蝉の採集

　蝉の命はわずか1週間、長くても3週間という。「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」という芭蕉の句の通りである。成虫となる前に幼虫という時代があって、土のなかに10数年いて蛹となる。蛹は土から出ると木の幹に登り、背中から割れて皮を脱ぎ、羽化して蝉になるという。
　平凡社の俳句歳時記を図書館で借りてきた。蝉の句がたくさんのせてあった。分かりやすい句を拾ってみた。誰が作ったかは大事じゃないので作者名は省いた。

　○　閑さや岩にしみ入る蝉の声
　○　頓て死ぬけしきは見えず蝉の声
　○　山蝉のたもとの下を通りけり
　○　蝉鳴くや行水時の豆腐売
　○　露の幹静かに蝉の歩き居り
　○　子を殴ちしながき一瞬天の蝉