アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ツユクサ、マルバツユクサ、シマツユクサ - 侵略者

2023-09-27 16:00:00 | みんなの花図鑑
ツユクサは侵略者です。

ツユクサ

私たちが「ツユクサ」と呼んでいる昔からある在来のツユクサも畑の侵略者であることは他の外来種と同じです。
畑のツユクサを引っこ抜いてそのまま放置しておくと、節からふたたび根が出てきてゾンビのように蘇るのです。
学名: Commelina communis




花は茎のいちばん上に付きます。一番上の葉が編み笠風に折りたたまれていて(苞葉)その中から花が開花します。
ツユクサには 長さの違うおしべが3種類、合計6本あります。




一番短いギリシャ文字のπの字型をしたおしべは3個あります。
このおしべは不稔性で、花粉には生殖能力がありません。虫の餌になるために存在すると言われてます。



長い雄しべは2本あります。この長い2本が本来の稔性の花粉をもっています。
短い3個と 長い2個の中間の長さのおしべが1本あります。半稔性と言われてます。




上の画像には、最初の2枚の画像にはあった めしべ がありません。
編み笠風の苞葉の中には複数の花序があり、最初に開く花序は雌しべを持たない雄花になるようです。
(逆に、直立した花柄に咲く花は、花の咲き始めの時期では両性花が多く、のちに咲くものは雄花が多いとする説もあります。)






マルバツユクサ

在来のツユクサと比べると花は小型で色もやや褪せています。横で咲いているのはマメアサガオです。
学名: Commelina benghalensis




在来のツユクサよりも葉が幅広で縁が波打ってることが多いです。




ツユクサの仲間は昼近くなるとシベを丸めて店じまいを始めます。




長い雄しべ2本と雌しべが丸くなっています。こうして丸まって縮むとき自家受粉します。






シマツユクサ

私のブログでは「本邦初公開」の外来ツユクサです。
学名: Commelina diffusa




見つけたのは水田の畦から水がしみだしている場所で、葉は在来のツユクサそっくりなのに、花がとても小さいのです。



これは何というツユクサだろうと、掲示板にお伺いを立てたのですが、
はじめて見つけたときは11時過ぎで、花弁が萎れかけていたので、「もっと早い時間に花弁の様子が分かるものを撮ってきなさい」と言われ、8時半に撮ってきたものが ここから下に掲げる画像です。



チェックポイントは下側の花弁が上2つの花弁のように青いかどうかで、このように下側の花弁も青ければ、外来のシマツユクサか、同じく外来のカロライナツユクサだろう、というお話でした。




そして、シマツユクサとカロライナツユクサの識別点のひとつが 3種類あるおしべの中間の長さのおしべ(Y字形雄しべ)の色が、「シマツユクサは紺色(暗紫色)で、カロライナツユクサは白色」だという点。上の画像を見ると花糸は白ではなく水色ですから、カロライナツユクサではなくシマツユクサということになります。
シマツユクサ
「湿地に好んで生え、花がツユクサに比べて極端に小さく、花弁は明確に三枚視認できる。神奈川県内では帰化が確認された平成20年(2008)前後から地球温暖化の恩恵に乗っかってか急速に分布域を拡大させている国内外来種」
「川の水を引いている田んぼで茂れば水稲農家には迷惑なしつっこい水田雑草になる。」
「真夏の始めより終わりの時期に多く目にする。」
「全体的には蔓植物のように地面を這い、花が草むらなどから露出し日の目を見る程度に茎先端を立ち上げる。」
「各葉腋(ようえき)からも根を伸ばすため、もしかしたら刈払い機で茎をざくざく切断すればするほど逆に数を増やしてしまう悪名高き特定外来生物ナガエツルノゲイトウ(長柄蔓野鶏頭)方式を採用している可能性。」
(以上、mirusiru.jp「シマツユクサ」より抜粋引用)






.


コメントを投稿