白山は、石川県民にとって心の支えともいうべき山である。野鳥をブログに載せる小生にとっても、マガンやコハクチョウ、ヒシクイなど、石川を代表する冬鳥の写真を、白山を背景に撮りたいという願望がある。
コハクチョウは、加賀市、柴山潟周辺を餌場とするので、今まで、白山を背景に飛んでいる姿を、何枚か撮ったことがあるが、マガンやヒシクイの主な餌場は、福井県坂井市や能登北部などであり、なかなか白山を背景にすることができなかった。
今年の大雪は、富山、福井が中心で、石川は降雪帯の隙間となったため、それなりの降雪量があったが、隣の両県より相対的に少なく、マガンやヒシクイも、石川に留まり、柴山潟周辺を餌場とし、コハクチョウと餌場を共有したことがあった。
19日、下見に出かけたところ、片山津温泉近くの田に、1000羽近いマガンが多くのコハクチョウと共にいることを確認したが、天気が悪く、マガンの写真は撮れたが、白山の影は、見られなかった。

雪原のマガンとコハクチョウ


曇り空を飛ぶマガン
雪原には糞が落ちていた。マガンの糞かコハクチョウの糞か分からないので、ネットで調べたところ、大きさから見て、マガンの糞と思われるが自信はない。

マガンの糞?
20日は、朝方、小雪がちらついたが、10時頃より晴れ上がった。チャンス到来とばかり、早めの昼食を摂り、撮影に出かけた。昨日の場所に着くと、マガンはいなかったが、コハクチョウの奥に、やや大きな黒い鳥影が見えた。ヒシクイだと思い、急いで近づいて、白山を背景に、10羽くらいの写真を撮った。何とか、雪山を背景に飛んでいる写真を撮ったが、白山を背景にはできなかった。

白山を背景にヒシクイ

雪原のヒシクイ

雪山を背景に飛ぶヒシクイ
周辺を探していた時、動橋の北陸新幹線延伸工事をしている田の中で、コハクチョウの群れを見つけた。よく見ると黒い鳥影が見えた。マガンだと思って近づくと、700~800羽くらいのマガンの群れが、コハクチョウの二つの群の間に挟まれて、餌を食べていた。

建設中の北陸新幹線
白山を背景にマガン、コハクチョウ
マガンやヒシクイは、コハクチョウより警戒心が強く、人が近づくと、飛び立つことが多い。幸運にも、両側のコハクチョウが、あまり騒がないので、マガンも飛び立たず、ゆっくり観察できた。



雪の解け始めた田で餌を摂るマガン
そのうち、何かの拍子に、コハクチョウが飛び立った。その時、驚いたマガンも一斉に飛び立ち、白山を背景に旋回した。こうして念願の白山を背景に飛ぶマガンの写真が撮れた。













鳥影は、だんだん高くなり、白山の上の角度まで上昇した。そのうち、群れは、リーダーに従って遠くに飛び去り、圧巻のショーは終わった。バードウオッチングの経験の中でも、大きな感動を得た時間であった。