ぽよ熊さんのテレビ観戦記

活字好きはどうぞ!「昭和後期」(新命名)にTVと蜜月期を送った元女の子(笑)で、かつてのバブル世代が死語満載で送ります

たったひとつの恋 第9話

2006年12月11日 | たったひとつの恋
師走のこの時期、みんなそうだろうと思いますが、あたしも超忙しい。
かねて文句は多々あれど、このドラマ、乗りかかった船で最後まで見ましょう、と声をかけてくださる方々もいらっしゃり。
でも実は、今回どうしようもなければ、残念ですが、もうリタイアしようと思っていた。
で、今回のあたしの感想は・・・「いやあ、いいんじゃないでしょうか?」
まあ遅かりしといえども一応設定が変更されて、オチがどうなるか、最終回を見ようという気になった。

みなさんがどう感じられたかわからないけど、あたしにすると、やっと普通の感覚に近いところで、このドラマを見ることができた。
「ありそうな話」に少しは感じられた、というか。
”身分違い”で”力の足らない””はたちの恋”などというイマドキ、「なんですか、それ?」という当初の設定は、もっとさっさと捨て去るべきだったのだ。
だって、白血病を患ったヒロイン、車椅子の弟、経営難で自殺した父の工場を建て直す若い主人公、工場の金を持ち逃げする従業員、金策のため息子とその彼女を売る母親、娘のために興信所を使い運転手つきの車まで雇う大げさな父親・・・という舞台装置に、すっと入り込める日本の視聴者って、一体どのくらいいるのだろうか?

いわゆるドラマチックな展開が売りの韓流も大当たりしたし・・・などと当て込んだのかもしれないけど。
あたしは韓流って見ていないのでよくわからないけど、こうしたドラマに入れ込んでいるマダムたちが見ているのだって、「はたちの二人の拙い恋」の話じゃないんじゃ?
いくらなんでも、それで感情移入は難しいと思う。
登場人物がもう少し大人じゃないと。

この「たったひとつの恋」がどの層にターゲットを置いたのかわからないけど、全10話の中間あたりでもう、今回の第9話の状況設定――ナオもヒロトも23歳ぐらいで社会人一年生ぐらいに成長している――に、早々に換骨奪胎してしまえばよかったのだ。
破局から数年後、再会したナオとヒロトがかつての激しい恋にどう決着をつけるか、といった。
あのナオのフィアンセとやらも、不器用そうだけど、どこかで「大人の男」的な迫力も出せそうだし。
まあこうした三角関係バナシ自体、あまりによくある新味のないパターンではあるけど。
親の決めたいいなずけと、許されない恋の相手との間で立ち往生するなんて、江戸時代から持ってきたかと見まがうようなあらすじ(笑)。

でも少なくとも、脚本の北川悦吏子さんの持ち味の、凝ったセリフによる男女の掛け合いやすれ違い、といった場面は作れたのでは。
そうすれば、「こんな大人びたセリフ、二十歳そこそこの子に言えるはずがないじゃん」と、リアリティのなさに、あたしが毎回嘆息するようなこともなかったかも。

前回の第8話の感想で、北川さんの脚本については既にいろいろ文句を言った後なので、同じ話はもう繰り返さないけど。
このドラマにもう一つ問題があったとすれば、番組制作の責任者(プロデューサーとか?)が北川さんに遠慮しすぎたことでは。
あるいは、その責任者の判断力不足、見通しの甘さ。
今さら言っても仕方ないけど、第4話でいったん上がった視聴率が、第5話でまたがくんと落ち込んだ時に即、ストーリー変更の大ナタをふるうべきじゃなかったのかな。
こんな”身分違いで、至らない二十歳の恋”なんて設定では、どんなとんでもないことがいくら起きても、結局ワンパターンで、視聴者もいいかげんそのご都合主義に振り回されるのに飽きて、最後はどん詰まりになるのが見えなかったのだろうか。

