半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第86話

2023-06-15 08:25:53 | webブログ

バレエ教師の半澤です。

平日は朝は11時から初中級レベルのレッスン、水曜日、金曜日の
夕方5時20分は子供の初級、夜7時から中級レベルのレッスンです。
土曜日は朝11時からのレッスン、夕方6時です。ポアントもあります。
日曜日と祭日も朝11時から初級のレッスン、ポアントもあります。

皆さま、お待ちしております!

ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)

私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/

連絡をお待ちしてますね!

2023年12月24日(日曜日)枚方(ひらかた)芸術文化センターにて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

バリエーションは「海賊」二幕から花園より、グルナーラのヴァリエーションです。
男子は「バヤデール」のヴァリエーションです。
さ、やりましょう!!

連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第86話
テープからの秀樹の声…「今からショージさんの
知っている人たちが話しますから聞いていてくだ
さいね!」「半澤君、スウェーデンにいるの?
イタリアにいるって聞いていたけど、寒いでしょ
北欧は…」ああ、この独特の鼻にかけた甘い声は
あの人だ!そして直ぐに「半澤君、佳子です…
覚えていますか?スタジオパフォーマンスの時は
喧嘩もしたわよね…スウェーデンでも頑張って
くださいね!」今では茶の間でも有名になった
女優の床島佳子さんであった。そうそう、確かに
あの筋金入りの九州出身の女性とはパ・ド・ドゥを
一緒にした時にかなりの喧嘩もしたものだ。       

次々に沢山の懐かしい声がテープから聞こえて来た。
「思い出すな…六本木のスタジオで毎日欠かさずに
皆と一緒に頑張って練習をしていた頃を…」この
ティーシャツに書かれてある寄せ書きは秀樹が皆に
頼んで書いてもらったのであろう。ショージはその
ティーシャツを着てみた。「これは宝物だ!」
クラブ「愛」のママからの手紙とこのティーシャツと
カセットテープからの激励が心に沁みた。迷いから
脱出する事が出来たのは遠い日本にいる皆のお陰で
あった。

1987年12月23日 ソ連の飛行機

スウェーデンのゴッセンブルグに来て以来、
ショージはバレエ以外に習慣にしている事があった。
それは毎週木曜日に必ずロシア領事館に行く事で
ある。ソ連に入るためにビザを発給してもらうため
には、何らかの伝手が無い限り日本人がソ連に入る
事は不可能である事から、単純にロシア領事館に
伝手さえ出来たらビザを発給して貰えるだろう
という、普通の人間ならばおよそ発想しない事だ。

ショージはイタリアのバレエ団を辞めてフィン
ランドに行こうと思ったのはロシアで勉強がした
かったからだ。だが、フィンランドのバレエ団では
働く事が出来なかった。そこで急いでスウェーデン
にやって来て仕事をさせて貰う事になったが、
ショージが北欧にやって来た本当の理由は変わら
ない。どうしてもロシアで勉強がしたいのだ。

そんな時だった。たまたま道で見掛けた旅行会社の
看板に「クリスマスにモスクワへ…」が!これこそ
ショージを炎に揺らめく男に変えてしまった。
そしてモスクワに行く決意をした。果たして観光
ビザが日本人のショージに下りるだろうか。だが
その心配は無用であった。すんなりビザが下りたのだ。

飛行機が離陸前に「シートベルトをしてください…」
と機内アナウンスが入り、客たちがちゃんとシート
ベルトをしているのかを確認するためにスチュワー
デスが機内を廻り始めた。背が高くがっしりした
体躯がロシア的なのだが、アエロフロートのスチュ
ワーデスは日航のJALやオランダ航空のKLMと違って
笑顔がほとんどない。

その無言の表情から読み取れる彼女らの声を代弁
したとするならば、「あんたら、ベルトをしたの
かい?していないじゃないかっ!ちゃんとしろっ!」
とまあこんなもんであろう。

気流が悪いせいか機体がグラグラと横に揺れ、
その度にショージの胃の中はググっと込み上がり、
一瞬で30メートルほど機体が落下した。「あ…
駄目か…」と眼をカッ!と見開いた。イタリアの
ダンサーたちが「ドイツとロシアのパイロットは
腕が世界でも最高ランクなんだよな…!ただ、
ロシアの機体は世界の最低ランクだから、どんなに
パイロットが上手でもポトッて落ちても不思議じゃ
ないのさ!ハハハ、チャオ~!」と言っていたのを
思い出した。ショージは顔が真っ青になっているのが
自分でも分かった。
(つづく)