ぽよ熊さんのテレビ観戦記

活字好きはどうぞ!「昭和後期」(新命名)にTVと蜜月期を送った元女の子(笑)で、かつてのバブル世代が死語満載で送ります

華麗なる一族 第2話

2007年01月22日 | 華麗なる一族
予想通り、ドロドロしてきましたねー。
新たな1週間が始まる月曜を前に、明日への活力を養うどころか、どんよりクラーい気分にさせるのがこの番組だとしたら、日曜の夜にこれを見る選択って、一体?
日々勉励刻苦するしかないフツーの庶民にとってどうなんでしょう。
と、ちょっと思いました。

あんまりキムタクが破滅していく姿って見たくないなあ。なんとなく後味が悪い。
理想に燃える若い人が挫折するのって、本人にとっていい勉強になる程度ならいいけど、決定的打撃となるのはちょっと忍びないような。
温情主義かな?わが子を谷の底に突き落とす獅子にはなれそうもない。
若い人には基本、甘いもので(っていうのは真っ赤な嘘だったりもするけど)。

さて今回、鉄平が舵取りをする製鋼会社への融資減額を、阪神銀行頭取の父、大介が決定した。
ビジネスとして見た場合、この決断は正しいのか否か。
経営する銀行のためを思えば、わからなくもないようにも思える。
でも、グループ全体の中核的な位置づけにある企業の成長をくじくことになるわけで、財閥全体の存亡を考えれば、かなりクエスチョン・マーク。
銀行さえ残ればいい、ってもんでもないでしょう。

この判断の影響が、銀行経営の方にも波及してこないとは限らないわけで。
鉄平の会社の業績が悪化しているならまた話は違うけど、グループ内の身内の成長株に冷や飯を食わせるのは、理が通らない。
逆に、それほど阪神銀行の経営は苦しいのか、という憶測を生むことにもなりかねないし。
経営上層部で内紛が勃発していることを示唆してしまって、もし本当に食うか食われるかの戦いをしているとしたら、外部から付け入られる機会を与えかねない、と思うけど。

危機の時は、多少の相違を捨てて団結するのが一般的な慣わしであり。
鉄平への嫉妬または嫌がらせという個人的感情に流されて、冷静な判断ができないようでは、経営者として大介は失格かも。
鉄平の会社に満額融資することの方が、息子への援助に当たり、家族間の私情が入っている、と表向きの筋書きは言いたげだけどね。

「お父さんはぼくのことが嫌いなんですか」という鉄平の問いに対して、「いつもおまえのことを一番に考えているよ」と答えた大介。
実は鉄平の背後にどうしても浮かんでくる、自分の頭の中の父親を「いつも意識せざるを得ない」ということでもあって、この父親を思い出させずにはおかない鉄平に対しても、無意識のライバル意識、対抗意識がぬぐえない、ということを告白したのかもしれない。
原作を読んでいないあたしの新解釈としては、実は大介は父親への意趣返しとして、現在の財閥の骨格を形作ったその偉業を台無しにして、財閥そのものを解体、破壊したいのかもね。

だからオーナー一族による経営ってだめなんだ、かどうかは知らないけど。
もともと、「それ言ったらおしまいよ」じゃああるけど、この「華麗なる一族」という話、なんで創業者一族による家族経営を死守しなければいけないのか。
無理でしょう。資本主義が昂進していけば、より能力ある雇われ社長に任せて当然の話。
この流れでいけば、大介が「部外者」である切れ者の高須相子を、経営の一端に参画させていること自体は、別におかしな話ではない。

でもなぜかこの役どころを、「正妻」を凌駕する、大介の「愛人」にしちゃっている。
有能な高須相子がもっともその手腕を発揮するのは、政略結婚による閨閥作り、というわけ。
だからさー、第1話の感想でも言ったけど、このドラマって金融再編の話を、結局こうやって「王朝もの」もしくは「殿一大事!」のお家騒動の話にしちゃってるから。

ドラマ全体として最終的に言いたいのは、もしかしたら、こうした前時代的な家族経営ではだめだ、もしくはそんな会社はつぶれて当然、ということかもしれないけど。
日本企業のスケールが一気に飛躍していった1960年代の高度成長期、こんな家族間のごたごたに足を取られていたんじゃ、企業として後塵を拝することになってもしかたがない、と言いたいのか。
そしてこのドラマを今放送するのは、「失われた10年」の間に、かつてのオーナー経営の大企業(西武とか?)が失速、凋落していったことを、改めて「正しい出来事だった」と追認するようなことなのかもね。

