半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第87話

2023-06-16 08:12:43 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日と祭日も朝11時から初級のレッスン、ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2023年12月24日(日曜日)枚方(ひらかた)芸術文化センターにて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは「海賊」二幕から花園より、グルナーラのヴァリエーションです。
男子は「バヤデール」のヴァリエーションです。
さ、やりましょう!!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
モスクワ到着
第87話
ここはモスクワ空港。異常な臭い(おそらくは
トイレのタンクの中に入っているタブレット錠の
消臭剤のせいであろうと思う)が充満する
ジェット機内からようやく解放され、あまりの
恐ろしさにまだ足が地上に付いてない感じだ。
大きなドーム状のとても暗い空港内。そこには
外国人を喜んで迎え入れてくれるような雰囲気は
微塵も無く、人間の感情など受け付けようと
しない無言の威圧感と冷たいコンクリートの床に、
これまたデザインなどを無視した共産圏独特な
奇妙な天井が妙に恐ろしく感じられる。

そして入国審査はもっと恐ろしいものであった。
ツアー客同士が入り混じり、ショージも列に並んで
待っているがビザは取得してあるから大丈夫な
はずだ。とは言え、やはり向こうで機関銃を構えて
立っている人間を見たら誰だって恐ろしさに足が
竦むはずである。

この機関銃はカラシニコフと言うマニアたちの
間でも有名な武器だが、有名であろうが無名で
あろうがそんなものはショージには興味は
なかった。それよりもショージの気を揉ませる
のはこの武器を持っている人間の人差し指に
少々の力が入った時に、数十名もの人間が
たった数秒でこの世から消えてしまうという
事だ。どうしてそんな危ない物を構えていな
ければならないのであろうか。理由はどうであれ、
話で解決をしようとする人間たちではないのは
明らかだった。

電光掲示板に映し出された表示にはマイナス
32度と出ている「,げ~っ!?スウェーデンの
最低温度は今までにマイナス24度で、その時は
あまりの寒さに身体が思うように動かなくなり、
アパートの中でもセントラルヒーティングを
目一杯にしても足りないほどだった。それなのに
ここモスクワではマイナス32度だって?
どうやって人間が生きていられるんだ!?」
俄かには信じられない数字だ。道理で道脇の
雪は凍りついて固まってしまうはずだ。
けばけばしく唇を真っ赤に塗った口うるさい
バスガイドと共にホテルへ到着した。

1987年12月23日 鼻無しショージ

翌朝、「さあ、出発だ~っ!僕の人生は自分で
切り開くんだっ!よ~しっ!」バッグを担いで
巨大なホテルの二重ドアーの外に出た。猛烈な
吹雪であった。雪がショージの両頬をバシッ
バシッと引っ叩く感じだった。次の瞬間、
ショージは息が全く出来なくなった。その空気の
冷たさは人間の限界温度を超えて、命を脅かす
ほどの気温なのだ。「うわっ!」ホテルの玄関から
ポンと出たものの、その瞬間にまたポンと後ろ
向きにホテルの中に戻ってしまった。

「な、何だ、この気温は!?出られない…決して
外には出られない!まず息が出来ない。
どうしよう、このままホテルの中で外を眺めて
いても、僕の人生に何の変化は起きない。だから
といって命を危険に晒すわけにもいかない…」
これは大袈裟でも何でも無く,マイナス32度の
気温に吹雪の強烈な風が加わるので、マイナス
38度以下に下がっているのだ。日本でこの気温を
体感できる場所は北海道だけかもしれない。
このホテル内と外の気温差はホテル内が17度
としても、実に55度ほどだ。

「げ~っ!なんちゅう所に来てしまったんだ…
兎に角、どうしよう…早くしないと!えーい、
出るぞ~っ!」バシッとドアーを開いて3歩走り
出したが、瞬時に引き返してしまった。
「ガビーン!何でこんな地獄のような寒さなんだ!?」
そうやって5,6回繰り返してる内に、どうやら
この強烈な寒さにも慣れてきたみたいでようやく
行けそうだ。
(つづく)