青春のフライングV

中学３年生の頃、高校に入学したらエレキギターを買おう、それも白いストラトキャスターを買おうと決めていました。
ストラトキャスターは演奏しやすくて、どんなジャンルでも使えそうだ、というのがその理由でした。色はリッチーブラックモアが使っている白がいいかなと。

ところが高校に入学が決まって、いよいよギターを買いに行く数日前、何を思ったか「やっぱりハードに決めるぜ」と急遽方針を変更し、衝動的に買ってしまったのが写真のギター、フェルナンデスのフライングＶモデルです。
当時、日本のメタルバンド（通称ジャパメタ）に「４４マグナム」というバンドがあり、そのギタリストである広瀬さとし氏（通称ジミー）が弾いていたモデルがフェルナンデスのフライングＶだったため、その真似をしたというのもありますが、「メタルかハードロックしかやらんもんね」と自分に踏ん切りをつけるためにこんなギターを選んだ覚えもあります。

高校入学後は「バチルス」という名前のバンドを組んで、ハードロックを中心にコピーしていました。こんなギターを使っていたため、皆に「あいつはメタル野郎だ」と思われていたようですが、本当はストーンズが大好きで、パンクやブルースも好きだったのです。
また、その時のドラマーが現バンドのドラマーであるＦ君ですから、縁というのはおもしろいものです。他のメンバーもユニークで、みんな元気にしているのか同窓会でもしたいなあと思っていますが、これは余談です。

さて、フライングＶですが、立って弾くには軽くて弾きやすいのですが、座って弾くと足に当たる部分が直線になっているため非常に弾きにくく、自然、家で練習する時も立って練習することになりました。壁などに立てかけた時、２点で支持されるため安定度が高く倒れにくい、という利点もあったのですが、総じて弾きにくく、現在愛用のＥＳ－３３５モデルを入手してからは、ほとんど触らなくなりました。高校時代は文字どおり添い寝するほど大切にしていたギターなのに、最近はずっとケースに入ったままです。たまにカビが生えないようにケースから出してやる程度のため、ギターもどことなく悲しげです。

いつか機会があれば使ってあげたいのですが、さすがにこの年でフライングＶは似合わないだろうなあ。