大好物！ 神田まつやの山かけそば！

ちょいと前のことなんだけど、
仕事で神田司町に出向きましてね。
人形町から車ん乗って出かけたんだが、
仕事終えたら、丁度お昼時だ。

代理店の営業さんが、そのまま車で送って、
東京駅で落としてくれるってんだが、
なんだね、東京駅なんざで降りたって、
大して食いたいものもないし、
そんなら須田町あたりで落としてもらおう、
あの辺なら食味新道つって、
馴染みの店もあるからってことでさ、
さっさと車を降りたわけよ。

で、食味新道だなんだって言っても、
結局行くのはこの店。



蕎麦っ喰いの聖地、神田まつや。

俺なんか、昔、この辺で働いてたときなんて、昼は毎日まつやだ。
ざる蕎麦とごま蕎麦を、毎日テレコで食べてたな。
ああ、あの頃は体重も50キロ台だったね。え？聞いてねぇって？（笑）

で、とりあえずこの日ぁ、並んでる様子もないんで、
そのまんま中に入って、帳場の前のテーブルに陣取った。
実はもう、何を食べるかは決まってんだ。

『山かけ。冷たいの』

いやぁ、俺はこいつが好物でね。
今から20年以上前かなぁ、
最初にこれ頼んで出てきたときにゃぁ、
あまりの美しさに惚れ惚れしたもんだ。



普通、他の店で山かけ蕎麦なんて頼んだら、
蕎麦汁の中に申し訳程度にとろろ芋が載ってるん。
それがどうだぃ。この山かけの清々しいことは。

まるで一面の雪原のような静けさを感じねぇか。
たっぷりの山芋と、卵黄とまつやのからくちの汁が、
蕎麦にからんで・・・



薬味は葱と山葵。



こらぁコタエラレナイ。



まつやの蕎麦の風味ってのは、こういうのに負けないとこが
好きなんだ。いやぁ旨い。

ま、神田に行ったら、まずまつや。

言うことなしだ。

帳場のご主人もお変わりなく。
お元気そうで、何よりです。


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