半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第108話

2023-07-11 08:23:58 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日と祭日も朝11時から初級のレッスン、ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2023年12月24日(日曜日)枚方(ひらかた)芸術文化センターにて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは「ライモンダ」より、ピチカートのヴァリエーションです。
男子は「ラ・シルフィード」のヴァリエーションです。
さ、やりましょう!!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第108話
「よしっ、ここが客席に繋がるドアーに違いない…」重い
ドアーを開くと「おーっ!」ボリショイ劇場の舞台上では
衣裳を着けたダンサーたちの熱いリハーサルの真っ最中だ。
そして客席のドアーを渾身の力を込めて「エイッ!」と開け、
入って行くとショージはまず舞台を見てから客席に目線を
移した。

するとそこには数十人のダンサーやらスタッフがその
リハーサルを見ていた。丁度その時、舞台上にアナウンス
が入りどうやら小休止のようだ。ショージが顔をキョロ
キョロさせていると、客席の椅子から立ち上がった巨人が
「おー!なんだ、ここに来ていたのか?」と向こうの方から
声が掛かった。ショージはその巨人を見るなり、「おーっ!」

勿論誰なのかは知っていた。それは紛れも無くアンドリス・
リエパだった。このバレエ団のトップ契約のプリンシパル
(最高ランクのダンサー)に昇格したてのホヤホヤで、
西ヨーロッパでもダンスマガジンなどを賑わしている実に
素晴らしいダンサーなのだ。

彼はニーナ・アナニヤシヴィリと共にモスクワ国際バレエ
コンクールで堂々の一位に輝いたばかりで、彼も彼女も
ショージが所属しているスウェーデンのゴッセンブルグ・
バレエ団に「白鳥の湖」全幕にゲストで数回ほど来ていた
のだ。ショージとアンドリスはテクニックに更なる磨きを
加える為にリハーサルの後には必ず稽古場に2人で残り、
思考と努力を重ね、技術の向上のための開発を共にした、
いわばブラザーなのである。と多分ショージは一人合点している。

客席の椅子にはまだ沢山のアンドリスの同僚のダンサーたちが
座っているのだが、皆、一斉に同じ方向に歩き始めた。
アンドリスはショージに唐突に「あ、あのさ、これ見ろよ!」
と椅子の脇に置いてあった物を掴むと、ショージの顔の
前に高々と見せつけ、「いいだろ?買ったんだよ…。どうだ?
すげーだろ?」と自慢たっぷりのアイテムはビデオカメラ
だった。つまりハンディカメラの初期モデルであった。
偉く大きなビデオカメラだ。

その当時はまだまだソビエト連邦には普通の人の手には
絶対に持つ事の出来ない超高額電化製品で、モスクワでも
滅多に見る事の出来ない代物なのだ。彼の巨大な身体の
前では小型化のビデオカメラに見える。こんな優れ物を
持っているのはこの世界の最高峰のバレエ団の中でも
おそらくは彼のみであろう。しかし、アンドリスは
いつ見ても実に格好の良い男だ。

「あのさアンドリス、お願いしたい事が…」と言い掛けた時、
「あっ、俺の出番だ!急がないと…」アンドリスは舞台
目がけて走って行ってしまった。「ああ…レッスンさせて
もらえるようにお願いしたかったのに…ま、ここに座って
いればまた会えるか…」とショージ以外には誰もいない
巨大なボリショイ劇場の客席に一人で座った。

それにしてもこうしてボリショイ劇場の中にまんまと侵入し、
途中から見始めたこのバレエのストーリーも、このバレエ
自体の名称も全く分からない。それと、はっきり言って
このバレエは全然面白くない…と、これが、一ダンサー
としてのショージの感想だった。

ボリショイならやはり古典が1番見たかった。そして
世界中にそのボリショイバレエ芸術を広めた大ヒット作の
バレエ「スパルタクス」を生で見れたら最高なのだが。
(つづく)