この「クロードと一緒に」と言うお芝居の主人公”イーブ”には一切女性的なアプローチはありませんが、中性的と言うか何と言うか「男の子でもなく女の子でもない」と言う雰囲気が二人のイーブからは感じられました。
いや、勿論外見は男の子です。かもし出す空気が独特でした。
それは本当に不思議な感覚で、この二人の俳優さんがそこまで「男娼イーブ」の雰囲気を身にまとった事に驚きます。
きっと演出家の方や共演者の方々、関わった人たち総てに「引き出された」と言う事もあるかと思いますが、表現者として「イーブ」と言う青年に取り込まれる位寄り添わないと出来ない役であったと感じます。
イーブは女性の気持ちを持つ男の子では決してないのだし、女の子の容姿に憧れる男の子でもありません。
男性であり、男性が恋愛対象である男の子の複雑な佇まいを安っぽくならず身にまとう事はとても難しい事だったのではと思うのです。
観客にも伝わりづらく、表現する方にしても伝えづらい難しさがあったにも関わらず、最後にはお互いが涙を流す程何か強い物を共有する驚くべき結果となりました。
稲葉さんの演じるイーブは相馬さんのどこかとんがった雰囲気を持つイーブとは違い、物静かで大人しい感じがしました。
もうホントにうんざりなんだって表情で刑事役の伊達暁さんと向き合います。
伊達さんはとってもかっこ良かったです。男っぽい色気がありましたねぇ。
何をしでかすか分からない危うい瞳の相馬イーブと対峙していた伊藤さんが、「やるんならお前、かかって来いよ」的な感じであったのに対し、パッと見殺人など出来そうにない稲葉イーブ相手の伊達さんは36時間取調べに何の進展も無い事に苛立っては居るものの、「まぁ、お前は話すよ、最後には。俺は本気なんだし。」ぐらいの大人っぽい余裕があったような。
おもしろかったのは、相馬イーブとは立ち位置が反対側だったりした事です。相馬イーブがギィや刑事の居る舞台中央の大きなテーブルの方で喋るところで、稲葉イーブは判事のデスクの方で喋っていたり。
左利きや右利きだったりして?
いや、分かんないけれど(笑)。
少し子供っぽい雰囲気を残す稲葉イーブには、「どうしてこんな事に・・・?」と言ういたたまれない気持ちを覚えました。
彼が育って来た日々の中に、安らぎや温もりの代わりに混乱や孤独があった事を悲しく思いました。
主に刑事や速記係が居るテーブルの脚はまっすぐはなっておらず、猫脚の様に少し床に近い部分に曲線のあるデザインです。
稲葉さんがそのテーブルの方に腰掛けて話す時、自分の足の裏をぺたっとその曲線部分に乗っけて話していました。
そんな若い無邪気な仕草が可愛らしかったですね。
また、”クロード”に自分以外の女性の恋人が居て、彼女が事件の事を聞き絶叫したとの捜査報告を刑事が読み上げると、稲葉イーブは思わず刑事の持つファイルを掴んで引っ張ります。
「嘘だ、そんな事どこに書いてある!」と言わんばかりに。
伊達さん演ずる刑事は、イーブのその余裕のない瞳をじっと見据えながら触るな、と言う具合にイーブが掴みかけたファイルをその手から引き剥がします。
このお芝居は相馬さん・伊藤さんコンビには無かったと思います。
取り返しのつかないとんでもない事をしてしまったイーブはまだ考えの甘い子供で、刑事達は経験もあり術も知る大人。
結局のところはまったく勝ち目がない。
稲葉さんの若い外見も手伝って、そんな事が伝わって来る様なシーンだと感じました。
つづく。
いや、勿論外見は男の子です。かもし出す空気が独特でした。
それは本当に不思議な感覚で、この二人の俳優さんがそこまで「男娼イーブ」の雰囲気を身にまとった事に驚きます。
きっと演出家の方や共演者の方々、関わった人たち総てに「引き出された」と言う事もあるかと思いますが、表現者として「イーブ」と言う青年に取り込まれる位寄り添わないと出来ない役であったと感じます。
イーブは女性の気持ちを持つ男の子では決してないのだし、女の子の容姿に憧れる男の子でもありません。
男性であり、男性が恋愛対象である男の子の複雑な佇まいを安っぽくならず身にまとう事はとても難しい事だったのではと思うのです。
観客にも伝わりづらく、表現する方にしても伝えづらい難しさがあったにも関わらず、最後にはお互いが涙を流す程何か強い物を共有する驚くべき結果となりました。
稲葉さんの演じるイーブは相馬さんのどこかとんがった雰囲気を持つイーブとは違い、物静かで大人しい感じがしました。
もうホントにうんざりなんだって表情で刑事役の伊達暁さんと向き合います。
伊達さんはとってもかっこ良かったです。男っぽい色気がありましたねぇ。
何をしでかすか分からない危うい瞳の相馬イーブと対峙していた伊藤さんが、「やるんならお前、かかって来いよ」的な感じであったのに対し、パッと見殺人など出来そうにない稲葉イーブ相手の伊達さんは36時間取調べに何の進展も無い事に苛立っては居るものの、「まぁ、お前は話すよ、最後には。俺は本気なんだし。」ぐらいの大人っぽい余裕があったような。
おもしろかったのは、相馬イーブとは立ち位置が反対側だったりした事です。相馬イーブがギィや刑事の居る舞台中央の大きなテーブルの方で喋るところで、稲葉イーブは判事のデスクの方で喋っていたり。
左利きや右利きだったりして?
いや、分かんないけれど(笑)。
少し子供っぽい雰囲気を残す稲葉イーブには、「どうしてこんな事に・・・?」と言ういたたまれない気持ちを覚えました。
彼が育って来た日々の中に、安らぎや温もりの代わりに混乱や孤独があった事を悲しく思いました。
主に刑事や速記係が居るテーブルの脚はまっすぐはなっておらず、猫脚の様に少し床に近い部分に曲線のあるデザインです。
稲葉さんがそのテーブルの方に腰掛けて話す時、自分の足の裏をぺたっとその曲線部分に乗っけて話していました。
そんな若い無邪気な仕草が可愛らしかったですね。
また、”クロード”に自分以外の女性の恋人が居て、彼女が事件の事を聞き絶叫したとの捜査報告を刑事が読み上げると、稲葉イーブは思わず刑事の持つファイルを掴んで引っ張ります。
「嘘だ、そんな事どこに書いてある!」と言わんばかりに。
伊達さん演ずる刑事は、イーブのその余裕のない瞳をじっと見据えながら触るな、と言う具合にイーブが掴みかけたファイルをその手から引き剥がします。
このお芝居は相馬さん・伊藤さんコンビには無かったと思います。
取り返しのつかないとんでもない事をしてしまったイーブはまだ考えの甘い子供で、刑事達は経験もあり術も知る大人。
結局のところはまったく勝ち目がない。
稲葉さんの若い外見も手伝って、そんな事が伝わって来る様なシーンだと感じました。
つづく。