ところで、減額融資を決めた大介の経営判断について、もう少し。
金融業界再編で、銀行間の合併話が浮上する折り。
下位銀行にあたる阪神銀行が有利な位置を占められるよう、「小が大を呑む」他行との合併をもくろむ、その中での判断としているようだけど。
でも、どうもこれを含め、「華麗なる一族」の話には、あまり論理的でない点が見られるような。

例えば大介が、他行に吸収合併されると、一族の家屋敷、資産の全てが失われる、と考えている節があること。
でも、創業者一族でありしかも経営者である以上、大介その他の経営に参画するファミリー・メンバーは、自社株を相当数保有していると考えられる。
合併によりそれらを売却する、ということになれば、資産を失うどころか、逆に売却益を手にすることになって、基本的にはもうかる。
経営権は失うけど、資産を別に失くしはしない。
もともと万俵財閥の会社が、上場か非上場かもはっきりしていないのが、話としては若干怪しいところ。

それから、他行と合併するからといって、別に即、乗っ取られるという訳ではないので。
普通は、成長性や資金の流動性その他、双方の資産・経営内容を鑑みて、合併比率が決まることになるのでは。
資金の流動性を確保する必要性を考えれば、この点、自分の手を縛るような巨額融資に踏み切らない方がいい(=鉄平の会社に融資しすぎない方がいい)けど、逆に手元に資金が潤沢に残っていれば、それが単純にいいわけでもない。
高炉建設により、鉄平の会社の業績が飛躍的に向上する見込みが高いなら、早晩元は取れるだけでなく、さらに融資して、共に成長していける可能性も高いわけだし。

もし合併先の株式を大量取得して、実質乗っ取りを図るため、手持ち資金を少しでも確保しておく、というのが大介の言う「小が大を呑む」ということだとすれば、その成功率にはかなり首を傾げざるを得ない。
当時の大蔵省は、かなり自由化してきた現在からは考えられないほど、銀行業界の徹底的なコントロールをしていたようだし。
なにしろ頭取決定に干渉したり、支店の新設や統廃合、増資の決定といったことまで関与していたという話もあるぐらいだから。
一下位銀行の思惑がそのまま通用するような時代ではなかったはずで、乗っ取りというのはかなり非現実的に聞こえる。
官庁主導の秩序を乱す不届き者、ということで、逆に大目玉を食らう可能性大だったのでは。
まあ、もともとこれは「お上に逆らう謀反」の話なんだとしたら、それでいいのかな。でも、お上の側も謀反を起こす側も、どっちもどっち、という気もするけどね。

ところで経営者としては、鉄平も当時の情勢に疎すぎる。
多くの会社が投資をするための資金を欲していた高度成長期。
いい投資先がなく、いわば金余りの現在とは逆(?)で、むしろ資金の激しい奪い合い、という様相もあったはず。
それなら元通産相の義父が言うとおり、「プライドより目的達成」ということで、とにかく資金確保に奔走しなければならない。
父親に「ぼくのことが嫌いなのか」などと聞いている時ではなく、そこには経営者としての甘さがあるような。

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10 コメント

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Unknown (レベル999)
2007-01-22 18:50:44
>「華麗なる一族」の話には、あまり論理的でない点が見られるような

このお話に論理的でない点がいろいろあるのは同意見です。

ただ、この原作の「元になった実話」がありますので
そう考えれば、
理不尽な人生があったんだ。。。
と、少しは納得できますよ。
レベル999さんへ (beginners)
2007-01-22 21:33:44
こんにちは!
コメントいただき、ありがとうございます。

>この原作の「元になった実話」がありますので
そう考えれば、
理不尽な人生があったんだ。。。
と、少しは納得できますよ。

そうかもしれませんね。原作を読んでいないし、実話もよく知らないので、なんとも言えませんが・・・。
ただ、実話をフィクション化する時、山崎豊子または今回のドラマの脚本家がどれだけ金融や経営に関する知識を持っていたのか、ちょっと疑問を感じたので。
よく彼女の小説は、「綿密で徹底的な取材に基づく」などと銘打って宣伝されていますけど。

