鮎川玲治の閑話休題。

趣味人と書いてオタクと読む鮎川が自分の好きな歴史や軍事やサブカルチャーなどに関してあれこれ下らない事を書き綴ります。

埋もれた軍歌・その37 安東省歌

2016-05-03 01:38:39 | 軍歌
しばらく間が開いてしまいましたが、『決戦我等の歌』から一曲ご紹介しましょう。前回に引き続き安東に関する歌ですが、今回は安東「省」の歌です。
安東省は満洲国の南端、日本領朝鮮との国境に位置する省で、1934(康徳元)年12月に設置されました。当初は荘河縣、岫岩縣、安東縣、鳳城縣、寛甸縣、桓仁縣、輯安縣、通化縣、臨江縣、長白縣、撫松縣の11縣から構成されていましたが、後にその領域は変化し、1945(康徳12)年8月当時には安東市、鳳城縣、岫岩縣、荘河縣、寛甸縣の1市4縣から成っていたようです。


安東省歌

一 鳳山聳え鴨江流る
  景風勝地我が安東
  輝く文化は日に日に展(ひら)け
  世紀も新(あらた)に波打つ善政
  民族協和の歓喜(よろこび)謳(うた)はん

ニ 一市六縣東光浴びて
  省民三百万希望に溢(あふ)る
  天恵(てんけい)豊(ゆたか)に栄(は)えゆく産業
  海陸交通興亜の要衝
  王道楽土の歓喜(よろこび)謳(うた)はん



「鳳山」は安東市(現・丹東市)郊外に位置する鳳凰山、「鴨江」は満鮮国境に流れる鴨緑江を指します。「一市六縣」とあるのは、この時期の安東省が安東市と安東縣、岫岩縣、桓仁縣、荘河縣、寛甸縣、鳳城縣の1市6縣から構成されていたことを示すものと思われます。

参考資料:満洲帝国分省地図並地名総攬 : 満洲建国十周年記念