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レスリングがオリンピック種目から除外される? また日本苛め?

2013-03-02 18:49:29 | 世界の中の日本

レスリングがオリンピックの除外種目候補に
 レスリング競技が2020年の夏期オリンピックからの除外候補になったというニュースに“また日本苛め”かとの懸念が話題になる。これまでもスキーのジャンプ、ノルディック複合など日本の金メダルが増えてくると、日本チームに不利になるようにルールが改正されることが度々あっただけに、そう思うのも無理はない。テコンドーや近代五種などが除外種目の有力な候補と予想されていたが、突如降って湧いたようなレスリング廃止である。しかもその基準・理由さえ明確に示されていないという。日本女子レスリングの活躍がそれほど目覚ましかったからなどの憶測も飛び交う。  

日本レスリング協会の弱腰対応に疑問
 この問題にからみ、日本レスリング協会は26日、存続を目指して始めたばかりの署名活動を有志による団体「レスリングを五輪競技に復帰させる会」に引き継ぐ、と発表した。
 国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会が2020年夏季五輪招致調査で来日するのを控え、IOCを刺激しないように配慮したということだが、そんな弱腰で良いのかなとの疑問が残る。福田会長は「自然の盛り上がりを大事にしていきたい。協会が主導して、IOCの決定に不満があるようなイメージは良くない」と説明しているらしいが、不満どころか除外の理由すら納得できていないのだから、説明を求めるのも当然である。金メダルを目指して練習に励んでいる選手の為にも毅然たる態度が望まれる。日本一国で解決できる問題ではないが、日本は除外で大きく影響を受ける。しかるべき主張をして当然である。発言しない国が主導権をとれる訳がない。

レスリング除外を日本は容認           との誤解を招くのでは
 第一、IOCの評価委員会が見て、協会が主導するのと、有志による団体が主導するのとどこが違うのか、理解できるのかすら疑問である。下手をすると、日本のレスリング協会はレスリングの除外を容認していると受け取られかねない不安さえある。
 日本オリンピック委員会もオリンピック誘致の妨げになるとしてレスリング除外に関与しない方針のようだが、IOCの評価委員会が帰国して、レスリングの除外について日本からは正式には何の抗議もなかったと報告されても仕方がない。第一、レスリング除外の抗議をしなかったからといって印象が良くなるとも思えないし、抗議をしたからといって心証が悪くなるようなモノとも思えない。東京誘致はそんな単純なものではない。

事なかれ主義のスポーツ外交?が問題
  今回の一連の対応はこれまでの日本外交の基本姿勢そのままであるような気がする。帰国子女が自己主張しすぎると敬遠される国民性もあるだろうが、相手の感情を尊重するあまりに主張は控えめにというのがこれまでの日本外交の基本であったようだ。口に出さねど互いに察しあうことを基本になり立っている対話法は日本以外では通用しないのは今や周知の事実であるが、国民性のなせる業か習性か、いずれにしても簡単には直らないようだ。
 政治やビジネスの世界では事なかれ主義外交には限界があり、やむをえず変化していっているが、スポーツの世界では自己主張を控えることが他の国に比べて多いような気がする。

スポーツは健康や遊び、余暇の善用との         認識に甘える役員
 それはスポーツは健康や、遊びのためであったり、せいぜい自己錬成や余暇の善用であり、いわば本業に対する余技の分野と捉える日本人の共通認識が前提にあり、その延長線上にある、オリンピックや世界大会も国民意識や国威の向上に役立つとの意識はあっても、所詮遊びの世界であり、それに血眼になるのは大人げないというような気持ちがあるのだろうとは思う。またフェアプレイなどいうことを意識することもあって、自分に有利なことを主張することには躊躇してまうところがあるかとも思う。とは言うものの、オリンピック委員会を筆頭に、スポーツ団体の役員方はそんな共通認識に甘え、自らの責務を果たしていないのではないかと思う。

国際親善も、日本の不利益回避も役員の役割
  オリンピックや国際大会での日本の勝利が日本国民の志気や愛国心を高めるのに大きく役だっていることは女子サッカーのなでしこの活躍に見るごとく歴然たる事実であり、そのために多額の国費も費やされている。スポーツ団体の役員は当該種目の競技力の強化向上に努めるのは当然であるが、国際的な大会でスポーツを通じて親好を深め、日本ファンを増やすのも重要な役割である。役割はそれだけではない。日本ティームが不利な扱いを受けることのないように努めるのも重要な役割である。

内弁慶では済まぬスポーツ団体役員
 これまでの状況を見ていると日本のスポーツ団体の役員は国内では顔を利かせているが、海外ではほとんど機能していないように見える。典型的な内弁慶である。スポーツ外交などと体裁の良い言葉で繕っているが、外交と言えるような戦略が一部の競技を除き欠片も見られ無いのは残念である。各国と親善を深めると同時にアンテナを張り巡らし、日本チームが不利にならないように、つんぼ桟敷におかれないように努めるのも重要な役割である。開会式の先頭を歩くだけが国際大会の団体役員の役割ではないはずだが、名誉職に徹しているような人も少なくない。金メダル選手が名外交官になり得るとは必ずしも言えない。文科省もその辺りを考慮してサポートすべきではないか。
 同じアジアでも隣国韓国は言いたいことを遠慮なく、あたり構わず主張する国民性もあるが、その辺りの意識をしっかり持っているようだ。先のFIFA日韓戦で日本の竹島について韓国領と主張した選手のメダルが剥奪されて当然であったが、このほど授与式は行わないもののメダルは授与されることとになったと聞く。韓国側から猛烈な働きかけがあったであろうことは容易に想像がつく。 

女子スキージャンプの高梨選手は大丈夫か
  2020年の東京オリンピックの招致を心から願うものであるが、開催国のメダルが少しでも多く獲得できるように工夫することも大事である。まして変なルール改正によって、選手の戦闘意欲をなくさせるよなことがないよう関係者の最大限の努力を期待する。
 冬のオリンピック・ソチ大会での女子ジャンプの高梨沙羅選手の活躍が期待されているが、彼女に不利なルール改正が行われるではないか、出場できなくなるのではないかなどの噂もちらほらある。スキーでは何回も煮え湯を飲まされているだけに、もっともな心配である。根拠なき杞憂であって欲しいものだが用心も肝要だ。真のスポーツ外交を怠りなく進めて欲しい。



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