ご存知だと思いますが、彼女の書いた「沈まぬ太陽」でしたか、事実と違う、主人公を理想化しすぎている、などと批判を浴びた例もありますし。

なので、実話と脚色したフィクションの間にあまり距離がないように思うのは、ちょっと危険かなと思っています。
ただ、第1話の感想でも書いたように、社会派エンターテイメントの書き手としては、山崎豊子が卓抜な腕を持っていたことは疑うべくもないですね。
よく売れましたし。
特殊な領域の話をわかりやすく面白く、時事的な知識をまぶしてうまく書いているなーという印象があります。
こんばんはです (ikasama4)
2007-01-22 21:49:06
>あんまりキムタクが破滅していく姿って見たくないなあ。なんとなく後味が悪い。
たしか「世にも奇妙な物語」や「空から降る一億の星」で
悲しい運命を辿る主人公を演じていましたが、なかなかでした。

こういうのもアリですかね。

今のとこ、万俵家を見ていると
地位や金で豊かになっていても
心が満たされるどころか
墜ちていく展開が見えるようですね。

そこに金融再編に政治と絡み合った渦に
否応なく巻き込まれていくのでしょうね。

まぁ経営者としての鉄平もたしかに甘いとこがありますね。

夢を持つ事も大事なことかもしれませんが
万が一の事を考えるのも経営者としては必要な要素なんでしょうけどね。

>どうもこれを含め、「華麗なる一族」の話には、あまり論理的でない点が見られるような。
そこに人間のエゴや欲望が垣間見えるのでしょうね。
疲労感に襲われる不思議なドラマ (めいほあ)
2007-01-23 02:02:47
ぽよ熊さん こんにちは。
日曜の夜に・・・私は二回目を見た後、どっかり疲れてしまいました。どうしてかは分からないんですけど(苦笑)こういう企業戦争もの大好きなんですが、微妙に脇が甘いという感じは否めません。出演者が豪華だから余計に気になるのかも
これが「昼ドラ」で企業よりも恋愛重視よ~~~と言う話だったら、あんまり気にならないと思うのですが。やるんだったら、ビシッとその辺もきちんと、嘘でも騙されるくらいのリアリティが欲しいです。勿体無いです。
ikasama4さんへ (beginners)
2007-01-23 16:59:42
ikasama4さん、いらっしゃいませ!

>たしか「世にも奇妙な物語」や「空から降る一億の星」で
悲しい運命を辿る主人公を演じていましたが、なかなかでした。

そうなんですか。見ていませんでした(見てないものが多すぎる!)。
キムタクについては、ただなんとなく、彼自身の芸能界でのポジションも、今後だんだんと変わっていくのかなー、と勝手に思いながら見ている部分もあり。ちょっと重ねてしまっているのかもしれません。
誰しも絶頂に立ったら、いつかは落ちるしかないわけですから。
でも絶頂にいた人がその地位を失っていくのを見るのはなんとなくもの悲しいので、自分的にはうまいこと軟着陸してほしいと思っています。
どうこういってもキムタクは、彼より上の私たち世代を含めて、男ではここ何十年と出なかったほんとの「スター」だと思うので。

>そこに人間のエゴや欲望が垣間見えるのでしょうね。

教科書通りにいかないのが面白いところですね。
でも山崎豊子は若干誇張して、戯画化して描いているので、あまりリアルに感じずに視聴者が見ることができる点もあるのかもしれません。
それにしても、なにか不思議な魅力を持ったドラマだとは思います。
圧倒させるような迫力はありますね。なんなんでしょう・・・。音楽のせいもあるかもしれません。
めいほあさんへ (beginners)
2007-01-23 17:42:38
こんにちは、めいほあさん!

>日曜の夜に・・・私は二回目を見た後、どっかり疲れてしまいました。どうしてかは分からないんですけど(苦笑)

いやー濃いですよね、このドラマ。設定もキャストもセットも音楽も。
いわゆる「こてこて」「てんこ盛り」の世界ですわ(笑)。
山崎豊子も大阪出身のようだし、なんか昔の大阪の商家の内部でありそうなごたごた、ドロドロの世界を一気に日本経済全体のレベルまでバージョン・アップした感じもあり。
でも、日本の有名企業ってけっこう大阪が発祥地だったりするから、やっぱり日本の資本主義のもとってこんなところがあるんでしょうか。

・・・ちなみに、私はあまり疲れていません。大阪のおばちゃんたちに実は近い精神構造だからなのかも・・・。

>こういう企業戦争もの大好きなんですが、微妙に脇が甘いという感じは否めません。
>これが「昼ドラ」で企業よりも恋愛重視よ~~~と言う話だったら、あんまり気にならないと思うのですが。やるんだったら、ビシッとその辺もきちんと、嘘でも騙されるくらいのリアリティが欲しいです。勿体無いです。