ドラマの設定の話はもうこれくらいにして、今回冒頭の、ナオとヒロトの船上での別れのシーン。
亀梨和也くんの演技が、なかなかよかったんじゃない?
「お母さんのことを思って泣く。お兄さんのこと思って泣く。お父さんのことを思って泣く。オレには、そんなナオをどうすることもできないんだ」
と言うヒロトに、「大人だね。冷静だね」と返すナオ。
ここでナオを振り返って、「大人になれよ、冷静になれよ」と告げるヒロト。

この時のヒロトの口調は、ナオを責めるような激情的な調子でもなく、一方的に上から言い渡すような、逆に子供っぽい感じでもなく。
ナオに向かって微かにほほえんで、そこにはたぶんはなむけや励ましのつもり、そして彼女にあくまでやさしくあろうとする心配りがにじむ。
でも、その言葉を言い終わった時、どこか弱々しさが余韻として漂って。

うーん亀梨氏、こんな微妙な、繊細な表情が作れるんだ、と驚いた。
窮地に追い込まれた人間が、開き直って反撃するのでもなく、空威張りして意地を張ろうとするのでもない時に、顔に表れる微妙さと繊細さ。
なんとも言い難いその感じを、うまく醸し出すことに成功していた気がした。

さらにその後、「自分は母親と弟を捨てられない」と言った時の、一瞬ひきつったような表情にも、同様にこうした立場に立たされた人間の繊細さ微妙さがよく出ていた。
演出もつけられてはいたのだろうけど、亀梨本人による場面解釈が入っていたのは間違いないだろう。
そこまでヒロトの役柄に入り込み、この場面・状況での気持ちになりきっていたからこそ、できたのだろう。

この船上シーンでの彼の演技は、綾瀬はるかを完全に凌駕していたように思う。
綾瀬は必ずしも悪くなかったと思うけど、この亀梨の繊細さに比べたら、むしろ少し荒くて一本調子に見えてしまった。
ここでもし、綾瀬はるかではなく、こうした微妙で繊細な表情を作るのがずっとうまい長澤まさみが相手役だったら、どうだったろうと一瞬、思った。
そうは言ってもこの場面、あたしは感情移入をするには至らなかったんだけど、もしこれを長澤まさみがやっていたら、もしかしたらじーんと来るところまでいっていたかも、と。

あと、亀梨くんのこの微妙で繊細な表情作りを見て、これはキムタクの演技にはあまり見られないものかもしれない、とちょっと思った。
と言っても、あたしは木村拓哉の出演ドラマを逐一見ているファンではもちろんなく、たまたま目にした幾つかのドラマでの演技の印象をもとに言ってるだけだけど(亀梨くんについても同様)。
でもなぜか、二人の演技の比較に熱くなる人たちが一部にいて、その現象自体、かねがね興味深く思っている。
なんであれ、バッシングに躍起になる人たちの所作ってそれ自体、はたから見ると、けっこう面白い見世物だったりするし。

あたし自身は基本、華のある人は好き(本当に好みなのは、もっと渋い玄人タイプだけど)。
批評することも含めて、そういうスターを愛でたいと思っている普通の人たちの一人。
キムタクも亀梨和也も、カリスマだかオーラだか、人々がとにかく彼らを見ていたい、と願うような「それ」を持っているとしたら、すごいもんだと素直に感心する。
人気と実力の対比とか、その二つの関係自体に話を持っていくと、なかなか難しい問題になったりするけど。
たとえば、マリリン・モンローに演技力があったと思う人はそうはいないと思うけど、明らかに「それ」を持っていた彼女を忘れられない、忘れたことなどない人は、世界中にあまねくいるだろう。
(まあ、さすがにあたしたちの世代には、そういう人たちはもう少ないけど)。

