がこちら ↓ ↓ ↓


 

改正後819条7項

次の各号のいずれかに該当するときその他の父母の双方を親権者と定めることにより
子の利益を害すると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。 


一 父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき。 

二 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす
言動(次項において「暴力等」という。)を受けるおそれの有無、第一項、第三項
又は第四項の協議が調わない理由その他の事情を考慮して、父母が共同して親権を
行うことが困難であると認められるとき。 


 

単独親権等の協議が調わない理由 

その他の事情

を考慮して、共同親権を行うことが困難であると認められる場合、単独親権

 

その他の事情・・・ってなんだか、曖昧で、はばが広そうだし・・・。

そもそも、

裁判所や弁護士が必要になるご夫婦って、

・・・そもそも共同親権を行うのが難しそう・・・だよね・・・???

 

そうなんです。

モメてないご夫婦はいいんです。

でも、

裁判所の判断を仰ぐ、

弁護士に依頼する、

このような状態のご夫婦って、

つまりはモメてるわけです。

 

そうなると、解釈次第では、

ほとんどが「共同親権を行うことが困難」にあたりますね!!!

とできてしまいそうです。

 

今後の裁判所の、さじ加減が、どきどき・・・としか言いようがありません。

加えて、第二関門があります。

 

無事に共同親権になったとしても、

その中身(親権を行使する対象)として、

単独でイケルものと、共同でイケルものの分類があります


 

改正後824条の2

親権は、父母が共同して行う。ただし、次に掲げるときは、その
一方が行う。 
一 その一方のみが親権者であるとき。 
二 他の一方が親権を行うことができないとき。 

三 子の利益のため急迫の事情があるとき。

父母は、その双方が親権者であるときであっても、前項本文の規定にかかわらず、
監護及び教育に関する日常の行為に係る親権の行使を単独ですることができる。 

3 特定の事項に係る親権の行使(第一項ただし書又は前項の規定により父母の一方が
単独で行うことができるものを除く。)について、父母間に協議が調わない場合であ
って、子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、父又は母の請求に
より、当該事項に係る親権の行使を父母の一方が単独ですることができる旨を定める
ことができる。 


上記のとおり、

急迫の事情があるとき

監護及び教育に関する日常の行為

裁判所が単独でOKとしたもの

の場合、単独でイケるということになります

 

ここでも、裁判所のさじ加減で、

単独でイケるものが広く考えられる・・・という運用になると、

共同親権であっても、

共同できるメニューが超・少ないということになり、

名ばかり共同親権になります

 

こうなってきますと、

今回決まった法改正というのは、

協議離婚のご夫婦で、

共同親権を希望する方たちのニーズに応えた点はGOODとして、

それ以外、

つまり、

私のような弁護士に持ち込まれる事案については、

これまでとあまり変わらないのでは???

 

という解釈もできるのではないでしょうか。

(当然、裁判所の判断を必要とするメニューは増えたと思いますが)

 

 

まだ施行されていない法律について、

あれこれ考えているだけの記事ですので、

誤りがあれば随時訂正いたします。

話半分でお読みいただければと思っております。

 

 

◆◆菅沼法律事務所◆◆

弁護士 生井澤 葵(埼玉弁護士会所属)
埼玉県越谷市越ヶ谷1丁目11番35号
         吾山ビルⅡ 4階
電話:048-969-3801
(お電話の際には「ブログを見た」と言っていただけますと、
 スムーズです)

◆プロフィール◆
埼玉県越谷市の弁護士
中央大学法科大学院兼任教員(「生活紛争と法」「法文書作成」「民事模擬裁判」担当)
JADP認定夫婦カウンセラー 


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