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2019ダボス会議での安倍首相の演説

2019-01-23 19:37:56 | 世界の中の日本

 安倍首相が予想通り厳しいものとなったプーティン大統領との会談を終え、スイスでダボス会議に参加し演説を行う。トランプ米国大統領やメイ英国首相、ラクロンフランス大統領がお家の事情で不参加となるが、世界の政治家・企業人やメディア関係者など3000人以上が集まり、世界の経済や平和について中立公平の立場で話し合う。安倍首相は、今後の世界経済について、 データ管理を議論する枠組みの創設を呼びかけるほか、自由貿易を推進する考えを強調したうえで、知的財産権の保護の強化などに向けて、WTO=世界貿易機関の改革に取り組む決意を示し、6月のG20大阪サミットに向けて議長国としてリーダーシップを発揮していく考えと言う。

  メディア向けの発言が得意の安倍首相、20大阪サミットを控えての待ってましたの大舞台であるが、2014年のダボス会議でのことがあるだけに国民をとしては手放しで安心して聞く気にはなれない。
 2014年のダボス会議で冒頭の基調演説での「(アベノミックスという)私のドリルで破れない岩盤規制はない」との千両役者もかくやと思わせる大見得は、その後の政治で中身をともなっていれば実に見事であったが、今となっては“吹きも吹いたり”で、『大言壮語』を通りこした『大言妄語』としか言いようがない。

  首相官邸が公表している 「 世界経済フォーラム年次会議冒頭演説」を拾い読みして目についたものを並べてみた。
 
〇 大胆な金融政策という、第一の矢、機動的な財政政策という、第二の矢、そして民間投資を喚起し続ける、終わりのない第三の矢
〇 昨年終盤、大改革を、いくつか決定しました。できるはずがない――。そういう固定観念を、打ち破りました                              ~
〇 電力市場を、完全に自由化します。……日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
〇 医療を、産業として育てます。日本が最先端を行く再生医療では、細胞を、民間の工場で生み出すことが可能になります。日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきた ことです。 
〇 40年以上続いてきた、コメの減反を廃止します。……  日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです
〇 既得権益の岩盤を打ち破る、ドリルの刃になるのだと、私は言ってきました.
  春先には、国家戦略特区が動き出します。向こう2年間、そこでは、いかなる既得権益といえども、私の「ドリル」から、無傷ではいられません。                      

〇 いまだに活用されていない資源の最たるもの。それが女性の力ですから、日本は女性 に、輝く機会を与える場でなくてはなりません。2020年までに、指導的地位にいる人 の3割を、女性にします。                        

 2014年の演説を今読んで、改めて6年間を振り返ってみて“こんな立派な首相を……”と感激するか“戦略特区って加計学園ことなの?”と思うか、人それぞれであるが、この調子で、2014年と同じような調子で大言壮語(妄語)し、大見得をきるのはご遠慮頂きたいとひたすら願う。いま一つ、気になっているのは、メディアの記者などから「2014年演説の進捗度やその効果」について質問を受けたら“どう答えるのだろうか?”という懸念である。『これ以上国民や世界を失望させないでほしい』との願いでもある。
世界で「ご飯論法」は通用しない。


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