ところで、今回の船上シーンでの演技であたしが言っているのは、亀梨くんの「表情」だということを付け加えておきたい。
一部上に書き出してある彼のセリフにもう一度目を通していただけばわかると思うけど、正直もうこのセリフには・・・嘆息しかない。
「XXのことを思って泣く」というワンパターン三連発、「大人だ」「冷静だ」をおうむ返しで繰り返すだけのこうしたセリフを聞いて、しらけたのは、あたしだけではないはず。
「まるで中学生」というセリフも二人のやり取りの中に出て来ていたけど、ほんとに中学生なみの内容。
二十歳とは思えない大人びたセリフを言わせると思ったら、今度はどうして、こんな中学生みたいなセリフを言わせるのか。
もういい加減セリフのことを言うのはやめようと思うけど、ほんとに、どうして今の二十歳の人たちの生の声を拾い出そうと努力しないのかな。

最後に、結婚式後のカフェの場面。
亀梨くんのメーク(してたよね?)は、またこれがデス・ノートに出たらそのままイケるんじゃないか、という類だった。
あれはどうなんでしょうね。
(あたし的には、デス・ノート風な役柄も、彼はしてみればいいんじゃないかと思うけど)。

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4 コメント

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気が付けば・・・終わる(笑) (アンナ)
2006-12-11 21:08:13
こんばんは~!

相変わらず面白い♪
いつも楽しみに読んでます。
けど・・・忙しいですよね~この時期。
更新するのが精一杯。

8話までで終わりで、9・10話はスペシャル版らしい。
。。。。な、わけないけど(笑)
8話までが「どうしようもなく20歳だった恋」
9・10話は・・・これから考えます(笑)
船上での弘人の表情は良かったね。
私も同じこと思いました。
さ~来週は最終回!
盛り上がってきたぞ!と思ったら、もう終わりな
そんなドラマ。
あぁ。
アンナさんへ (beginners)
2006-12-11 22:24:02
いらっしゃいませー、アンナさん。

>8話までで終わりで、9・10話はスペシャル版らしい。

いやー、これまたウケました。
(「8話までが『どうしようもなく20歳だった恋』」に引き続き)。
そうかー、今回と次回はスペシャル版だったのか。
とっても納得、です。

アンナさん、絶妙なコメントで何度も笑わせてくれて、サンキュ!

>さ~来週は最終回!
盛り上がってきたぞ!と思ったら、もう終わりな
そんなドラマ。

ほんとですねー。
もしかしたら、正月スペシャルで20年後の二人、とか日テレはやる予定でしょうか。
悪い冗談でした。
3年後 ()
2006-12-12 21:02:20
beginnersさん、こんばんは♪
そうそう!中盤で早く3年後にしちゃえば良かったんですよね。^^:
ハタチの時に幼すぎて別れしか選択できなかった二人が、少し大人になり再会し揺れる心…って方が個人的にはしっくりきます。
序盤のスローペースから一転、駆け足の展開に大人の事情を感じつつ(汗
最後まで付き合おうと思っております☆
もう最終回を綺麗に纏めて欲しいという、その一念のみです…。^^:
(あ、父は諸事情により視聴していません…。再放送で纏めて見るとのことです(笑)
翠さんへ (beginners)
2006-12-12 22:12:54
>もう最終回を綺麗に纏めて欲しいという、その一念のみです…。

最終回、どうなるんでしょうね。
幾つか予想を立てて、翠さんがうまくまとめていらっしゃいましたが。

うーん今回だけはちょっと楽しみですね。
でも、たくさんの方が予想している通り、単なる「卒業」の亜流だったら・・・(その可能性高し)。
まー北川ドラマは二度と見ないかな。

>あ、父は諸事情により視聴していません…。再放送で纏めて見るとのことです

そうですか。ブログの方でも、お答えいただいてありがとうございます。
再放送でわざわざ見るとは、お父さま、そこそこ興味を持ってらっしゃるんですね。
(翠さんと会話するためのネタがほしいからかも)

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