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2008-09-08 | 国際的なこと
「のび太くんがかわいそう」――福田首相の辞任惜しむ中国
2008年9月5日 金曜日 田原 真司 NB ON LINE

 福田康夫首相の突然の「政権投げだし」に世界が驚き、無責任との批判や呆れ声がうずまく中、中国ではまるで逆。辞任を惜しむ声が広がっている。

 辞意表明の緊急会見が行われた9月1日夜、北京在住のある日本人駐在員の携帯には、中国人の同僚や友人からニュースを知らせる電話が次々にかかってきた。「日本の首相がころころ変わることは、中国人もよく知っている。福田首相の辞任について、こんなに関心が高いとは意外だった」と、この駐在員は驚く。

 「(福田首相のおかげで)せっかく日中関係が良くなったのに、辞任するのは残念」。北京のタクシードライバーは、そうぽつりとつぶやいた。

 「残念」という言葉は、中国の一般市民の心情を代表していると言っていい。福田首相は、小泉純一郎政権時代に冷え込んだ日中関係を大きく改善した功労者として、広く評価されているからだ。

ネット上のあだ名は「のび太」
 中国での“福田人気”は、昨年9月の首相就任早々に表明した「靖国神社不参拝」の効果が大きい。

 日本の政治家が靖国神社に参拝する複雑な背景や、日本国内でも分祀論など様々な議論があることについて、中国の普通の市民はほとんど知らない。「A級戦犯を祀る神社に首相が参拝するのは許せない」「中国が参拝中止を求めているのに、それでも行くのはけしからん」など、感情的にとらえるケースが大部分だ。

 このため、参拝を強行した小泉元首相の「心の問題」という説明は、一般市民には理解不能だった。安倍晋三前首相の「行くとも行かないとも言わない」という“あいまい戦術”も、やはり釈然としない。それだけに、福田首相の「相手の嫌がることをあえてする必要はない」という発言はわかりやすく、市民たちの心をとらえた。

 日本では「無個性」「何をやりたいのかわからない」などと酷評された首相の風貌や語り口も、中国では意外な人気があった。

 首相就任直後、中国のネット上でついたあだ名は「のび太」。中国でも人気の日本漫画『ドラえもん』の中国語版では、主人公である「野比のび太」の名前が「野比康夫」になっており、首相と同名であることにちなんだものだ。メガネをかけて何となく頼りない雰囲気も、イメージにぴったり合ったようだ。

「のび太くんがかわいそう」
「ドラえもんは助けに来なかったのか」

 辞任が報じられると、中国のニュースサイトやブログにはそんな書き込みが相次いだ。
 「政権投げ出し」に対する無責任との批判も、外電を引用する形で伝えられてはいる。しかし一般的には、お人好しの福田首相が、自民党内の権力闘争や野党の攻撃に耐えかね、辞任に追い込まれたと同情的に見る向きが大勢を占めている。

福田首相は、内政では終始「ねじれ国会」に悩まされ、国民の関心が高い年金問題や景気対策で見るべき成果を上げられなかった。

 だが、こと対中外交に関しては、一定の成果を上げたと評価できるだろう。中国の国家元首としては10年ぶりの胡錦濤・国家主席の訪日を実現したほか、膠着していた東シナ海のガス田共同開発問題でも交渉再開にこぎつけた。

 ギョーザ事件に関して、中国でも中毒が起きていたという通知を公表しなかったことなど、首相の対中姿勢には「中国に甘すぎる」との批判もある。とはいえ、日本にとって中国が最大の貿易相手国になり、現実に両国間で様々な問題が起きている以上、外交の空白は許されない。双方が交渉のテーブルに付き、突っ込んだ議論を戦わせるには、そのための雰囲気作りが不可欠だ。

「首相の地位にある人は、極端な嫌中でも親中でも弊害がある。しかし実務レベルで中身のある交渉を進めるという意味では、嫌中よりは親中の方がいい」

 8月初めの内閣改造直後、北京を訪れた日本の経済官庁の幹部はそんな本音を吐露していた。

 国家間交渉での成果もさることながら、福田外交の最大の功績は、何と言っても中国の一般市民の対日感情を大きく改善したことだろう。胡主席の訪日直後に起きた四川大地震では、日本から派遣された救援隊の活動を中国メディアが破格の扱いで報じた。市民の間では「日本に対する見方が変わった」という声が多く聞かれた。報道の背景には胡主席直々の指示があったとされるが、福田首相による雰囲気作りがなければ、日本の救援隊が市民の心に残ることはなかったかもしれない。

麻生氏には様子見しつつ警戒
 次期首相の最有力候補とされる麻生太郎・自民党幹事長は、中国では「右翼のタカ派政治家」という評価が一般的。小泉内閣の外相だった2006年に打ち出した「自由と繁栄の弧」構想は、中国を事実上排除するものとして強い非難と警戒心を招いた。

 しかし福田首相の辞意表明後、中国政府は麻生氏に関する論評を慎重に避けている。外交問題の専門家の間では、麻生氏が首相に就任した場合、まずは出方を見守るという意見が主流で、あからさまな批判は見られない。現在の友好ムードを壊したくないというのが、中国の本音だからだ。

 とはいえ、警戒心は高まっている。対日問題の権威で、福田首相の緊急会見当夜に中国中央テレビの報道番組に出演した金熙徳・中国社会科学院日本研究所副所長は、こうコメントした。

「麻生氏が(首相に)就任しても、他の誰かが就任しても、日中関係改善の潮流は基調として変わらないはずだ。しかし我々は、小さな波風が立つことに心の準備もしておく必要がある」

 外交交渉は、相手国の国民感情を抜きには進展しない。次期首相にとっても中国との関係は、大きな外交課題だ。中国の一般市民の対日感情好転という福田首相のほとんど唯一と言ってもいいかもしれない成果から、学ぶところがあるかもしれない。

(田原 真司=日経BP社北京支局長)
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やっぱり好かれてたんですねぇ。

それじゃやっぱり辞めてくれて良かった。

隣国に警戒されないような人物じゃ役に立たないもんねぇ。


いや、馬鹿のふりとかだったら、これは素晴らしいですけどね。



・・・あーーーあぁ。


ええ?


いやいや。


まだ希望はありますよ。

まだ諦めていませんよ。

ホントです。


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