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ネパールの思い出  その1

2005-02-12 | アジアの想い出
新婚旅行を兼ねた、調査旅行でインドに行き、途中で一泊だけ立ち寄った国、ネパール。
ヒマラヤの麓の平和な国に仕事に行ったのは10年以上前になる。
研究旅行と違うのは、通訳がいないこと。
もっとも、持ち前の心臓の強さと、ヘタな英語、ボディランゲージで困ることは無かった。
私はほぼ2年半以上、一時帰国を除いて、調査区近傍のホテル住まい。
特に日中40度近くなる、真夏にも働いて、現地の作業員には喜ばれたがネパール側の学者や、JAICAの日本人にはクレイジーと言われた。

ちょっとここで解説すると、私の専門は、考古学方法論。
アメリカでは、考古学は人類学の一分野だが、日本やヨーロッパでは、歴史学に属する。しかも方法論が専門となると、歴史学、人類学、心理学、物理学的年代法、生態学、人間行動学など、幅広い分野の基礎を学ばなければならない。
フィールドワークとしてのネパールでの調査は、自己の方法論完成に大きな意味のある体験だった。

現地のエンジニアやアーティスト、フォトグラファーと一緒に行ったピクニック。
楽しかったです。どちらかと言うと、私は愛国者ではあるつもりですが、日本的なベタベタした人間関係は大嫌い。大学院もドクターまで行きましたが大学の派閥とか、いわゆる学内政治が嫌いだったので、在野の学者の道を選びました。
ですから、むしろネパール人やインド人を中心に付き合った調査時代は楽しい想い出ばかりです。
たまに現地にくる、日本人との付き合いの方が、憂鬱でした。
まぁ、新婚の家内を日本に残しての調査でしたから、それについては今でも感謝しています。
家内もベタベタは嫌いな人で、人柄を印象としていえば“サラサラした”とか“涼しい”感じの人間だから、わがままな私とやってこれたのかも知れません。

ある町の、あるお店で食べさせる“ダヒー”は、ネパールで最も美味しかった料理の一つです。ヨーグルトとカッテージチーズの中間のような食べ物です。
他には、食欲が無かった、暑い季節に、現地の従業員が持ってきてくれたパパイヤやマンゴーの美味しかったこと。
そう言えば、ひょんなことから知り合いになった、インド人のハイクラスカーストの女性は、果物、乳製品の他は、ほとんど食べませんでした。
きっとヒンドゥーの教えなのでしょうね。
また、これもハイクラスの人ですが、ネパールの学者の家で食べた、茸のカレーは、本当に絶品でした。
帰国後も、カレーを作るときは、我が家ではたくさんの茸を入れています。

(鮎川)

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