そうですね。たぶん知識のある人が見たら「うーん・・・」と思うような箇所もけっこうあるんじゃないかと思います。
この話自体はリアリズムなんだけど、かなり芝居がかったリアリズムという感じがします。

「嘘でも騙されるくらいのリアリティ」--もっとリアルなものにしたら、興行的にはここまで受けないこともあり、「この程度でいいや」的にちょっと愚弄した感がなきにしもあらず(?)。
まあ楽しめないわけではないので、エンタメとしてはこういう作りで必ずしも悪くないんでしょうが。

でも、高度成長期が遠くなってしまった今だからこそ、シビアに語れる逸話とか裏側とかがあるのだったら、確かに私もそういうものを見てみたいです。
TBサンキュー (スナッチャー)
2007-01-23 19:19:08
管理人様
TBありがとうございます。
大変興味深く拝読させていただきました。
小説は、大介が主人公とか?
ドラマの終焉はどうするつもりでしょう・・・
今から心配してどうするのキムタクふぁんです。



ところで、
>かつてのオーナー経営の大企業
>(西武とか?)が失速
あ~~まさに!
20年前?西武の堤オーナーが今のようになるなんて
誰も予想できませんでした。
堤さんのところも、先代の康次郎さんでしたかの
女性関係はもの凄いの(実録小説よみましたけど、
兄弟全部とまでは、大げさですが
「皆母親が違うの」

・・・ドラマに関係ない書き込みを失礼しました。
何だかんだいって、3回が楽しみです。
はじめまして ()
2007-01-23 21:15:05
コメント、ありがとうございました。

実は、大介の選択は自分の父親の子かもしれない鉄平に対する嫌がらせなのか、それとも企業家として正しい選択だったのかっていうのは、気になってたんですよ。

ぽよ熊さんの記事、単なるあらすじや感想ではなく、視点が新鮮で興味深く読ませていただきました。
また、お邪魔させていただきます。

こちらからもトラックバックさせていただきました。
スナッチャーさんへ (beginners)
2007-01-23 23:45:46
はじめまして!
コメントありがとうございます。

スナフキン・・・懐かしいですねー。
子供の頃、アニメのスナフキンの声に惚れてました。
「ムーミン」の放送が終わった時、マジで悲しかったです・・・。
と、こちらもついついドラマと関係ない話をしてしまいがちですので、全然オーケーです。(特に昔話は大歓迎!)。

>あ~~まさに!
20年前?西武の堤オーナーが今のようになるなんて
誰も予想できませんでした。

よくぞ突っ込んでくださいました!
そうなんですよー、おったまげましたね。
猪瀬直樹の「ミカドの肖像」で、あんなに持ち上げられていたのにね。
軽薄短小の80年代を象徴していた西武(まっ、どちらかというとセゾンの方がそうですけど。でも百貨店の方もいろいろ身売りしちゃったようだし)。
昔の光、いまいずこ・・・とは、このことでしょうか。
歴史というのがどういうものだか、最近ようやく理解してきたような気がします。

>堤さんのところも、先代の康次郎さんでしたかの
女性関係はもの凄いの(実録小説よみましたけど、
兄弟全部とまでは、大げさですが
「皆母親が違うの」

あらーそうなんですか。
まー生臭っ。どろどろ・・・。
このドラマを見てて思ったんですけど、やっぱ金銭欲と性欲、権勢欲ってなんとなくつながってるんでしょうか。
これって「王朝復古欲」とも命名できるかも。
閨閥作りが何より大切だった平安時代のああいう体制って、人間の欲望をけっこうストレートに表現していたのかな。
栞さんへ (beginners)
2007-01-24 00:00:04
栞さん、こんにちは!
コメントしていただいて、こちらこそありがとうございます。

>実は、大介の選択は自分の父親の子かもしれない鉄平に対する嫌がらせなのか、それとも企業家として正しい選択だったのかっていうのは、気になってたんですよ。

そうですねー、なんとなく思ったことを書いてみたんですけど、私には企業経営の経験はないので(笑)、実際のところはよくわかりません。
なので反論もお待ちしています。

でも、今問題になっている不二家も、創業者一族によるオーナー経営らしいです。
たまたまかもしれませんが。

現実的な計算と個人的感情を切り離すのは、やっぱりオーナー経営者よりサラリーマン社長の方が、楽なんじゃないかと思ったりします。
オーナーってどうも、会社を私物のように思っちゃうところが抜けないような・・・。
でも株式会社であれば、原理的にはやっぱり会社は株主さまのもののはずでしょうし。

またどうぞ遊びにおいでくださいね。

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