昨日からの雨混じりの強い南風と気温上昇により加賀の桜は殆ど散ってしまった。今朝は路上に落ちた花弁が梅雨時のような生温かい雨に打たれているが、幸いにも、河北潟の桜、さらに南加賀、福井県竹田、勝山、石川に戻って白峰の桜を見ることができていた。
河北潟は干拓により造成した田園の中に水路や潟が残り、稲作、畑作だけでなく、ハスの栽培や放牧なども盛んであり種々の野鳥が集まるのにいい環境である。潟の周回路は内灘、金沢、津幡にまたがり、母を思う娘の発案で延長約9㎞の堤に20年ほど前から約1,400本の桜が植えられて母恋街道と呼ばれ、この時期の桜のトンネルは見事である。

母恋街道の桜並木
3日に訪れると、桜だけでなく堤のヒメオドリコソウも満開でありツマキチョウが早くも現れ、ヒオドシチョウも占有権を主張していた。

ヒメオドリコソウ


ツマキチョウ(メス)

ツマキチョウ(オス)

切株で休むヒオドシチョウ
水上ではミサゴが捕えた獲物を掴んで食事場所を探していた。

捕えた獲物を掴んで飛ぶミサゴ
きれいな空気の下昼食をとり、ハス田に向かうとすぐに大きな鳥が目に入った。去年鳥友さんに見分け方を教えていただいたホウロクシギである。



ハス田に渡来したホウロクシギ
1年前の記述と変わり映えしないが、今年の姿を載せることにした。
田にはコチドリも訪れ、これからシギやチドリが本格的に訪れることと思う。


ハス田のコチドリ
4日には、自宅から山中温泉を経て九谷ダムに行ってみた。ダム湖畔からは桜の後ろに深田久弥さんが愛した富士写ヶ岳が良く見え感慨を新たにした。

九谷ダムの桜と富士写ヶ岳
桜の下ではギフチョウが飛び、辺りにはキクザキイチゲが咲いていた。



キクザキイチゲ
よく見ると花の形、花弁の枚数など変化があり、すべてキクザキイチゲであるかどうかは自信がない。


色や花弁の数、形などが異なるキクザキイチゲ
野生のワスレナグサ、谷川にはワサビの花も咲も初夏近しの感であった。

ワスレナグサ

底の見える澄んだ水とワサビの花
国道に戻り福井県竹田の枝垂れ桜を見に立ち寄った。ここの桜は若いがなかなか見事であった。

竹田の枝垂れ桜
川辺には福井県を代表する水仙が咲いており少し旅情を感じた。

川辺の水仙
勝山で美味しいジャージ牛乳のソフトクリームを食べ、国道157号線で石川に戻った。途中の谷峠や白峰付近には未だ雪があり、雪が解けた所ではフキノトウが顔を出していた。

谷峠付近の残雪
濁澄橋近くは、例年ウスバシロチョウを観察する場所である。キケマンが咲く頃に現れるが、未だキケマンの花は少なく出現はまだ先だと思われた。

咲き始めたキケマン
その代わりに、未だカタクリが残りニリンソウが咲き始めていた。

土手のカタクリ

土手で咲き始めたニリンソウ
自分の好きな風景である川原山地区の写真を撮って家に帰ると近くの森にミヤマセセリが出現し忙しく飛び回っていた。

川原山地区の遠景

川原山地区の桜の遠望

自宅近くでミヤマセセリ
これから初夏への変化も楽しみである。