ムンカミ日記byコオル兄ィⅢ

ムンカミ(=物噛み)とは奄美地方の古い方言で「物を噛む」=「食べる」という所から転じて「生活」という意味を持つ。

即興

2005年05月21日 | 奄美シマ唄/三味線
先日、島唄の稽古で「黒だんど節」を唄っているときの事。私に順番が回ってきたので唄遊び用の歌詞で唄ってみた。

 ♪刀自や要りゃんど 三味線弾きゅん人や
  刀自なりゅり 三味線ぬ女弦ぬ
  
 ■訳:三味線弾きに女房は要らない。
    三味線の女弦が女房なのだ。

すると師匠がウケた。
「面白い歌詞ね~、私たちもこうやって歌詞を作らなきゃね」と言い
何やら急にアドリブで歌い出した。

 ♪愛しゃ友人んきゃ シマなてシマ唄 寄りゃとて遊びば
  唄ぐゎ出じゃすぃ 三味線ぐゎや出じたすか

 ■訳:集落に集まってシマ唄(を唄って)遊べば (シマ唄)仲間たちが愛おしい
    さあ唄いましょう 三味線(の音が)が出ましたよ

アカペラで唄う師匠のシマ唄はとても味があり、シマで生まれ育った訳ではない私でも何か「懐かしさ」を感じてしまう。
こんなに良い歌詞をスラスラと作ってしまうとは、さすがに真の唄者。昔、唄遊びの場で鍛えた強者である。
最近は声が良いだけの唄い手も「唄者」などと言わてしまう時代。真の唄者は師匠・朝崎のように唄が上手いのは勿論、歌詞をたくさん知っていて、その上即興でも作れてしまう人であって欲しい。


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