アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

カノコユリとヘメロカリス - 花粉協定

2023-07-18 15:30:00 | みんなの花図鑑
カノコユリ

カノコユリ(鹿の子百合)の「分布は、九州(主に薩摩半島から長崎県沿岸)や四国(愛媛県や徳島県の山間部)、台湾北部、中国・江西省」(wiki「カノコユリ」)なんだそうです!
知らなかった~~



しかも 「日本でもっとも自生密度が高いのが甑島列島」(同上)なんですって!

甑島(こしきしま)列島(wikiより)
「甑(こしき)」というのは弥生時代~古墳時代に用いられた移動式竈(いどうしきかまど)のことで、
(クリックで拡大)
志摩の海岸にある甑(こしき) に似た岩を御神体に甑島大明神として祭ったことから、島全体を甑島(こしきしま)と呼ぶようになったのだそうです。



甑島のほうでも島起こしのためにカノコユリをシンボルに使っているそうです。
ぽっちゃん計画室(薩摩川内市雇用創造協議会)は夏の甑島の至るところで鮮やかに咲き誇るかのこゆりをモチーフにワンポイントのイラストを2種、作成しました。↓




カノコユリの名はもちろん6枚の紅色(またはピンク色)の花被片の斑点模様が鹿の背の斑(まだら)模様に似ていることからですが、ユリ科独特の大きな雄しべとそこに着いた花粉量にも驚かされます。



昆虫が出現するまでは 植物は花粉を風に飛ばして雌しべに届けるしか方法がありませんでした。スギ花粉やヒノキ花粉が膨大な量を飛散するのに対し、被子植物は虫に(それも植物ごとに媒介者を特化し)花粉を運んでもらうので、無駄な花粉を大量に生産する必要はなくなりました。





ヘメロカリス

「ヘメロカリスは、ユリ科ワスレグサ属の宿根草です。原産地はアジアの極東地域。日本では、霧ヶ峰や尾瀬に咲くニッコウキスゲや、山里に咲くノカンゾウ、ヤブカンゾウ、夕暮れにほのかな香りを漂わすユウスゲなどの野生種が、その仲間として知られています。野生種も園芸種も、すべてヘメロカリス属に分類されますが、一般的にヘメロカリスというと、品種改良した園芸品種を指します。」(AGSコラム「へメリカリスの基礎知識」)



花被片は6枚。 基部で合着して細長い筒状になっています。 そのうち 裏手の3枚を萼片、手前の3枚を花弁というようです。



6が基数のようで、雄しべは6個。 そして盛んに花粉を出しています。



葯も初めは固いですが、しだいに「花粉が吹いて」きます。



自家受粉を避けるように、雌しべだけ高いところにあります。



虫媒花の進化は、昆虫の進化と共にあり、互いに関係しあって、双方に新たな種が誕生してきました。
虫媒花は、媒介者である虫が花から花へ花粉を輸送してくれるので、無駄になる花粉が少なく、効率的な受粉ができます。
これにより、花粉の生産量を抑えることができ、その代わりに媒介者の報酬である蜜などを生産するようになりました。
(長居植物園「みんなのフォトアルバム|植物と虫」より抜粋)



飼い猫に近づけてはいけないもの
ユリの花束、ユリの鉢植え、庭や空き地に生えているユリ、ユリの入っていた花瓶の水など。
どう問題なのか
ネコにとっての猛毒。
毒成分がまだわからず、対症療法(吐かせる・下剤・輸液など)しかない。
花粉、葉、つぼみなどをごく少量食べた例でも死亡例があり、
花粉は体についたものを舐めることで、ネコのイタズラ心とは関係なく口にしてしまう可能性がある。
(PE2HO Betelgeuse's Diary「猫にとっての猛毒、ユリとヘメロカリスについてのメモ」より抜粋)




.


コメントを投稿